見出し画像

一日の命

毎日坐禅をしていると
一日として同じ自分などないことに気づきます。
体躯の状態も心模様も
昨日と微妙にちがっているのです。
坐る時は今日の自分を感じながら
体をわずかに動かし姿勢を整えていきます。
呼吸が自然と楽になる地点を探しながら調整するのです。
そんなことを毎日繰り返していると
自分という固定されたものはなく
常にうつろっているのだから
どんなにととのえようとも
「これで終わり」ということはないのだと実感させられます。
完成はなく、けれど完成がないからこそ
私たちは完全といえるのです。
一日たりとも同じ自分でないのなら
日々一日の命を生きていると言っても過言ではないでしょう。
だから「日々新又日新」と昔の人は教えたのです。
一日の命。そう意識するだけで
日々は変わり、いつしか人生の密度が濃くなっていきます。

みなさまからいただくサポートは、主に史料や文献の購入、史跡や人物の取材の際に大切に使わせていただき、素晴らしい日本の歴史と伝統の継承に尽力いたします。