「Konel、インターン募集するってよ」 ―若手4人が語る、現場のリアル。
個性あふれるKonelが近年さらにその色を濃くしているのは、新たに加わった若手メンバーのせいかもしれません。それぞれの“やりたい”を胸に各所から集まった彼らの共通点は、入社前にインターンを経験していること。普通の企業のインターンとはちょっと違う?でも口を揃えて「楽しかった」と言う、現場のリアルを本人たちに聞きました。笑いの絶えない(そして脱線しまくりで編集に苦労した)、4人の賑やかなトークをどうぞ。
ブラックボックスだと思って近づいたら、ブラックホールだった
―今日はKonelでインターンを経験して新卒入社した4人に集まってもらいました。まずはそれぞれのKonelとの出会いを教えてほしいんだけど、一番ドラマな出会い方をしてるのは、やっぱりヒラク(松﨑)だよね。
松﨑:あぁそうかもしれないですね。Konelを最初に知ったのは、大学休学中に滞在していたテキサスで「そろそろ就活しないとなー」とLinkedInを眺めていた時。外資系コンサルや広告代理店を見ていて、その中で代表の出村さんを見つけ気になってました。その後しばらくして、オースティンのSXSW(サウスバイサウスウエスト)という大規模なイノベーションイベントに行ったんですが、広い会場の中で偶然出村さんに会ったんですよ。「あれ、この人知ってるぞ」って。
松﨑啓(ひらく):熊本県阿蘇市出身。高校から理数科で大学・大学院は応用化学を専攻し、抗体やアルツハイマーの研究を行う。Konelでは主にプロジェクトマネジメントを担当し、新規サービスの体験設計、企画などを含め横断的に関わる。趣味は写真・映画鑑賞で、映画は年間100本鑑賞が目標。最近のオススメは『mid90s ミッドナインティーズ』。
―落合陽一さんが手がけたJAPAN ISLANDにKonelがブース出してた2019年だよね。
松﨑:そう。声をかけたら、流れでそのまま展示のサポートをすることになって、2,3日Konelの皆さんと一緒に過ごしたんです。3月末に帰国しましたが、10月の復学まで半年間、決まっていた他社のインターンを断ってKonelのインターンに入れてもらいました。
―なんでKonelのインターンをやりたいと思ったの?
松﨑:当時からいろいろなことやってる会社だったので、謎めいたブラックボックスな感じが面白そうだなと思って。SXSWで展示されていた「雷玉」のように、テクノロジーを用いながらもテクノロジーのあり方を問い直す姿勢も視野の広さを感じましたし、あらゆることを試せる場所な予感がしました。
それと、ある時Konelはこれからどんな方向に行くのかと出村さんに聞いたら「俺ら飽きっぽいから、先のことはよくわからない」と言われたことがあって。なんかそれが逆にグッときちゃって、気づいたら強く引き込まれてたんですよね。なんというか、ブラックボックスだと思って近づいたらブラックホールだった、みたいな(笑)。
「雷玉ーLIGHTNING BALL」
加藤:あー、その感じ私もちょっとわかるかも(笑)。私は “感性工学”という人間の感性を中心に据えた工学を勉強してたこともあり、人の感性や人と自然との調和に関心があったんですが、それをどこかで仕事としてできないかずっと探してたんです。それでデザイン事務所とかコンサルとか、いろいろな会社でインターンをしてみたんですが、なかなかピンと来なくて。そんな中、他社でのインターン中に関わった「Aug Lab」という人間の拡張技術のプロジェクトを通じてKonelを知りました。Konelはそのとき屋内でランダムな風を再現する「TOU(ゆらぎかべ)」というプロダクトを作っていて、テクノロジーってぼんやりしたり自然を感じるために使えるものなんだって、驚きました。それまではテクノロジーを便利軸でしか見たことなかったから。
「TOU(ゆらぎかべ)」
―それでなっちゃん(加藤)もブラックホールに吸い込まれたんだ。
加藤:そうですね。実際インターンしてみたら、私に近い関心を持っている人がたくさんいて、すごくしっくり来ました。そのまま1年働いてもそのしっくり感は変わらなかったので、正社員採用を希望してこの春に入社しました。
加藤なつみ:群馬県富岡市出身。大学では感性工学デザインを学び、さまざまな自主制作活動を手がける。街づくりや地域に関わる分野に関心が強い。Konelでは企画立案・プロジェクトマネジメントとして、未来のビジネスアイディアを生み出す案件を多く担当。無類のピザ好き。趣味はドライブで、近い将来自分の車でドライブに行きたい。
―そこの三つ編みの青年は?Konelとはどうやって出会ったんだっけ?
