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「集まらない」という新しい課題

新型コロナウイルスの影響で、さまざまなイベントが中止されたり、様子を見ながら開催されたりしている。中止も決行も、そこには正解がなくてその時の最善だと思う判断をしなくてはならないんだろう。私は直近で大きいイベントを開催することができたが、楽しみに準備してきたイベントの中止の決断をした方達に顔向けできない気持ちも少なからずある。でもこれだけイベントが減ってきているなか、集まる場所が作れたことは非常に幸運で、よかったことだったんだと思おう。

それで、いろいろな人が、リモートワークやオンラインイベントに新しく挑戦したりしていて、リモートワークなら「固定回線がない」「椅子がない」、オンラインイベントは「音が聞こえない」「リアクションが無くてつらい」など、生々しいトライアンドエラーの情報が上がってきて、これがまさにテクノロジーの民主化によるリアクションなんだと思えた。世界がよりよい状況に一歩進む行動を取っていくしかないのだろうと思う。

そんななか「YouTubeでイベントをやってみたい」という、いわきりさん(@kohsei)の投稿を見て、「一緒にやりましょう」と声をかけた。何か手伝えることはないか、実現に向けて伴走したいと思ったのだ。

新型コロナウイルスの影響で、私が2月下旬より登壇・主催予定だったイベントがいくつか中止なり、切ない気持ちと、休める時間ができたことにホッとする気持ちがあった。そのなかで

1. この状況に対して何かできること(オンラインイベント)をする
2. 自分の仕事のプロダクトに向き合う
3. 休んで内省したり、自分を鍛えたりする

のいくつかの選択肢があり、それをどのような配分でやっていけばいいか悩ましく思っていた。1について何かしたい気持ちがあるが、(個人で開催するイベントに関して)自分が登壇したり設計したりするイベントは、オンラインでやるだけの強度がないとどうしても思ってしまう。オフラインで、人が集まって交流したり、私のある意味パフォーマンスとしての登壇を楽しんでくださっていたりするからこそ価値があり、オンラインでそれができそうにない、と私は思う。ちなみにこれは、オフラインとオンラインという開催媒体の違いによって、私はどんな開催動機や開催の難易度について異なる見解を持つのか、思考実験を行なっているだけであり、「私には能力がない」と悲観しているのではない。ちなみに自分が何かするとしたらPodcastかな……?

さて、いわきりさんは、今の状況は「集まらないという新しい課題だね」と言った。私も同様に感じていて、ここ20年くらいにおいてIT業界が冷え込む出来事を振り返ると、大きなものではリーマンショックと東日本大震災があると思い、私は東日本大震災の影響もすっかり落ち着いた頃に今の業界に入ってきて、そういう意味では今が一番危機的状況ではないかと思っている。震災も、「絆」という言葉が使われたように、物理的に難しい地域や状況があったにせよ、集まることを禁じられたりはしなかった。それから世の中が成熟して、今度はいかに物理的に集まらないでやっていくかが課題になってきそうだ。

個人的には、集会の場でつながりを作り、コミュニケーションをとり、パフォーマンスしてきたという、リアルイベントで成り上がってきた人間だ。独身だし、そこまでハラスメントの被害にも遭わなかった私は、IT業界で働く男性とそう変わらない(逆にいい意味で目立つ)強さがあるだろう。リアルイベントはそういう人が強くなりやすい強さがあるのだ。それで、オンラインになると、地方の人、子育てや介護に直面している人、機会の面で救われる人がたくさん出てくるだろう。集まり方がこれまでとは違ってくるのだ。

先日開催した大きなイベントのテーマを「ともにつくる」とした。ソフトウェア化が進むなか、異なる他者とどうやっていくかという願いを込めた。その言葉が自分自身に重くのしかかりながらも、これまでとのフェーズの違いを楽しんでいきたい。

お読みいただきありがとうございました! よかったらブログものぞいてみてください😊 https://kondoyuko.hatenablog.com/