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社長の嫌がらせ

社長に就任する前の常務の頃は関係は悪くなかった。
私の部署はもともと2~3人で動かしている小さな部署だったが、最大時は9人体制で動かすほど忙しくなっていった。
そうしたのは当時の常務・現社長で、すごく張り切っていたのを覚えている。
この部署だけのユニフォームを作るとかキャッキャ言ってた。
その後、取引先からもらえる金額が下がっていったり、担当者が変わって交渉がやりづらくなったりしてから、社長の態度は変わっていった。

私たちは最終的には6人体制で落ち着いていた。
事務・現場A・現場Bにそれぞれ2人ずつの配置。
一人が休んでもカバーし合える最低限の人数。

しかし、それを社長は「まだ減らせるだろう」と言う。

全員が反論すると社長は各部署にカメラを付けた

「防犯のため」とは言っていたが度々スマホで様子を見ていたらしい。
外部の人が来るとすぐに電話をしてきて
「いまの人、誰?」
といった感じだ。
外部の人といっても、コピー機のメンテナンスの人だとか飛び込み営業の人なのだが。

現場の人たちはお昼休憩の時間も見られていたので「気が休まらない」と言っていた。
ある時、現場の最年長の人が
「ギリギリの人数でつらい。もう一人くらい増やしてほしい」
と社長に直接交渉すると、
「ギリギリと言う割にはよく座って休憩してるじゃん」
と、返されたそうだ。

私は「見られてるからいい子にしてる」というのを心底嫌う性格なため、ガッツリやってるところも見えてるはずだから、休む時も堂々とカメラの前で休んでやろう…と思い、手の空いた時間にパソコンでSNSを見たりしていた。
すると社長から電話で
「猫ばっかり見るのいい加減やめてくれる!」
と、怒鳴られた。

カメラで見るのは仕事をしている場面ではなく「仕事をしていない場面」というわけだ。

同僚にその話をすると
「社長もさ、カメラ付けるとか嫌らしいことしないで、車で5分の距離なんだから時々顔を出せばいいんだよ。所長がやってたみたいにさ」

確かにその通りで、カメラに何万も使うくらいなら、時々自分の目で見に来ればいい。

そんなところにはお金を使うくせに、
「節約をしたいから事務所の水道を元栓から止めていいかな。水使う時は1階のトイレへ行ってよ」
などとも言い出す。

事務所も作業現場も2階にあり、倉庫とトイレが1階。

2階の元栓を止めることには意味があるのだろうか?

2階で無駄に水を使っているというならわかるが、手や雑巾を洗う時くらいしか使わないので、1階で洗っても2階で洗っても水道使用量的には変わらないのでは?

これは全員が猛反対して社長が引き下がった。

社長は待ち合わせ時間に現れない

何故なのかはわからない。

たとえば新規採用の面接だったり業者との打ち合わせだったり、社長がこちらの事務所で人と会う時に、社長が時間通りに来ることがない。
待ち合わせ時間に来ていればいいものを、必ずといっていいほど
「14時に面接やるから、面接の人来たら俺に電話ちょうだい」
という感じだ。

ブロック塀を壊されて警察が見に来た時もこんな感じだった。
警察官が「社長が15時って言ったんだけどね」とあきれていた。

嫌がらせは某宅配業者にまであった

数千円の引き落としができなかったとのことで、宅配業者が現金の集金に来たが、社長は
「お金関係は本社だから本社に集金に行ってよ」
宅配業者は
「本社の住所は管轄が違うのでこちらの集金はこちらで頂かないと…」
と。

数日後、社長が封筒を持ってきた。
「どうせ今月分もすぐに請求くるから2ヶ月分の小切手入ってるから渡しといて」

実は宅配業者の人は、上がうるさいから…と、こっそり自分で立て替えてしまっていたので、小切手で2ヶ月分渡されて「どうすればいいのよ!これ」と激怒していた。
集金は現金で…というルールをあえて破るのは嫌がらせとしか思えない。

考えてみると、私個人への嫌がらせというより、部署そのものを嫌悪していたような気がしてくる。


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