齊藤:この三つ編み、カッコいいと思ってやってるんですけど、なぜか不評なんですよね・・・。
僕は学生時代ずっとバーテンダーをやってたんですが、面白くなってきた頃に社会に出るタイミングが来て、このまま就職するのは何か違うと思ってしまって。それで広告関係の会社にもらっていた内定を辞退し1年間休学して、その時に出会ったのがKonelでした。自ら手を動かして作る仕事がしたかったのでエンジニア志望でしたが、Konelのデジタルと他の要素を掛け合わせて新しいものを作るところに魅力を感じましたね。
あと僕もヒラクと同じで、先のことをがっちり考えすぎないこの会社のスタンスはすごく好きです。人間やりたいことはどんどん変わるものだし、先のことなんて決めたくないじゃないですか。
齊藤匡佑:神奈川県横須賀市出身。大学は経営学を専攻。バーテンダーとしての経験もあり、食分野に関心が高い。Konelでは1年間のインターンののちエンジニアとして勤務。各プロジェクトのシステム開発に関わるほか、イベントの設営や現場運営も器用にこなす。趣味はボルダリングとお酒作りで、将来の夢はクラフトジンの醸造所を作ること。
―ミヤコ(都)はインターンをたくさん経験してからKonelに来たって聞いたけど、ほんと?
都:そうですね、短期も長期も合わせると計10社くらいやりました。自分の適正とか企業との相性も知りたかったので、大手や100人くらいの規模の会社、10人弱の会社までいろいろ行ってみて、僕には少人数で自由に動きやすい組織が合うとわかりました。肩書きに拘らず、幅広くにやりたいことをやりたいと思った時に、その振れ幅を一番大きく取れそうだったのがKonelだったんです。インターンを通してたくさん比較検討したうえで決めたから、今のところ入社後のミスマッチみたいなものは全くないです。
あと、僕とにかくスーツが嫌で(笑)。服装の自由さも意外と大事でした。
都淳朗:徳島県徳島市出身。大学・大学院では工学部でデザインを学び、素材研究を専攻。学生時代から多くのコンペに参加し受賞多数。Konelでは企画・プロジェクトマネジメントをやりながら、自らデザインや3Dプリンタ等を駆使したプロトタイピングも担当。公私ともに作ることが好き。趣味は漫画、アニメ、ゲーム。最近のオススメは「ブルーピリオド」。
松﨑:わかる。俺なんてスーツ持ってないもん(笑)。
―うそでしょ?!
加藤:私も着たことないです…。
―(衝撃。)そういうものなのか…。まぁたしかにKonelでは着る機会ほぼないけどね。でもTPOはちゃんと考えてくださいよ!
一同:はーい。
インタビュー時の4人のゆるすぎる足元。
(注:お客さんの前ではもう少しちゃんとしてます)
ベンチャーでも大企業でもない、良いとこ取りの社風
―ところで、さっき「先が見えないのが魅力」という話があったけど、どういうことかもう少し聞かせてください。
都:就活をやる上でも「将来やりたいこと、なりたいもの」を聞かれることが多いですけど、正直よくわかんないですよね。僕にとっては仕事って食べること一緒くらい生活に密着したものだから、まるで「10年後に何を食べたいですか?」って聞かれてるような感覚で。
―なるほど。だからこそKonelの“やりたいこと起点”で事業内容を変えていくような側面が魅力的に映ったわけだ。
松﨑:Konelは規模こそ小さいですが、いわゆる“ベンチャー”っぽくないんですよね。ベンチャーって、これが来る!と信じた一つのサービスや製品を皆で一丸となって育てていくイメージだったんですが、この会社はそういう要素がなくて、最初からデザイン・アート・テクノロジーなど領域が広い。どっちかというとDMMみたいなベンチャーマインドを持った多領域の大企業をぎゅっと小さくしたような感じがするんです。
齊藤:あと、組織が小さくて良かったなと思うのは、やろう!ってなってからのスピードがめちゃくちゃ早い。意思決定プロセスが短いし、2ヶ月で納品まで突っ走るとかよくありますよね。スキルが多岐にわたる人が多いから三人くらい集まればたいていのことが前に進むし、社外の協力者も多くてフレキシブルなチーム作りをしてるなぁと思います。
―大企業みたいな手広さもあるけど、ベンチャーの機動力もあると。
加藤:私がすごく良いなと思うのは、クライアントが大企業の役職付クラスだったりすることが多いから、Konelにいながらにして大企業の空気感や作法も学べること。もし自分がクライアント側の社員だったら、新卒一年目で新規プロジェクトの打ち合わせを仕切るチャンスなんて絶対ないだろうなと思うと、早いうちから打席にたくさん立てるのはめっちゃオイシイです(笑)。
そんなことまでやって良いの?というのがKonelのインターン
―入社直後から大活躍の4人だけど、インターンの時は何をやっていたの?
