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【感想】「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2024」5月4日 #LFJ #LFJ2024

ゴールデンウィークに、東京・有楽町の東京国際フォーラムを中心に行われるクラシックの音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」。私は2007年から毎年通っていて、今年も会期中3日間行ってきました。

|ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2024「ORIGINES(オリジン) ー すべてはここからはじまった」公式サイト: https://www.lfj.jp/lfj_2024/

聴いてきたコンサートの感想を中心にまとめておきます。5月4日(土・祝)分。


5月4日(土・祝)

5月4日の地上広場無料コンサート。サプライズはブラック・ボトム・ブラス・バンド。聴くと元気になれるジャズなのでオススメ。

ガラス棟地下ホールEのコンサート。
レ・イティネラントは女声アカペラトリオ。
カンティクム・ノーヴムは地中海の伝統楽器の演奏。しかもここでは雅楽の楽器とのコラボ。
エリプソス四重奏団はサックス四重奏。
これは全部オススメ。
夜の「ノルウェー民族音楽の調べ」も楽しみにしています。


●231〈Afsaneh アフサネー~伝説~〉

カンティクム・ノーヴム(地中海沿岸の伝統楽器アンサンブル)
エマニュエル・バルドン(歌・音楽監督)

ヨーロッパや中近東出身の演奏家が、各国のルーツとなる音楽と楽器を持ち寄って演奏するアンサンブル。音楽的な文化が融合しているおもしろさがある。各国の伝統が混ざり合うところが。


●222〈大人のユーモア、活気を味わう2題〉

菊本和昭(tp)
横浜シンフォニエッタ
角田鋼亮(指揮)
ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 Hob.VIIe-1
ハイドン:交響曲第100番 ト長調「軍隊」

ハイドンが60代になって、トランペットという新しい楽器や、トルコの異国情緒に史劇を刺戟を受けて書いたというのが印象的な2曲。
交響曲100番の第4楽章で、客席で打楽器を演奏するサプライズが楽しかっな。これが、この曲から現代の演奏家が刺激を受けたということなのかも。


●233〈ペール・ギュント〉

エリプソス四重奏団(サックス四重奏)
グリーグ:「ペール・ギュント」 第1組曲 op.46
グラズノフ:4つのサクソフォーンの四重奏曲 変ロ長調op.109
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲

「ペール・ギュント」やルーマニア舞曲をサックス向けに編曲するのもよかったし、サックス四重奏向けの曲はやはりこの楽器のための曲というハーモニー。

直後のサイン会にも参加する。私はフランス語は話せないので、拙いながらも英語で感想を伝える。伝えるといっても「Wonderful concert. Thank you,so much」とかですが。でも、なにも言わない(言えない)よりはいいよなあと思う。


●213〈バーンスタイン+坂本龍一、 天才の躍動〉

シエナ・ウインド・オーケストラ
出口大地(指揮)
バーンスタイン:「キャンディード」序曲
坂本龍一:El Mar Mediterrani(地中海のテーマ)
バーンスタイン:「ウエストサイド・ストーリー」からシンフォニック・ダンス

バーンスタインの曲は、やっぱりこの編成によく似合う。さすがという演奏。
その間の教授の曲(1992年のバルセロナ五輪の開会式のための曲)が、改めて聴くと、教授らしい面と、「地中海のテーマ」なのだけれどどこか日本的な土着性を感じて印象的だった。 


●235〈私がフランツ・リストに出会った日〉

パスカル・アモワイエル(脚本・芝居・p)
クリスチャン・フロモン(演出)
フィリップ・セオン(照明)

去年、ベートーヴェンをピアノと語りで紹介した公演が印象的だった方。今年はリスト。

ピアノを弾きながら、語っていく、それも聴く者を惹き込むようにユーモアを交えつつ。
リストがどのような人生を送ったのかを、彼がピアニストとして演奏した曲、作曲した曲を弾きつつ語る。

あわせて、アモワイエル自身がリストにどんな思いを抱いているかも語る。

スーパースターと言って差し支えないリストの、人間としての側面を感じた。そうすると、より親しみが湧く。ショパンとの仲が深まったのも、ハンガリーとポーランドという、当時の音楽的には周辺的な国に生まれたこともあったのかなあとか、色々なことに思いを馳せる。


●214〈世界に新たな一歩を踏み出した 霊妙のコンチェルト〉

リヤ・ペトロヴァ(vl)
東京フィルハーモニー交響楽団
三ツ橋敬子(指揮)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61

新鮮なソリストの方の協奏曲を聴けるのは、ラ・フォル・ジュルネらしいコンサート。調和するオーケストラと、ソリストの近くで寄り添うように指揮をする三ツ橋さんも印象的。
ソロ・アンコールに、バッハ「無伴奏バイオリンパルティータ」第二番より「サラバンド」。


●ホールE:ノルカルTOKYO「ノルウェー民族音楽の調べ」

ノルウェーの楽器、音楽、歌、ダンス。
「北欧」や「ケルト」というくくりで認識してしまいがちだけれど、国には特有の豊かな文化があるってことを再認識できた。
ステージで起こるあらゆる出来事をポジティブにしていくのが、エンターテインメントとしての力だと思う(演者の方のバイオリンが壊れてしまい、客席に呼びかけて前の公演の出演者の方の楽器を借りたのは、この音楽祭ならではの出来事だった)。


●237〈BBBBのフォル・ジャズ!〉

BLACK BOTTOM BRASS BAND

以前も聴いて楽しかったニューオリンズスタイルのブラスバンド。
最初の曲で会場の後ろから登場とか、演奏の中で客席まで来てくれるとか、最後「聖者の行進」で「みんなで立って踊りませんか?」と呼びかけてくれたりとか、楽しませて、楽しむスタイルはハッピーでした。


(こぼれ話)

今日は8公演聴いたんだ。あっという間だったな。
コンサートが始まってから終わるまでもあっという間。コンサートを聴き終えて次のコンサートに向かうまでもあっという間。
でも疲れないのは、楽しいからなんだろうな。

お昼は、会場の近くの有楽町駅のそばでカレーを食べる。

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