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お絵描き反省会 skeb編

近江屋です。
神絵師になることが約束されています。
よろしくね

今回も自分の描いたイラストを褒めたり叱ったりして気づいたことをメモしていきます。
こんな雑多なnoteでも読んでくれる人もいるので(ありがとう)、ある程度要点を纏めて書きたいですね
文字数が爆発しがちだから……

メモ: 太字だけ読んでも把握できるようにする

さて。今回のイラストはskebでの依頼作です。
自作のオリジナルキャラクターを描いてね!デザインのリファインも纏めてお願いします!との依頼。
ありがとうございます……がんばりますね

注:skebはあくまで投げ銭サイトであり守秘義務や著作権の譲渡とかはないので、noteに投稿しています(依頼者さんの個人利用はokですよ)
ただ、依頼者さんから削除要請があればこのnoteは削除します。よろしくおねがいします

本題

まずはキャラクターの分析

元デザインはこちら(依頼者さんのpixiv)。

シンプルの中に可愛さアリ、って感じ。
ホットパンツや軽装のシャツ、走るポーズ、利き手のグローブなどから元気で、アウトドアな性格を感じました。
「わかった!」みたいなポーズや表情、段差を超える動きのある構図も好き。

一方でビジュアルはセミロングの銀髪とどちらかといえばインドア寄り。
そしてカラーリングも同上。メインカラーは紫、差し色は青と大人しめなニュアンスの色選び。
特に1枚目の銀髪の中に少し空色が透けるコンセプトにはかなり外見的な清涼感を感じましたね。
総じて、少しだけ大人しくて上品、インドアな印象を感じます。

「性格や服装はアウトドア」「印象は少しインドア」このギャップを一つのキャラクターで上手く表現できれば勝ち

と解釈してみました。お転婆お嬢様って感じ?

あとは、自作ゲームに使いたいとのことなので構図は立ち絵構図で、背景はなし(透過)とシンプル。
こんな感じで、やることは決まりました。

今回の分析、まあまあ自信はありますが依頼者さん的には合ってるんでしょうか……
skebは最初の依頼文以外特に会話がないシステムなので、解釈が間違ってないか不安になっちゃいますね。

あと、どのくらいデザインを加筆するかも悩みどころ。このデザインをそのまま自分の絵柄に落とし込むと情報量が若干足りない(特に背景なし立ち絵構図だとなおさら)ので、アクセサリーの類を盛り込む必要があるんですが……

ここあたりは以前の記事(これ)で喋っていますね。
結論としては結構盛りました。リファインの範疇に収めるように努力していますが、どうですかね……?

イラストの作業経過


↑下書き。漫画と違ってイラストでのキャラクター性はポーズ、服装、表情、背景等で暗に語る必要があるよね。
今回は活発さと清楚さを併せ持つ、胸を張るポーズにしました。左手を胸元に添えてお嬢様感を出しつつ、アクティブさを残せているかなって。

デザインとしての情報量は
・鞄の追加、冒険感を出す
・手袋をゴツく、時計を追加。同上
・服のデザインを元を意識しつつ若干複雑に
・髪の動きを若干ダイナミック、複雑に
みたいな形で調整しました。
情報量のコントラストは大事。書き込みエリアを、書き込み少なめエリアによって際立たせていこうね。

↑ベタ塗り。なんだかんだ相当時間を掛けたパート。やることはバケツ投げるだけなんだけどね。
遠目で見た時の全体像ってベタ塗りで決まっちゃうから、今回は丁寧にやりました。

・紫を感じるような全体像
・紫という強い色を殺されないように他の色を選ぶ

を意識しましたね。イメージカラー遵守は大事
この段階だと、このキャラクターのカラーは?って質問に紫と答えてくれる人は多いと思う(水色って人もいるかも)

↑陰影塗り。上が陰塗り、下が影も塗ったもの。臍付近にある影の境目がわかりわすいかも。
陰影塗りを上手くやる方法マジで分からないよな……俺は分からねぇよ

↑ディテールの仕上げ。さらっと一枚画像を上げてるけど、この段階が一番時間掛かってる。
トータル作業時間が10時間くらいなのに対し、この作業で4時間は持っていかれている……

