月日が経って、悶絶するような鋭く深い悲しみはだいぶマシになった。けれど逆に今度は彼女が生きていた時間がどんどん遠ざかる形容し難い寂しさに晒されている。まるで身体の周りから潮がどんどん引いていくような。

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