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9 梅すだれ 日向の国

 全力で森を走る猿彦は、崖にたどり着いた。向こうの山までは十けんの距離がある。この谷間には石丸と一緒にかずらで作った橋を架けた。その橋を猿彦は歩き出した。走ることはできなかった。ゆらゆら揺れる橋を落ちないように慎重に歩いて渡った。その時、カン!カン!と、田んぼや畑で鳥や動物を追い払うときに打つ竹の音が鳴り響いた。

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