工夫したところ(技術的なメモ)

・色を選ぶときは目を細めてみる───
今までのベタ塗りは5分くらいで終わらせていました。二次創作だとキャラクターのカラーリングはプロの手によって完成しているし、補正レイヤで後で直せるのであまり手をかける必要無いんですよね。

ただ今回はアマチュアのイラストをアマチュアが見るので、カラーリングにめちゃくちゃ注意する必要があるなって……

そこで気をつけたのは全体像。
遠くから目を細めて見たときに色同士が意図せぬ衝突をしないように気を配りました。メガネの人はメガネ外すのもアリ。
具体的にはカラーサークルでは有効色のペア(紫と水色)を採用し、その面積をなるべく広げるように塗る場所を決めました。
そして紫と水色の反対色たる革色を鈍角三角形になるように配置する(半分偶然)ようにしています。

↑時計、ワッペンを配置し、手袋と合わせて三角形の面を作るように画面に差していく

早めに補色を差してメインカラーとぶつけておくことで、意図せぬ色同士の喧嘩は避けられる気もします。

……まぁ、
試行錯誤した結果論なんですけど……。

・面を乗算で割る─────────
今回のイラストで一番自己革新的なところ。

髪の毛の稜線に沿って、→側を向く面に対して少し暗い色を入れたり、

鞄の折れ線に沿って塗りつぶす色を少しだけ変えたりするやつ。
乗算20%のレイヤーで影をつけてあげる。

(常識じゃないすか?)(やってなかったんすか?)みたいに思う人もいるかもしれないけど……
面ごとに色を少し変えてあげるだけで立体の説得度がダンチになるって気付いたんだ(やはり常識では?)

陰で情報量を、影で立体感を出す───
陰影塗り、改めて分かんないですよね。マジで。

ただ、今回意識したのは影を広い面積で塗るってこと。シワとかにつけて情報量と説得力を増すための小さな陰と違って、影は大胆に広く塗ることで立体性を表現できる気がする。

今回はおへそから下をガッと暗い影で塗りつぶしてみました(多分、まだガッツリやっていい)
そうすることで上半身に光が当たっている感じになったんじゃない?多少は……

あと、影や光の境界線ってとても大事。
原理はシンプルで、強い光ほど影の境界線がくっきりする
それをベースに、「強い日差しに当たっているからくっきり」「ここは反射しにくい生地だからぼやっと」みたいに考えていけばいいのかなって。

良かったところ

・コンセプト遵守──────
これはデカ過ぎる。目的を果たせた感じはしますね
惜しむらくはskeb故に依頼者さまと打ち合わせできなかった所。コンセプトが間違ってたら意味ないので……

・カラー配置──────
遠目から見たときにかなり綺麗に仕上がってません?僕は好きですね
濃い紫のおかげで白の強い、淡い水色がよく引き立てられたと個人的には満足してます

・シルエット──────
立ち絵ながらに、右手を開くようなポーズや靡く髪型、右下に全体を引くようなカバンと良い感じのシルエットを意識できたと思います。
特に片足を少し引くことで安定感を少し崩し、立ち絵構図に不足しがちな躍動感を生んだのはよかったかも?

・髪の塗り──────
元絵の「銀髪の中に透ける青」をそこそこ上手く描けたと思っています。やはり00ffffは最強カラー。
ヘイローを設けず、代わりに水色のオーバーレイを掛け、その少し内側に白色のハイライトを分布させることで透明感が出た気がします。髪の毛も眼球同様、奥に沈む色と表層に浮く色を分けて描くとオシャレなのかもしれない。今度意識してみたい

メモ: 透明感とは、明度の中に突然現れる彩度のことかもしれない。明度が高いと普通なら彩度が飛ぶから

・顔のパーツ配置と目線──────
最近のnoteで言ってがち。
要約すると、目尻や鼻、耳などの表情筋に依らない固定パーツが顔面の向きを司るって話。
ここはかなり意識して上手く描けましたね。
顔面の向きが定義&同定されることで、目線もしっかりこちら側に向けられたと思います

・情報量分布───
これも最近言いがち。
要は見てほしい部分は書き込み、それを引き立てるために他は書き込まないって話。
小物を追加して最低限の情報量を担保しつつも、胸から下の情報量をある程度落としたのは正解だったと思う。
ただ、逆に胸から上の情報量は全然上げていいと思うんだよな……わかんねぇ

……もしかして立ち絵構図だと情報量分布って諦めた方がいい?これって一枚絵限定の考え方?

