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【有料級・高所得夫向け】損をしないための別居準備マニュアル

婚離宮(kon-no-rikyu)です。
今回の記事では、先々離婚する可能性も考えた場合に、"別居をするときに必要なこと"について、ざっくりとわかりやすくご説明したいと思います.

この記事では、夫婦関係に嫌気がさしたので、別居をしたいを考えている方のうち、以下に当てはまる方向けです。
(当てはまる数が多ければ多いほど、参考になるかと思います)

  • 配偶者より収入が多い

  • 別居後に離婚する可能性が少しでもある

  • マンションまたは一軒家の持ち家を持っている

この記事を書いている婚離宮(一人称:離宮)は弁護士ではありませんが、離宮自身が、別居&調停離婚を弁護士をつけずに経験した離婚にちょっと詳しい一般人です。
離宮の実体験をベースに弁護士の人も教えてくれないようなテクニック含めて、ご紹介したいと思います。
離宮のことをより詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。

離宮の記事では、実体験以外の法律的な知識は、弁護士さんが書いたソースを明記し、分かりやすく、かつ正しい情報をお伝えするよう心がけています。


心得1:財産分与の観点から、"別居のタイミングの重要性"を知っておく

別居の最大の注意点は、離婚時の財産分与における基準日になるということです。
財産分与では、預貯金・金融資産・不動産・年金まで種々の資産のうち、婚姻期間中に築かれた(=増えた)分を配分するというものですが、
この婚姻期間の定義が下記のように別居日が基準となるのです。

引用元:離婚時に知っておきたい財産分与とは?大切な財産を失わないための基本を解説 | アディーレ法律事務所

財産分与については、下記の記事でまとめていますので、詳しく知りたい方はこちらも合わせてご確認ください。


心得2:別居でかかるコスト="婚姻費用"について知っておく

子持ちの夫婦が離婚した場合に、親権を持っていない方(一般的には、夫側)が、親権を持っている側に対して(一般的には、妻側)が支払う"養育費"はみなさん聞いたことがあると思います。
実は、似た概念で夫婦のうち、収入が多い方が収入が少ない方に対して払う"婚姻費用"(通称:コンピ)という概念があります。

この婚姻費用の算出基準として、裁判所が定めている双方の収入状況に応じて金額が決められた算定表というものがあり、一般的にはこの金額をベースに協議の上で金額が決まります。
算定表自体は条件によって色々と複雑なので、下記のサイトで確認いただくのが良いかと思います。

ちなみに、夫:年収800万円のサラリーマン、妻:年収0円(=専業主婦)、子供なしの場合で、13.3万円/月がかかりますので、結構バカにならないことを心得てください。

別居をした場合、相手が知恵をつけるとこの費用を請求される調停をおこされます。
そして、離婚が成立するまで払い続ける必要があります。
相手が浮気をしているなど、相手に責任があるような離婚理由がない限りは、双方の合意なしでは、調停などを起こしても離婚できないこともあります。
離婚したいけど、相手が離婚に応じてくれないことで払い続けることになる「コンピ地獄」という言葉もあるぐらいなので、注意してください。


心得3:別居前にやっておきたい財産分与・婚姻費用対策

3-1. 相手や子供の口座情報を特定し、控えておく

別居を考えたら、まず相手および子供名義の金融機関(銀行・証券)の口座の情報を調べておきましょう。

  • 金融機関名

  • 支店名

  • 口座番号

これは、財産隠し対策のためです。
財産分与は原則自己申告なので、口座情報を知らないと財産隠しをされる可能性があります。
弁護士を通じて口座を特定するにも上記の情報がない状況では、なかなか難しいのです。
また、財産隠しは下記の通り罪にならないので、事前に対策しておきましょう。

夫婦の共有財産を隠す財産隠しは、夫婦間では刑事責任を問うことはできません。
したがって警察に逮捕されることもなければ罰を受けることもありません。
刑法には「親族相盗例」という規定があるためです。親族相盗例とは、刑法第244条1項に定められているルールで、他人同士なら犯罪に当たる行為でも、夫婦をはじめとする親族間では特例として処罰されないというもの。

引用元:離婚時に貯金を隠すことは可能?財産分与の基礎知識と不利にならない方法 | 離婚・不倫慰謝料相談弁護士ほっとライン

また、子供の口座を含めるのは、子供だけでなく親を対象としたお金であったり、親の収入が原資となっているお金が財産分与の対象になるためです。
そのため、以下のようなお金は財産分与時の計算に含まれます。

  • 出産祝い

  • 入学・祝い

  • 出産一時金

  • 児童手当

  • 学資保険の満期金

  • ジュニアNISA


3-2. (持ち家がある方のみ)持ち家の資産価格を調べておく

持ち家の財産分与では、アンダーローン(想定売却価格(諸費用除く)> ローン残高)の場合、"想定手残り金(=想定売却価格 - 諸費用 - ローン残高)の分与額"(一般的には、想定手残り金の半額)を現金で相手に支払う必要が出てしまいます。

逆に、オーバーローン(想定売却価格(諸費用除く)< ローン残高)でしたら、財産分与の対象から外すことができます。
オーバーローンと言える状態になっているか?アンダーローンとなってしまう場合、いくら手元にないといけないか?を知っておくためにも事前に想定売却価格を査定に出す必要があります。

ただ、不動産の査定に出すネックは、しつこい営業だと思います。
離宮も一軒家を持っていたのですが、電話で営業を受けたりするのが嫌なので、そういったものがないサイトを利用していました。
実際に離宮が使っていた価格査定のサイトを紹介します。
※ちなみに、アフィリエイトリンクではありませんので、ご安心を!

