旅行記(最終回)
4時頃起床
備え付けの梅昆布茶が体に染み渡る。
シャワーを浴びて、昨日買っておいたどん兵衛きつねうどんを食べた。
朝食を済ませたら荷物をまとめてホテルをチェックアウト。神戸駅へ歩き出す。
普通京都行きで出発だ。
第7走者
神戸駅 6:42発
普通 京都行き
途中の芦屋で後続の快速に乗り換え。まずは大阪へ向かう。
第8走者
芦屋駅 7:05発
快速 米原行き
大阪では阪急京都線に乗り換え。
大阪梅田駅は頭端式(行き止まり式)ホームを採用している。ズラッと並んだホームとマルーン色の電車が壮観だ。
第9走者
大阪梅田駅 7:55発
準特急 京都河原町行き
9300系の準特急に乗り込み出発。暫くウトウトしていると京都河原町に着いていた。
京都では八坂神社で初詣を済ませ、新幹線の時間まで街中を散策した。
第10走者
京都駅 15:21発
のぞみ30号 東京行き
座席を確認して網棚に荷物を載せて席につく。
音もなく動き出した。会いに行こうのチャイムとともに到着予定時刻の案内がある。名古屋15:55、新横浜17:14、品川17:25、終点の東京には17:33着だ。
僕が5日前に9時間もかけてちまちま進んだ道のりをのぞみ30号は2時間強で走ってしまう。
東海道五十三次の頃は2〜3週間、鉄道が出来てからは20時間、超特急「燕」が9時間、特急「こだま」が6時間かけて走った距離を、新幹線は2時間で行ってしまう。そしてリニアは1時間………
この200年ほどの間に、それだけ人間はわがままに、そして短気になった、ということらしい。
窓枠に肘をついて暫く寝ていたが途中で目が覚めた。おかしい、名古屋を出てそんなに走っていない。まだ停車するには早い………そう考えている内に止まってしまった。一体何事かとスマホを取り出すと能登地方で地震があった。車掌さんの案内放送によると地震の影響により停電があり、我がのぞみ30号も運転を見合わせている……ということのようだ。
twitterを開くと被災地の惨状が明かされていた。新年早々なんてことだ………という気持ちにさせられる。
東京には25分遅れで到着。急いで乗り換えだ。
最終走者
東京駅 18:18発
普通 籠原行き
大宮駅までの車内で、今まで数え切れない回数通った車窓を眺めながら、この旅の事を思い出していた。大宮駅で1日目のハンコをもらい改札をくぐった時の、熱海駅で乗り換えた電車の扉が閉まる時の、関門トンネルを飛び出して九州上陸を果たしたときの胸の高鳴りを……
皆さんも挑戦してみてはどうだろうか、僕のようにとんでもなく遠くへ行かなくてもよい。青春18きっぷは1回分が2410円、つまり片道ないし往復2410円以上かかる場所であれば元はとれる。
普通列車にしか乗れないし、間違いなく新幹線や特急よりもずっと時間はかかる。その間自分はちまちま進んでいくことしか出来ない。
それでも途中通る地域の人々の営みや、移りゆく車窓を眺めながらの旅も、とても素晴らしい物だと僕は思っている。
今まで書いた駄文を見て、楽しそうだ、やってみたいと思っていただけたらこれほど嬉しい事はない。
例年2月頃に青春18きっぷの発売期間と利用期間が発表されるので、それを元にあそこへ行こうか……と計画を立てるのもとても楽しい。
是非やってみてはいかがだろうか。この辺で筆を置くことにする。
次回からは旅の途中で撮った写真を上げるのでお楽しみに(?)
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