加藤:大企業と普通に仕事してました。未来をシミュレートして産業創出の可能性を探るプロジェクトとか、今思うとそれ学生が入っちゃって良いの?!という打ち合わせに同席したり。私が考えたアイディアが納品物として売上になるっていうのも驚きで、やりがいは大きかったですね。
ーたしかにインターンだから、社員だからみたいな仕事の区切り方はあんまりしてないかもね。印象的だった仕事はある?
松﨑:クライアントに自分の好きなことに関する知識をワーッってしゃべったらすごく興味を持ってくれて、インターンの身分で新規案件を受注したということがありました。ほかにも、企業の技術見学の場で「この技術はこんな風に応用したら可能性が広がりそうですね」と言ったら、それが採用されて実際にプロトタイプになって展示会に出たなんてこともあって。インターンが区別されないのは、誰が言ったかではなく何を言ったか(やったか)で評価しているからなのかもなと思いました。
齊藤:まぁそういう側面もたしかにありつつ、インターンはやっぱりフットワーク勝負という部分もありますよね。僕は1年間のインターン生活で搬出入のプロになったと自負してます(笑)。展示会やアート展、イベントなどでプロダクトを発表する機会も多いので、そういうところで駆り出されるのは若手。そのうち現場を任されて一人で出張するケースも出てきましたけど、各地を回るのは旅行みたいで楽しかったです。
京都市立京セラ美術館で現場を仕切るキョウスケ(三つ編み前)
―皆なんだか社員顔負けの働き方をしていたみたいだけど、学校との両立は大丈夫だったの?
都:そこはちゃんと学業最優先の考えのもと、各プロジェクトのリーダーが臨機応変に対応してくれました。来週は学校が忙しくなりそうだなと思ったら気軽に相談して、仕事量を調整してもらって。感覚的には0.7人工くらいで見てくれてたんじゃないかな。
こんな人と働きたい
―Konelのインターンで得られたものを一言で表すとしたら?
松﨑:バイタリティ。細かいマニュアルがない中でどう立ち回るかが大事になってくるので、精神的なエネルギーが必要だから。
加藤:実装力、かなぁ。前例がないことをやるには、自分で考えてなんとかしなきゃいけないから、ちゃんとアウトプットを出すところまで粘り強くやる必要がありますね。
都:自己肯定感ですね。自分が作りたいものを作ることが許されて、かつ良いものができれば正当に評価されるって、ほんとにサイコーです。
齊藤:未完成品だからこそ世に出そうよ、というスタンスが身につきました。完璧じゃなくても、早く世に出すことで得られることの方が結果的に多いという考え方は、エンジニアとしても心に留めておきたいことですね。
―これから新たにインターンを迎えるなら、どんな人と働きたい?
都:ポートフォリオが授業課題で埋まっているより、Konelのビジョンのように“欲望を形に”しててやりたいことがほとばしってる感じの人が良いなぁ。
加藤:いいね。ただ、アイディアやクリエイティビティを発揮する仕事の一方で、オフィスの整頓とか、見積もりの作成とか、ひたすら実験を繰り返すとか地味な作業ももちろんあるので、そこに意義を見出して楽しくやれる人は向いてると思う。
松﨑:そうだね。クリエイティブだけでなく、そこに至るほぼすべての工程を体験できるのはKonelのインターンの醍醐味だから、どの工程にもポジティブに関わるとすごく力がつくかも。Konelに入社せずとも、どこでも役立つはずだし。キョウスケはどう?
齊藤:僕が一緒に働きたいのは生意気でメンタル強くて手先が器用な人かなぁ。
松﨑:それ自分じゃん(笑)!
夢はでっかく欲張りに
―最後に、皆の目標や夢を教えてください。
齊藤:カンヌでゴールド受賞。AIを作りたい。映画作りたい。フード関連のプロジェクト作りたい。あと芥川賞受賞。
都:最後のとか、もうよくわかんないし…。僕は地元徳島を盛り上げたいですね。地元の産業・資源をクリエイティブの力で再構築して、ミラノサローネに持っていきたい。
加藤:私はこの若手だけのチームで何かやりたいなぁ。それと、人と街との豊かな関係性を築くためのプロジェクトをやりたいです。
松﨑:僕は音楽や映画など、カルチャー色の強い企画を立ち上げたい。あと最近は言葉の力を再認識していて、言葉とデザインとの相乗効果のあるクリエイティブを作るべく、日々勉強中です。
―素晴らしい。今日は皆と話して、Konelの未来は明るいと思いました!さらに4人のパワーやパッションを超えるような人が来ると良いなぁ(ますます収集つかなくなりそうだけど…)。
ではでは、Konelでのインターンが気になった方、ご連絡ください。待ってます!
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聞き手:丑田美奈子(Konel)/撮影:Adit(一部松﨑・都)
Konelライター/知財ハンター/<オノマトペのおやつたち>プロデューサー。リモートワーク中心の生活の中で、ときどき若手と甘いものを食べに行ったりくだらない話をするのが最近のリフレッシュ。
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