見出し画像

エディ・ヴァンヘイレンの偉大さを語りたい。

エディ・ヴァンヘイレンさんが亡くなりました。65歳だそうです。ここ数年ずっと癌と闘っていた事は知っていましたし、たまに公の場に姿を現した時もとても具合悪そうでした。本当に本当に心からご冥福をお祈りいたします。

さて、ヴァンヘイレンというバンドは真にアメリカンハードロックバンドといったイメージがありますが、実はエディとアレックスのヴァンヘイレン兄弟はオランダ出身で、確か10歳頃に家族でアメリカに移住してきた移民です。

インタビュー等で確認すると、移住当初は英語すら話せず学校でもいじめられていたそうです。そんな環境が逆に兄弟の結束を強め、確かな技術を習得する一助になったかもしれませんね。

僕はあと数年で50歳になるおっさんで、ヴァンヘイレン世代です。そして一応ギタリストの端くれでもあります。なので10代の頃は結構エディのギターもコピーしました。

ここからは私見です。異論反論あろうかと思いますが、ご容赦ください。

古今東西ハードロック系のスーパーギタリストは何人かいると思います。
例えば………。

●ジミー・ヘンドリックス
●リッチー・ブラックモア
●イングウェイ・マルムスティーン
●ジョー・サトリアーニ
●トニー・マカパイン
●スティーヴ・ヴァイ
●高崎晃
●ポール・ギルバート
●ヌーノ・ベッテンコート

etc

全てとても素晴らしいギタリストです。しかしそれでも僕はエディ・ヴァンヘイレンという人は頭一つ飛び出た存在だと思います。

その理由の前に、エディ・ヴァンヘイレンの奏法を振り返ってみます。

ライトハンド
この奏法を用いる事によって、離れたフレットでも素早く音を出せますし、また見た目にも華やかです。

ハミングバードピッキング
決して万人向けとは言えないピッキングフォームです。ピックを挟む2本の指をぴんと伸ばし、ハチドリの羽ばたきの様な素早いオルタネイトピッキングを実現しています。普通は早く弾く事を重視すると、ピックが弦に対して斜めに当たり擦れる様な音や、アタックの弱い音になりがちなのですが、エディはどんなに早いフレーズでも、このハミングバードピッキングで正確でハッキリとした明瞭な音色を奏でていました。

アーミング
まるで馬の嘶きの様な迫力あるアーミングも、キチンとフレーズとして成立していて、決して雰囲気作りのノイズではありませんでした。

これらの奏法も去る事ながら、なんといっても素晴らしいのはバッキング時のヴォイシングや
バリエーションの豊かさではないでしょうか?

通常ハードロック系のギタリストは、ルートと5度のみをミュートしながら8分で刻む、という形をよくやると思うのですが、エディのバッキングは斬新なアルペジオだったり、ハーモニクスだったり、バンドアンサンブルにおけるギターの役割を最大限に引き出す豊富なアイデアに満ち満ちていました。

なので、僕の知る限りヴァンヘイレンのライブではサポートミュージシャンを入れているのを見た事がありません。たまに(エディがキーボードをプレイする時)サミー・ヘイガーがギターを弾くくらいです。

なのでエディのバッキングは他のギタリストと一段違う所にいる所以と思います。もちろんソロが素晴らしいのは言うまでもありませんが。

そしてあの独特の音色!
エディのギターというのはもちろん歪んだディストーションサウンドが基本ではあるのですが、そこにフランジャー系?だかコーラス系?だかの空間系エフェクトを足していると思います。すみません正直僕そんなにエフェクター詳しくないです。

何れにせよ、激しさの中にも何処か爽やかな感じのする音ですよね。それにアレックス兄さんのドラムのハイハットにくくりつけたタンバリンですか?あれとの相性もバッチリで、正に兄弟での"ヴァンヘイレンサウンド"でした。本当に唯一無二の音でした。

決してハードロック一辺倒ではない豊かな音楽性を持った稀有な存在でした。なんかまだ信じられません。ほぼリアルタイムで聴いてきただけに本当にショックです。

今夜は5150を聴こう。


私の創作活動の対価としてサポート頂けましたら、今後の活動資金とさせていただきます。皆様よろしくお願い申し上げます。