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30-5 梅すだれ 御船/木花薫

御船に住み始めて二年が経った。笑うように花が咲き、芽吹いた新緑は茂り出すのを今か今かと待ち構えている夏の初め。長崎へ荷を運びに行ったマサが五日たっても帰ってこない。いつもなら三日で戻って来るのに。何かあったのではと心穏やかではいられないお滝は川へ下りて荷運びの先頭を捜した。マサの乗る船の先頭は見つからないが、ほかの船は停まっている。

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