見出し画像

ベトナムが世界から選ばれる理由を知る

ベトナムと付き合う事は、世界と付き合う事と言っても過言ではない。

 これが20数年に渡って、ベトナムでビジネス活動してきたブレインワークスの実感である。ベトナムに馴染むとすぐに分かってくるのが、圧倒的に韓国の存在がある事だ。そもそも、ベトナムに駐在する韓国人と日本人の比率は、概ね10:1であり、これはこの20年間あまり変わっていない。ベトナム人にとっては、日本人よりも韓国人との関係の方が深いし親しみがあるのである。子供たちは特にそうだ。これはアニメやドラマなどの影響も大きい。それに近いのが台湾。理由は簡単で、日本がベトナムに関心を持ち進出を始めたのは、韓国や台湾に比べて相当遅れていたからである。だから今でも相対的には日本人の存在感は薄いのである。

 意外に思う人もいるが、米国との付き合いも深い。ベトナム人の若者の多くは、英語圏の米国やオーストラリア、シンガポールを目指す。この意味でも日本の優先順位は低い。
 近隣の中国との付き合いも深い。最大の貿易相手国である。一方、領土問題では、少なからずの問題も抱えている。社会主義国だけに、ロシアやキューバなどとの付き合いも長く深い。
植民地として支配されていたフランスとは、私が知る限り良好だし、ベトナムの街並みはフランス風のものも多く、何よりも田舎に行ってもフランスパンがあることに驚く。
 こんな風に、一見、八方美人のような印象もあるが、したたかさを備えた外交上手というのが真実であろう。

特に、『中国人との付き合い方はベトナムに学べ』という本があるように、接してみて分かるが、ベトナム人はタフネゴシエーターが多い。

そして、我が日本とベトナムの関係も良好だ。だが、決して良い関係があるかと言って胡坐をかいてはいけない。
また、親日国というメディアを鵜呑みにして、期待しすぎてもいけないし上から目線になってもいけない。ベトナムは常に日本人と他の国の人を比べているのである。

 この20年間、日本とベトナムの関係は、概ね良好に発展してきた。
 まずは、今、日本がベトナムに期待することが端的にわかる調査データを見てみよう。一昔前から進展して、今やベトナムは日本にとっての進出先として東南アジアでは一番人気だ。
 日越の関係を理解するために、もう一つ大事なことがある。それは、人的関係と日本の経済や基幹産業がベトナム人に支えられていると言う事実である。日本に来ている技能研修生のデータが分かり易い。データが示すように、技能研修生においては、数年前から、ベトナム人が断トツである。
彼ら彼女らはいずれ帰国する訳である。本当は、こういう関係を最大限に生かすべきであるが、日本側の問題も大きい。真の意味での人的関係の活用までには至っていない。

 ベトナムでビジネスを考える時に、経営者が認知しておきたいことに、信用ビジネスがある。海外経験が豊富な方ならわかるが、日本人は、概ね世界のどこに行っても信用が高い。これは、日本人の気質や振る舞いなどが背景にあるが、もう一つは、経済大国に上り詰め、高品質の商品やサービスを創造してきたことがその源泉になっている。ベトナムだけではないが、そんな日本に期待することが信用ビジネスの遂行である。
 具体的には、色々とあるが、例えば、健康食品が有名だ。あとは、ベビー用品に関する事、アフターフォローのサービスレベルや躾を基点にした教育についても期待値は高い。こういう日本の本当の強みを生かしたビジネスをベトナム企業と共生で進める、あくまでもベトナムが主役であることを大切にする日本であってほしいと強く思う。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!