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土を離れた人間たち
土というのは実に謙虚な存在だ。
それはつねに、私たちの足下にひれ伏していて、
私たちより上にくることはない。
土が謙虚であるように、
ヒューマンである私たちもまた謙虚であるべきだ。
謙虚さを失うとき、
私たちは人間性を失う。
自然と、地球と、そして土と一体となることが、
私たちが人間的であるために
もっとも大切な質なのだ。
アスファルトの下に土を押し込めることで
街は整備しやすく清潔になった、のだろう。
自然を遠ざけるだけならまだしも
自然をコントロールできると無意識に思い込んだ人類は
今、確かに、息苦しくてたまらない状況にある。
すべてを土の地面に戻すことはもうできないだろうから
せめて折に触れ土に触れてみよう。
五月。
新緑に染まる山が手招きしている。
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