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【パラ陸上 | あれこれ #13】 世界パラ陸上 ヨーロッパ選手権 2日目 am 観戦記

2021年6月2日(水)の朝10時のコンディションは気温19度で快晴でした.風速は,15km/hでした.これはいわゆる時速ですので秒速(m/s)に変換すると,15km/h=3.6×秒速(m/s)ということで,秒速(m/s)=4.166666・・・≒約4m/sでしょうか.それほど強くなく,日常的に吹く風の程度でしょうか,穏やかなコンディションで競技が開始された様子でした.

T11(視覚障がい;三段階ある視覚障がいのクラスで最も障がいが重たいクラス)女子 走幅跳でウクライナのPAVLENKO Yuliia選手が4m91(+1.9)の記録で優勝しました.6回の跳躍で一度もファウルがなく安定した跳躍でした.競技中,顎にマスクをかけたままだったのですが,気にならなかったのでしょうか(笑.

このクラスの選手はいわゆる全盲の状態で,助走路を走ってきて,踏切エリア(踏切線まで1mの範囲)で踏み切り,跳躍していきます.そのため,競技アシスタント(コーラー)の指示(音や声など)を適切に聞き分けながら競技を行うという特殊性があります.

F51(車いすクラス;自力で座位バランスを保つことが難しく,両方の上肢にも重度の障がいがある)男子こん棒投でセルビアのDIMITRIJEVIC Zeljko選手が34m71の世界記録で優勝しました.1971年1月4日生まれの50歳ですが,まだ記録を更新しているところもすごいです.こん棒投はパラリンピック特有の種目ですので,是非ご注目下さい.こん棒投は男女とも,F32,F51クラスで実施されます.

下記,NHKの東京パラリンピックページにも紹介されていますので,ご参照ください(これは大会が終わっても消さないで欲しいですね,大変貴重な資料です).

F57(座位競技者で,下肢の欠損など最小の障がい基準に定められた障がいが1つ以上ある)女子 砲丸投(3.00kg)では,チェコのOBROVA Miroslava選手が7m06で優勝しました.

T11(視覚障がい;三段階ある視覚障がいのクラスで最も障がいが重たいクラス)男子5000mでは,終始ロシアのRUDAKOV Fedor選手が先頭を走り,1000m3分7秒60,2000mを6分18秒71(この1000m3分11秒11),3000mを9分30秒91(この1000m3分12秒20),4000mを12分52秒31(この1000m3分21秒40),5000mを15分48秒97(この1000m2分56秒66)でゴールしましたが,RUDAKOV Fedor選手が残り1571m地点の曲走路で縁石を踏んでしまいバランスを崩し,レーンの内側に入ってしまっており,ゴール後に失格となりました.これにより2着に入った地元ポーランドのKOSSAKOWSKI Aleksander選手が16分55秒10で優勝しました.最後まで何があるか分かりませんので,一つでも順位を上げてゴールすることが大切です.

T13(視覚障がい;三段階ある視覚障がいのクラスで最も障がいが軽いクラス)女子100m決勝で,スペインのIGLESIAS FORNEIRO Adiaratou選手が12秒08(+0.9)で優勝しました.今後さらに記録を伸ばしそうな勢いですね.

T35(立位競技者で両方の下肢に中等度の痙性麻痺があり,上肢にも軽度から中等度の制限がある;立位の麻痺がある4つのクラスの中で最も重度)の男子100m決勝で,6レーンのロシアのSAFRONOV Dmitrii選手が11秒77(=11.766)の世界記録で優勝しました.2着5レーンのロシアのKALASHIAN Artem選手も11秒77(=11.769)で2人が同時に同タイムで世界記録を記録したのを初めて観ました.千分の3秒差の勝負でした.

F40(低身長クラス;低身長のクラスが2つありそのうち低いクラス)女子 砲丸投(3.00kg)で,地元ポーランドのSLIWINSKA Renata選手が8m75の大会新記録で優勝しました.日本では選手が少ないのですが,国際大会では注目して観ています.

まだまだ魅力満載のパラ陸上,観戦を続けます.

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