サイト①:HowMa(市場価格をみる用)

Howmaは、物件の情報を入れていくだけでAIが価格を出してくれるサイトです。メールがちょこちょこ来るぐらいで、電話番号の登録などが一切なく安心です。
ただし、実際の査定ではないので、離婚時の家の評価額としては使えません。あくまで市場価格を見るようです。
また、マンションは精度がいいのですが、一軒家だと低く出る傾向があります。

サイト②:LIFULL HOME'Sの匿名査定(評価額算出用)

想定手残り金を出す場合は、具体的な不動産会社の名前と見積もり金額が複数社あった方が良いので、LIFULL HOME'Sの匿名査定がおすすめです。
こちらも、電話営業を受けずに概算金額がもらえるため、複数社の見積もり情報をもらえます。

ちなみに、査定金額に加えて、仲介手数料などその他諸費用がかかります。
一番ウェイトが大きい仲介手数料だけでも、売価の3%+6万円がかかるので、想定手残り金を求めるときには、査定金額からこれらの費用を引いた金額を算出するようにしてください。

その他、家を売るときの諸費用についての詳細は、下記サイトが参考になります。


3-3. 資産を減らしておく

別居した日が財産分与の基準日になるので、当然ですが、別居開始時になるべく資産を減らしておいた方が有利です。宵越しの金は持たないってやつですね。。。
とはいえ、別居日付近でやってしまうと、通帳の明細/履歴の提出を求められ、支出の事由を問われる場合があり、減らした分もあったものとして財産分与の計算に含まれる可能性があるようです。
離宮が個別に弁護士に相談した際は、そうした策を取るなら、別居開始から2-3ヶ月は空けるべきだそうです。

具体的な資産の減らし方としては、下記のような方法があります。

  • 奨学金など結婚前に作った個人の借金の返済に充てる

  • 学生特例延納分など、年金未払い分の支払い

  • 家族や友人など信頼できる人に現金で一時的に預けておく(※結婚前の借金の返済という体裁で、借用書を作っておくと良いでしょう)

  • (オーバーローンの場合)ローンの繰上げ返済に充てる

ちなみに、不動産の価格は変動するものなので、離婚が1年後になってるなんてこともザラです。
なので、ローンの繰上げ返済はなるべくしないことをお勧めします。


3-4. 収入が減る転職を済ませておく

別居後や離婚後に収入が減る転職をしてしまうと、原則として、婚姻費用や養育費の減額が認められません。
例えば、年収800万円の人が年収600万円に下がり、好きな仕事を始めた場合、潜在的には年収800万円分の稼ぐ力があると認定されてしまい、年収800万円ベースで婚姻費用や養育費が算定されてしまいます。
なので、年収が下がる仕事に転職を考えている場合は、別居前に転職してしまいましょう。


心得4:別居時の財産分与・婚姻費用対策

4-1. 婚姻費用を払いたくない場合は、あえて話さない

別居時にかかる婚姻費用については、相手が知らない場合は知らないうちに別居する旨を伝えましょう。
さかのぼって請求されてしまうケースも厳密にはあるそうなのですが、調停で認められたタイミングから婚姻費用の発生とするケースもあるため、調停が終わるまでは払わなくて済むケースもあります。
ただし、さかのぼって請求されたときのために、現金で相当額は手元に残しておきましょう。


4-2. 相手が使えるクレジットカードは止め、キャッシュカードや口座情報は知られないようにする

別居後に、自身の資産を使われてしまうことはリスクなので、自分が管理している口座に紐づいている家族カードなどのクレジットカードは、全て止めましょう。
また、キャッシュカードを持ち出されて使われることもリスクなので、これらも取られないよう管理しましょう。

口座情報は、相手に知られることでリスクとなるだけなので、通帳や印鑑も含め盗まれないようにしましょう。
(個人的には不誠実なので勧めたくないですが、財産隠しをしたい方は特に注意してください。)


4-3. (持ち家の方のみ)物件情報を隠す

相手に持ち家の査定に出せるような情報を与えてしまうと、高い見積もり金額を提示され、想定売却額と主張される可能性があります。
別居を決めた時点で持ち家の物件情報は手の届かないところに隠して保管しましょう。


4-4. 相手に出ていってもらう場合は、鍵を没収する

相手に出ていってもらう場合は、下記2点の観点から、必ず鍵を没収しましょう。自分から出ていく場合は、鍵を渡さないが原則です。

  • 別居日をより明確にする

  • 別居後の不在時に家に入られて情報を盗み取られないようにする


まとめ

今回の記事では、夫婦のうち収入が多い方を対象に、別居するときの心得を記載しました。
まず、別居で注意すべき大きな二つのポイントとして、以下の2点を挙げました

  • 別居を開始する日(=財産分与の基準日)

  • 別居中にかかるコスト(=婚姻費用が月々でかかる)

その上で、財産分与と婚姻費用の対策として、別居前・別居時で必要なこととして下記をご紹介しました。

  • 別居前に済ませておくべきこと

    • 相手と子供の口座情報を特定する

    • 持ち家の査定を出す

    • 資産を減らす

    • 収入が減る転職をする(希望者のみ)

  • 別居時にすべきこと

    • 相手が使えるクレジットカードは止める

    • 自身の口座情報や家の情報は手の届かないところに隠す

    • 家にはいられないよう鍵を没収する or 渡さない


以上、長文になりましたが、ご覧いただきありがとうございました。
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