見出し画像

急げ悲しみ 翼に変われ

去年の今頃、ずっと頭の中にグルグルしていた歌がある。

中島みゆきの『銀の龍の背にのって』

歌詞詳細はこちら

http://www.kasi-time.com/item-18354.html


これを聞くたびに、腹の底がぐわーーっとなって
いてもたってもいられなくなっていた。
まだ傷跡が生々しい、辛すぎる。
とにかく早く、これが何でもいいからカタチになってくれ!
何かしたいけど何もできない焦り。

出産とその後の娘の闘病で、強烈な体験をした約1年間。
誰にも言えなかったあらゆる気持ちの数々。
その後1年は、ようやくみんながするような育児をする
普通の生活に戻ったのだが、夜中に突然ぐわーー!!と
あのときの強烈な感情や悲しみや辛さや愛しさが渦巻き、
誰かに話を聞いてほしくてたまらず、
寝られなくなることがしばしばあった。

人は、自分にとって抱えきれないことを体験すると
しばらくは自分の気持ちだけではちきれそうになったり
誰かに話したくてたまらなくなったりする。
その過去の出来事のことをぐるぐる思い出しては
ひたすらまた味わったりして泣き、
そういう時期をすごすんだなぁ。

傷が癒えていないそういうときに、同じような人を
目の当たりにすると、またそのときの自分が発動して
強烈にいてもたってもいられなくなる。
必要以上にアドバイスしたくなったり、力になりたくなったり、
結局はあのときの自分の念を晴らすために
関わっているのだろうなぁと思う。
自分が救うことで救われたいから、救われたい人をつくりだす。

そういう、すったもんだを長いこといったりきたりしながら
徐々にその出来事への扱いも平坦になっていき、
拗ねなくともよくなり、
でもやっぱりあの傷は自分にとって、
とても大事だと撫でてあげたとき
人は龍を呼べるんだと思う。

それでも癒えきったわけじゃない。

今度は自分を生きながら、誰かとわかちあい、
そして気がついたら自動的に癒えてることに気づくのだ。

傷がふえるということは、心の琴線がふえるのだ。
誰かとわかちあえるものが、ふえるのだ。
そう思うと、悪くないじゃん、とも思うし
やっぱり勘弁してほしいも本音。

でも、ようやく、その力を使えるときがきた。
まだ見習いだけど。
わたしは、この歌が大好きだ。

(6日目/1000)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?