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坂を下る途中、あの小屋への脇道でお滝の足は止まった。小屋を見に行こうかとも思ったが、(父ちゃんは飯屋でご飯を食べてるだけだ。父ちゃんを信じよう)と飯屋へ向かった。
トメばあさんのところでは、ちっちの両親が竹を割いてトメばあさんが籠を編んでいた。
お滝はちっちの母親に竹を割くことから教わった。一節切り出した竹を縦に割っていく。半分に割り、それをまた半分に割り、またそれを半分に割り、と小指の爪の幅になるまでひたすら割いた。