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文字解読例『戦翼のシグルドリーヴァ』第3話&第8話

アニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』第8話より

スクリーンショット (2464)

北欧神話をテーマにした作品でもあり、その見た目からしてルーン文字であることは明らかです。ルーン文字にも時代と地域によって、様々な変種がありますが、ここではだいたい一般的な形式に沿ってラテン文字に転写しました。DHとNGは1文字分です。

[...]ar helgar kindir meiri ok [...] mogu hedallarhljoDHs bid [...]
[...]mdallar hljoDHs bid ek [...] helgar kindir miNGNGi m[...]
[...]dir meiri ok miNGNGi miNGNGi [...] heimdallarllar he[...]
[...]heimdallar hljoDH[...]

この文は、北欧神話を古ノルド語で書き伝える『古エッダ』冒頭の『ヴォルスパー』(巫女の予言)から引用されています。下記にWikisourceから該当する連を引用します。

Hljóðs bið ek allar
helgar kindir,
meiri ok minni
mögu Heimdallar;
viltu, at ek, Valföðr!
vel framtelja
forn spjöll fíra,
þau er fremst um man.

Wikisourceへのリンク: https://en.wikisource.org/wiki/Poetic_Edda/V%C3%B6lusp%C3%A1_I

クラウディアの歌

第3話より

画像2

執筆現在、第8話まで視聴しましたが、クラウディアは、第3話で死にゆく負傷兵を看取る際に、また、第8話でヴァルハラの深部で上記画像の文字を見た際に、不思議な歌を口ずさみます。この歌の歌詞がまさに『ヴォルスパー』の出だし部分から採られています。(クラウディアの発音も単語の分節もだいぶいい加減な気がしますが。代々伝わるうちに変化を被ったのかもしれませんw)

曜日名

第8話で、作中で舞台となる世界では北欧神話や北欧神の存在が知られていないということが明らかにされます。作中に出てくるカレンダーで、英語の曜日名のうちで北欧神由来のものが別名になっているという細かい演出が心憎いです。英語(およびゲルマン諸語)では火、水、木、金が北欧・ゲルマンの神名由来で、これらがロマンス諸語での曜日名に倣って、ローマ神話の神名由来の名称に入れ替わっています。

第3話より

スクリーンショット (2467)

monday
marteay
mercreday

※marteayはmartedayの誤字。

第8話より

スクリーンショット (2469)

MONDAY
MARTEDAY
MARCREDAY
GIOVEDAY
VENERDAY
SATURDAY
SANDAY

※SANDAYはSUNDAYの誤字。

Deĉifritaĵo de Ifritaĉo/蜃気楼解読班

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