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茫々たる宇宙の海を漂うように

自信とうぬぼれとは違います。
自信は生産的ですが、うぬぼれはありとあらゆるものを破壊しつくします。
科学の進歩即人間の進歩と考えることも一種のうぬぼれに違いありません。
そのうぬぼれは、ついに人間自らつくった物のあるじとなる事も出来ずに、
この二つの手を、この頭脳を過信するあまりに、反ってその物にくわれてしまう結果におちいるのです。科学の人類に対する復習の形を持つ、これは神の天罰です。これは真に不幸な出来事です。

『たしなみについて』白洲正子 河出書房新社

思い上がった私たち人類は、その所業により
年々歳々とてつもない驚異を目の当たりにしています。
大いなるものの力を前にして、為す術もないことを
いくら経験しても悟りには至らない。
この地球上で、信じがたいことに、まだ争いが止まない。
いま地球丸は、茫々たる宇宙の海を幽霊船のように漂っている。

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