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認知症の症状の種類によって薬が逆効果になる

認知症状は中核症状と行動・心理症状(BPSD)に大別され、行動・心理症状はさらに 【陽性症状】 【陰性症状】に分けられます。

陽性症状

陽性症状とは
・暴力
・徘徊
・妄想
・幻覚
・過食
・不眠
・介護抵抗

など、いわゆる動的・興奮的な症状。

陰性症状

陰性症状とは
・無気力
・無関心
・独語
・無言
・無動
・うつ状態

など、静的というか、気持ちや意欲を抑え込むような症状を指します。

薬の種別を間違うと大変なことになる

認知症薬として処方されるアリセプト、レミニール、リバスタッチは興奮系に属する薬です。

なので、陽性症状がある人が服用すると、よけいに興奮して、かえって手が付けられなくなります。

陰性症状が見られている人であれば、アリセプトなどは効果的である場合が多いです。

アリセプトが普及し始めてからしばらくの間は、陽性・陰性症状に関係なく処方されていたので、陽性症状なのに処方されていた人では、家庭が崩壊することもしばしばありました。

その結果、認知症薬の処方はやめることなく、抗精神病薬に手を出して廃人のようになる認知症患者が後を絶ちませんでした。

抗精神病薬にはリスペリドンなど、不安定な精神状態を抑え込むような薬があります。

それが効きすぎると、うつむいてよだれを垂らしっぱなしになるなど放心状態になる場合があるんです。

認知症薬のせいで興奮状態が悪化しているにも関わらず、認知症薬を止めずに抗精神病薬を飲まされる人が今でもいます。

ちなみにメマリーはアリセプトほどの興奮作用がないので、陽性症状がある人にも効果的とされています。
ですが、副作用の現れ方が複雑らしく、薬物治療の第一選択としては処方されません。

最近ではアリセプトへの期待感も薄れてきているから、処方を止めて経過を見る人が増えたようにも思えます。

「薬を飲んでから、症状が悪化したような気がする」など思い当たることがある人は、主治医と相談することをオススメします。

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