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無責任なエール dairy_20190217

「頑張ってね」

その言葉を君はどれだけの回数聞いてきたのだろう。

その度に君は「ありがとう」と返し、内心ではプレッシャーに押しつぶされそうになりながら、必死に机に向かっていたね。

友達、先生、家族、後輩。きっとたくさんの人からエールをもらい、君は今日、人生を決める大事な試験に望んでいる。

かく言う僕も、君にプレッシャーをかけてしまったうちの一人だ。言われなくてもわかってるだろうけど、言わずにいられなかった。

「気安く頑張れなんて言わないで」

君の返事は素っ気ないものだった。その瞬間、僕は言ってしまったことを後悔した。

*****

世の中には「無責任なエール」が多く存在する。

大して仲良くもない人に送るLINE、就職活動を控えた後輩に対してなど、その人がどういった気持ちなのかわからないのに、人はいとも気軽に「頑張れ」や「応援してる」と言った言葉を口にする。

だけど応援のつもりで言ったその言葉に、果たしてその人は本当に勇気付けられているのだろうか。

その人の「本質」を理解していないがために口を衝いて出てしまう言葉に、なんの意味があるんだろう。

誰に対しても、その人の気持ちを汲んでその場その場で適切な応援をしてあげられる人間になりたい。



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