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苦が苦ではなくなる方法

お釈迦様は「一切は苦である」と仰せになりました。
実際私たちは生きる上でいくつもの苦を味わいます。
けれど、だからといって苦しむために生まれているわけではないのです。
むしろ生きる喜びを経験するために生まれています。
この矛盾をどう受け止めれば良いのでしょう。
苦しみがあるからこそ幸福を実感できる
などと申し上げるつもりはありません。
なぜならそれは苦と楽を分けているからです。
そうした二元的なものの見方では決して解説し得ないのです。
おぼろげながらも掴んだことは
苦の中に喜びはあり、喜びの中に苦はある
苦楽はもとよりひとつであるということです。
そうである以上、私たちは苦を受け入れることによって
内に存在する喜びを見いだすことができるはずです。
避けるのではなく、乗り越えるのでもなく
苦と一体になるほど受け入れ、その中に飛び込んでいった時
光を掴むのです。

心頭滅却すれば火おのずから涼し

これほどまでの無の境地に達し得なくても
できるかぎり心静かに苦を受け入れた時
思いがけない天啓が与えられ、
たとえ解決に至らなくとも、その中で喜びを見いだし
結果的に苦は苦ではなくなるのです。


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