大きな木の根っこ

(産後１か月ぐらいの日記)

産後、ヨボヨボで、歩くのもゆっくり
おばあちゃんみたいだったんだけど
ずいぶんと体が回復。
ひとりでお散歩に行こうという気になった。
借りてるアパートから
歩いて３分で京都御所に
はじめていってみる。

朝、緑にすいこまれるように
森に入ると
なだれ込むように
大量の生き物の気配
浅かった呼吸が深く深く
大きな木たち
ジョギングやお散歩する人
野鳥観察の人たち
やぶみょうがのお花畑
シジミちょうに、蚊に、カラスに、カナブンたち、赤いダニに、珍しいクモ

しばらくいくと
森のなかに本棚があって
『母と子の文庫』とかいてある
ちょうど駅のキヨスクのような
大きさと作りの本棚には
紙芝居や、植物図鑑、絵本があって
木陰には丸太やテーブルがあり
ここで思い思いに読んだりできる。
わぁ、いつか大きくなった
娘と来たいと思って
嬉しくなった。

大きな木の力強い根っこが
いっぱいあって
触ったり見たりするうちに
娘とは根っこで
繋がってるから大丈夫っていう
圧倒的な安心感がひろがって

その日の午後、面会に行くと
娘ははじめてしっかりと目をぱっちりあけて起きていてくれて
(治療のため眠らせる薬をしてるので、たいてい面会のときは眠ってるか薄目あけてまどろんでる)
すごくすごく可愛いくて嬉しかった
そして、そんなときに限って
とーちゃんのカメラは電池が切れて(笑)
目にしっかりと焼きつけたのでした。