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深山の百合

日本女性の美しさとは
深山の百合のようでありたい。
そう教えたのは
女子教育の先駆者、下田歌子先生でした。
「みやまのゆり」
響きまでもが美しい。
草木が生い茂り
影がいちだんと濃くなる夏
暗い緑のなかで真っ白な百合の花が
忽然と咲いている姿は
静謐という言葉がぴったりです。
深山で咲いていても
芳香は否応なしに漂います。
それに気づいた人が
香りの主たる百合を求めておとずれる。
「私を見て」と前に出て自己主張せずとも
ただそこに佇んでいるだけで
人の心を惹きつけるのです。
承認欲求とは無縁の佇まい。
人に見せるためではなく
自分のために美しくあろうとする
私も
深山の百合のようでありたいと願います。

写真:魚住心

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