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外国人がライバルの時代が始まった

日本企業の海外進出ラッシュは本格的に進みだした。
今や経済新聞などのビジネス情報の大半がアジア進出関連といっても過言ではない。
私は多くの時間を東南アジアを中心とする海外で過ごしているが、特にここ1年のベトナム進出ラッシュには正直驚く。
「いよいよ来たな」と率直に感じる。
当社は中小企業の応援団を自負している。
だからこそ、中小企業こそがもっと海外進出に積極的に乗り出してほしいところだ。
しかし、最近のベトナムは、中小企業の動きも目立つようになってきたが、やはり、日本の大手企業の進出が際立っている。
建設・不動産、製造販売系、大手スーパー、家電量販店、物流関係など、枚挙に暇のないほど多くの企業の進出が始まった。
日本国内のマーケットの行く末を考えれば、自然の流れである。
これら大手企業の動きに合わせて、日本国内でのベトナム人の採用活動が大きく変化してきた。
すでに大手企業で彼らを奪い合う時代が到来したのだ。

先日の4月20日の日経新聞夕刊に“外国人がライバル”という記事が掲載された。
新卒の就職戦線に外国人留学生が相次ぎ参戦している。
これからは、日本の新卒学生にとって本当のライバルは彼ら・彼女らなのかもしれない。
――グローバル展開には現地のマーケットに精通した人材が不可欠であるこのように記事では述べられている。
要するに、現地のローカルマーケットで日本企業が勝負するには、現地で生まれ育ったその国の人材が不可欠だということである。
BtoCビジネスに大きな可能性を秘める海外市場では、当然の理屈である。

東南アジア側から日本を見ていても、時代はこの10年で大きく変わった。
当社は約20年前の創業以来、アジア人の採用を積極的に行ってきた。
中国人、韓国人、台湾人、インドネシア人、ベトナム人など、多くの若者たちと仕事をしてきた。
毎年の新卒採用は、日本人だけではなく、アジア人に対して積極的に門戸を開いてきた。
10年前から比べると、アジアの近隣諸国からの留学生の数は右肩上がりで増えている。
一番多いのは中国、次いで韓国、台湾と続く。
最近は、ベトナム人の留学生の数も増えている。
どの国の留学生も、せっかく日本に来たのだから、少なくとも数年は日本で働いて経験を積んだり、報酬を稼ぎたいと思っている。
これは昔から変わらない。
ところが、数年前まで、留学生を積極的に採用する企業は本当に少なかった。
アジア人も日本人も一緒の職場で働く時代が来ることを切に願ってきた当社としては、ここ最近の就職戦線の変化は率直に嬉しい。

以前、“アジア人が上司だったら”というテーマでブログを書いたことがある。
海外からは日本に沢山の若者がやってくる。
そして、日本の企業に就職して活躍する。
今、この流れが本物になりつつある。
一方で、日本の若者はどうだろうか?
ここ数年の傾向は、完全に日本の国内で引きこもり傾向だ。
海外インターンなどでベトナム現地の企業で経験を積む“強者”も増えつつあるが、学生全体からすればマイノリティに過ぎない。
日本は、海外、とりわけ東南アジアとの共存共栄を強く望んでいる。
企業も国も一気に東南アジアに舵を切っている。
『企業は人なり』である。
これからの日本の未来を背負う若者が海外で働くことは必然だろう。
日本に来る留学生が日本の企業に就職するように、例えば、ベトナムのベトナム企業(現地の日系企業ではなく)に就職する日本の新卒が普通になる時代が来てこそ、日本と東南アジアとの共存共栄が真に実現すると思っている。

日本国内も新卒の就職戦線真っ最中ではあるが、あえてしばらくは、日本の新卒が東南アジアで働くことに焦点を当てて、ブログを書こうと思う。

(本記事は、ブログ「近藤昇の会社は社会の入り口だ」に、2015年5月7日に投稿したものです。)

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