日本語の表現の美しさはどこにあるか
日本語の表現の美しさは、十のものを七つしかいわないところ、
言葉が陰影に富んでいるところ、
半分だけ物をいって後は想像に任せようとするところにあって、
真に日本的なる風雅の精神というものは
そこから発しているのである。
『陰影礼賛』谷崎潤一郎
もう、こういうあり方は、
伝わりにくくなっているのかも知れません。
なぜなら、七つしかいわないのだから
のこり三つを察して想像できる
感受性と教養が必要だから。
なんでも「わかりやすく」「十分に」
伝えることが良いとされるようになったから。
だけど今もよくおもう。
間の豊かさ、沈黙の饒舌さ
それがあって、日本語は完成するのだと。
みなさまからいただくサポートは、主に史料や文献の購入、史跡や人物の取材の際に大切に使わせていただき、素晴らしい日本の歴史と伝統の継承に尽力いたします。