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晩秋の伊勢にて
12月ごろ、ススキと紅葉を求めて伊勢へ。
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今回は、Praktica KWに55mmのタクマーを付けた。
フィルムは、カラーのKodak Proimage100だ。
ボディがかなり変態仕様で、35mm用なのにウエストファインダー、シャッターボタンはレンズの横に付いている。
メジャーどころのカメラではあまり見ない。
東ドイツ製というのも、マニア心をくすぐる。
フィルムカウンターは買った時から壊れていて、今が何枚目かは全く分からない。
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場所は曽爾高原。
時刻はAM6:30で、日の出と共に到着したのを覚えている。
普段見る朝焼けより、やっぱり鮮やかで、何より空気がおいしい。
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オールドレンズならではの、独特なボケ具合。
柔らかな光が写し出される。
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日が十分に登った頃、時刻は8:30になっていた。
2時間ほど、時間を忘れて写真を撮り、景色を楽しんでいた。
同時に、いかに日々時間に縛られて生活しているかを思い知った。
時計のない世界に生きたい。
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絞りを開放近くで撮るほど、ボケの魅力が増していく。
ここにまさしく沼が存在すると思う。
ボディが最大1/1000でしかシャッターを切れないこともあり、開放の1.8は封印して楽しんだ。
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曽爾高原から離れ、JR名松線の伊勢奥津駅で自転車を借り、線路沿いで撮影をした。
比津駅近くで、紅葉が凄まじい木と出会う。
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葉の紅葉は、実は葉にとっては死を意味している。
なぜ赤くなるかと言うと、寒くなると緑色のクロロフィルが生成されなくなり、赤色のアントシアニンが目立ってくるからだ。
つまり、紅葉は光合成が間も無く出来なくなる葉ということになる。
これを知ってからは、ただ「キレイだな」と思うだけではなく、生命のサイクルを拝めていることに感謝をしようと決めた。
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折角なので、近くを走るかわいいローカル列車も撮る。
JR東海のキハ110型が、エンジン音を唸らせながら走っている。
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この気動車が鉄橋を渡る時の豪快な音も、聴いていて楽しい。
彼は、今風のスマートで、静かに走るザ・電車とは対照的なスタイルだが、この無骨さが私は大好きだ。
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最後はススキと共に。季節感のある一枚になった。
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