田舎コンプレックス 2
田舎コンプレックスが、急激に強まったのは
やはり中学生くらいからだと思う。
友達はいたけれど、
一度も家に呼んだことはない。
家はバレたくない。
なぜだか割と目立つグループにいたから
できればかっこいい自分でいたかったのだろう。
皆の家は普通の住宅街にあって、綺麗で羨ましかった。
普通の家、普通の住宅街、"普通"というものに憧れていた。
基本的に中学は自転車通学なのだが、
遠いのでよく親に車で送り迎えしてもらっていた。
夕方の街頭が少ない道を自転車で帰るのも嫌いだった。
今となってはただのわがままなのだけど、
親の車に乗らないと友達の家にも駅までも行けないというそんな不自由さもすごくいやだった。
たまに父親が軽トラで迎えに来たりすると、
さらにカッコ悪くてため息が出た。
中3の時、高校受験に落ちてその時の担任が慰めのためにわざわざうちまで来た。
うちの庭にたち「眺めがいいなぁ」と笑っていた。
うちまで無断で来られたことで、その担任のことが嫌いになった。
完全に田舎コンプレックスを発動していた。
その分、都会への憧れがじわじわと出てきていたように思う。
高校は、地元の高校は避けていた。
最寄りの駅から1時間ほどかかる、都会に近い高校へ。
同じ中学の子は1人しかおらず、
少しだけ、世界が広がった感覚だった。
高校時代へ続く。
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