見出し画像

3Dアバターの過剰な胸揺れに悲しくなった

・2020/05/14追記:VRoid Studio v0.9.2にて体と衣装の揺れを調整する機能が追加されました(本エントリ末尾に詳細を書きました)

先日、「バーチャルマーケット(Vケット)」というVRChat内での展示会に参加したく、はじめてVRChatに入りました。もともとclusterで開催するイベントで登壇するにあたって、自分でアバターを作っていて、その際は、「普通の美少女っぽいのだと面白くないな」と思い、MagicVoxelというアプリを使って3次元のドット絵風のアバターを作りました(以下noteのように一度失敗しているわけですが……)。

しかしVRChatでは、私は新しいユーザーのため、まだオリジナルのアバターをアップできない。ということで、Vケットの「アバターショーケース」というワールドにて、無料公開のアバターを使わせていただきました。そのアバターで、企業ブースの「パラリアルトーキョー」を散策して記念撮影していると、自分が本当に写っているようで楽しいのです。

画像1

私が最初作ったようなデフォルメしたアバターではなく、人間のスケールに近いアバターは、規格が決まっているためクリエイターさんが作った洋服を購入していろいろとおしゃれできる。これまで作ったアバターも大事だけど、別の選択肢として人間に近いアバターを作ろうと思い、Pixivが提供している3Dキャラメーカー「VRoid Studio」を使ってアバターを作ってみることにしました。

VRoidには、服を例にすると、3Dモデル(服の形になるもの)とテクスチャ(服の柄になるもの)という概念があり、3Dモデルの方はさまざまなパラメーターを調整して好みの形にし、テクスチャは、BOOTHなどで配布・販売しているものを購入したり、自分でオリジナルのものを作ったりすることで、好きな服を作ることができます。服を作るというと3Dモデルをイチから作るイメージで大変そうだなと思っていたのですが、テクスチャは平面画像を用意すればいいので、少ない工数で服を作ることができる。多くのテクスチャは無料もしくは安価に販売されています。

VRoid Studio、はじめはよく分からずに触っていたのですが、BOOTHを物色して好みのテクスチャを購入し、アバターを着せ替えるのが楽しく、一晩でアバターが作れてしまいました。お人形遊びのような楽しさを思い出し、VRoidには無限の可能性を感じました。

このせっかく作ったアバター、軽くclusterで動かしてみようとすると、予想外に胸とスカートの裾がゆれるゆれる。

胸は「ノーブラかよ」ってくらいフリーダムに動くし、スカートの裾も、アバターを動かしただけでパンツが見えてしまうくらいでした。胸の揺れは、パラメーターを調整して胸を一番小さくしたとしても揺れが大きいし、スカートに至っては対策がわからないので、ドロワーズを履かせました。VRoid Studio上でアバターが走るだけで、スカートがこのくらいめくれます(アバターはドロワーズを着用しています)。

画像2

例えばこのアバターで、人とコミュニケーションを取ったり、イベントで登壇したりする際、自分が動くだけで胸が揺れたりパンツが見えたりするのはとても悲しくなりました……せっかく作ったのにこのアバターを使いたくないと。単に胸が揺れているアバターを見せられるのではなく、自分に紐付いた存在だからこそ、よけいに辛いと感じました。自分が子どもだとして、楽しくお人形遊びをしていたら、そのお人形が題材になっている18禁同人誌を見せられたような感覚にも近いですかね……。

自分が、胸揺れをオフにするやり方を探せていなかっただけかもしれないと思ったのですが、以下のYouTubeを見ると、VRoid Studioでは胸揺れのパラメータが実装されていないということ、そして胸揺れをしないようにするには、一旦男性用(?)の服のデザインを身にまとい、その後、テクスチャを貼り直す必要があることなど、所見では対応が難しいことがわかりました。

そしてその対応だけでは、通常の女性の胸のサイズだと依然として胸揺れを抑えることができず、胸の小ささを最小にして、ようやくギリギリ許容できる範囲まで抑えることができました。

VRや3Dモデリングのカルチャーを考えると、アバターに対して、胸を揺らしたり、動いたときに服のめくれ方が躍動感ある感じにしたりしたい方の気持ちもわかります。そのあたりの多様性もあってしかるべきだと思います。しかし、デフォルトの設定で女性アバターを作ると、胸が過剰に揺れるなど、意図せず性的な表現になってしまい、それがVRoid Studioの設定で解消できなかったりするのは、問題があるように思いました(VRoid Studio上のアニメーションではそう胸揺れが気にならないアバター設定でも、clusterで動かすと胸揺れが目立ったケースがあるので、もしかしたらcluster側の動かし方も影響しているのかもしれません)。

昨今のご時世の影響で、外出やリアルの場でおしゃれをすることが難しくなり、3DアバターやVRに注目が集まっているように感じます。一部の趣味趣向を共有している人だけでなく、こういう世界観を世の中に広く推し進めていきたいのであれば「デフォルト設定で性的な表現が誇張され、抑止するのに工夫が必要」な現在の状況を解消し、「多様性を担保しつつ、意図せず性的な表現をしないようにユーザーを守る」プロダクトデザインにしていただくのが、エコシステム急拡大の戦略としてあるべき姿かな、と私は思います。

2020/05/14追記

VRoid公式Twitterからアナウンスがあったように、体と衣装の揺れを調整できる機能が追加されました。

本エントリが拡散されるようになったのが5月13日頃からだったのですが、その翌日にアップデートが公開されました。事前に準備していたものなのか、本エントリを受けての対応なのかは分かりませんが、私以外に多くの方に望まれていた対応だったようでした。私の行動が、既存ユーザーさんにとっても、これから3Dアバターを作ってみようと思う方々にとっても、やさしい世界に一歩近づくためのちょっとした貢献になったんじゃないかなと思い、嬉しく思います。

ということで、喜びの舞!


お読みいただきありがとうございました! よかったらブログものぞいてみてください😊 https://kondoyuko.hatenablog.com/