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DIY第1号 ローテーブルを作る

木のDIYをしてみたいと思うようになり、数か月間まずは脚を公園で探し続け、やっと4本揃ったので、今度は天板を見つけに行くことにした。
生活で大々的に使う家具を作るのは初めての試みで、天板を見つけに行く3日前くらいから、異常な興奮が身体の中を駆け巡っていた。
組み立て式の家具や、車の修理・パーツ交換といったDIYは20歳ごろからしているけれども、それらはただ決まったパーツを決まった個所にはめ込むだけなので、今回のローテーブル制作とはまた違った趣になる。

後になって思ったのは、この興奮・楽しみのベクトルが、ドラマとかゲームの次回予告に見出されるそれとはまた違った方向を向いているということだった。

見つけに行くといっても、格安の無人の材木店が和歌山県にあり、そこを目指すことにした。
外は真夏で生暖かい風が吹く中、車を走らせた。
山間に差し掛かるにつれて勾配も厳しくなり、排気音がたくましく唸り上げた。
大きくなる唸り声は、私の期待感と好奇心に完全な同期をしていた。

お店では、天板(に出来そうな板)は大量に並べられており、色々な木目を見物したのち、1枚を選んだ。
パーツが揃った瞬間に、これで組み立てられるという興奮と幸福が最高潮に達し、帰路の運転中に何を見たか、どこへ寄ったかはもはや覚えていない。カメやアリは大きな餌を口に挟むと、ただ前だけを見て尋常ではない速さで別の場所へ走り去ることがあるが、その時の自分もそんな目つき、そして去り方だったに違いなかった。

こうして集められた材料たちは、今のところ木工用ボンドのみでくっ付いている。
崩れ落ちるなどのハプニングが起これば、木ダボで接着したり、補強することは必須だが、躍動感のある四つ足に表情豊かな天板という、個性的だがシンプルな様子は気に入っている。

生活の中にまたひとつ、手作りテイストが増えた。

脚の形は、直立ではなく歪んだものをあえて選んだ。
その方が自然の名残を感じられる。
テーブルの前に座ると、ほのかに木の香りがする。
ひょっとしてまだ、生きているのだろうか…。

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