悪かった、直せなかったところ

・イメージカラーが変わってしまった───
これが一番の反省ポイント。ゆるして……
具体的には元絵ではメインは紫、サブは水色だったのですが、自分のイラストではメインが水色でサブが紫、とメインと差し色が逆になってしまいました。途中まで紫メインだったはずなのに……

特にカラーリングはキャラクター性に関わる致命的なところなので、ここが大丈夫なのか少し不安だったりします。ただこれ、自分ではどうしようもなかった……
↑最初は水色部分に紫を置いていたが、紫のような強い色の面積が広いと全体が締まらなかった
↑水メインに紫差し自体は相性○。カラーサークルの隣接具合的にもちょうど良い。
↑紫自体サブカラーとしての役割が強い
↑紫をメインに置くためのサブとして、補色の緑や、ビビッドピンクみたいな強い色がありそう。エヴァとかストッキングちゃんとかね。

・構図やエフェクトで誤魔化せない───
キャラ絵なので構図は立ち絵、背景無しの透過素材として納品したのですが、このせいで構図やエフェクトのパワーを使えなかった
ポーズ等である程度カバーできたが、立ち絵構図はやはり減点方式的に粗が目立ちやすい。ゲームのキャラ立ち絵とか、一枚絵とかに比べるとどうしてもクオリティが低かったりするし。
↑自分の絵は画力ではなく、構図やエフェクトに頼りきりというのがありますね
↑基礎スキルを磨いていく必要性

線画がツルッとしてる───
これは自分の手癖。かつてバケツ塗りばかりしてきたから線を閉じないと気が済まないし、ケバたった線では塗り残しが不安になる。
でも人様の上手い絵は線全然閉じてないし、線はむしろ強いケバ立ちがある。情報量が増すし、塗りに依存しない質感性を出せるからだと思うけども。
なんとか直していきたいね

最大火力が足りない───
情報量分布の話の続き。
そもそも、情報量のコントラストが大事なのは見せたい箇所があり、そこに確かな火力があるから
今回のイラストはカラーリングや小物の配置、シルエットなど全体像に強く拘って製作してあまり、ここを魅せるぞ!という強い想いが足りていなかった気がする(強いて言えば髪だけど、このイラストには髪を引き立たせる工夫が施されていない)

初心者のくせに初心を忘れていたけど、
イラストで一番大切なものは「これを魅せるぞ!」という一点特化の大火力なのかもしれない。
自分が強く思う何かを見せたいからこそ、全体像を整えて門戸を開き、他の要素を控えて主役を際立たせる……本来はそうなはずだったんだ……

まとめ

・イラストで一番大切なものは「これを魅せるぞ!」という一点特化の大火力

・面を乗算レイヤで割ることで説得力を上げられる

・イラストにおいて、性格はポーズや服装、環境などで暗に語るしかない

今回のイラストは、以前の反省点である「全体像」については大いに成長できた一方で、それに拘るあまり「魅せたい、伝えたいもの」についての失念を感じましたね。
エフェクトや構図に頼らないシンプルなイラスト性故に、画力不足を感じた期間でもある……つらい

でも、頑張ったところは上手くいっているのはシンプルに嬉しいですね。
クオリティも中々いいんじゃないですかね。
元絵のコンセプトも分かりやすかったし、描きやすいイラストって感じで満足度は高めです。

これを踏まえて、次のイラスト(といっても、並行でもう一枚描いてるので実際は次の次)では細部を詰めるトレーニングをしたいですわね。

そういや最近、キムラッキ買ったんですよね。
それ含めて神絵師めざしてがんばるので、よろしくおねがいしますね。

ではまた〜〜

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