平安貴族男子は、まるでイタリア男
今日は世界日報で連載中の『紫式部』を2回分まとめて書いておきました。
この数回は『蜻蛉日記』を参考文献に、平安貴族の結婚に至るまでのやりとりを書いています。
好みの女性をどう口説くか?
恋文を送るのです。
手紙といったって、和歌です。
あなたのことをどれほど恋焦がれているか・・・
貴族の男性はとにかく熱心に和歌を贈り続けます。
それに対して女性の方はわざとツレない返事をします。
かなり思わせぶりな態度を取るのです。
男心としてはツレないそぶりをされるほど燃えるのでしょうか?
そりゃそうですよね、狩でも何でも追いかけるのが楽しいにちがいない。
女性はそれを意識的にか無意識にか、ちゃーんとわかっていて、とにかく夢中にさせるのに長けている。
この駆け引きは個人的なレベルでは勝手にしろって感じで馬鹿馬鹿しくなるのですが、そこから日本文化として残る美しい和歌が生まれたのですから、すごいですね。
それにしても、
あなたからの返事を待ち焦がれている
とか
あなたと会える夕暮れまでの間に恋しさに涙が出る
とか
明け方に、あなたと別れるのが、あまりにつらくて露のように消えてしまいそうだ
とか
なんだかイタリア男顔負けだったのが平安時代のニッポン男子だった。
という事実が見えてきます。
高倉健さんみたいな無骨で無口なのがニッポン男子代表だと思い込んでいたら大勘違いなんですね。
女性にしたって、男性からここまで熱愛されたら女冥利に尽きるでしょうけれど、その玩び方を知っているのがすごい。
黙って静かに尽くす吉永小百合さんみたいなのが大和女性代表だと思い込んでたら、これもまた勘違いしまくりですね。
5年ほど前から中世にはまっていますが、平安時代はかなり面白い。
女性性の時代なので、なんとなく、今はリフレクションな感じがしないでもないな。
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