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消費者の踊り

 本日バタバタの日和、そういえばバタやん昨日映画で観たが、十年くらい前に上映されていたバタやんの映画を未だに観てない事に思い至った。観たいと思いながら観てない映画や読みたいけど読んでない本や漫画、ミュージック、やらずにここまで来た事が山ほどある。にも関わらず私はまた朝起きられず、風呂上がりに大して興味ないリールを追いかけている。
魚以下。魚は立派です。いや魚と私に上も下もないでしょう。そういう想いで昔ささやかなサカナというブログをやっていた事がある。

そんな事をぼんやり思い出しながら歯を磨いていたら結構ギリな時間、トーストを咥える暇なく慌てて家を出る。駅前駐輪場から小走り、揺れる腹肉、主食炭水化物、副菜炭水化物、デザート炭水化物につきこればっかりはどうしようもない健康的な生活に必要なのは銭、もし病気になっても必要なのは銭と気がつき、身体にええもんだけなるべく食う生活していたら借りの多い人生、首が回らないようになってしまい結局は炭水化物のみの生活、金なしで健康的に行こうとするならある程度飯は抜いて、身体に悪くない物を少し食らうしかない。依存性体質の私には到底出来そうもない。

バイト先バタバタ、朝からアクシデントと、繁忙業務、その分あっという間に時間が過ぎる。職場の先輩がアイスコーヒーを差し入れて下さる。コンビニエンスのコーヒーでも差し入れで頂いたコーヒーは何でこんなにも格別なんだろうか。

バイト①ハンチクであがり昨日サボったので配達へ向かわねばと思っているとタイミング的に今日しかないので美味い焼き飯の店行きませんかと同僚が誘ってくれたのだがオマンマの食いあげになってしまうので映画の誘惑も諸々振り切って帰宅への道中で来週の撮影の為の小道具だけは買いに行く事にする。ほんの息抜きのつもりで。

ゴールデンウィークって感じの快晴で浮かれた様子の人混み、東京のハジなので激混み程ではない具合で活気を感じこちらもふわっとご陽気になりそうだった。多分なっていた百貨店の外をぐるり囲む様に出張店が出てメイン的な広場に位置するDJブースからチンピラ兄ちゃんMCしていてみんなでランニングステップ大会、内心いーなあ、私もステップ踏んで皆んなと踊りたいなあと思いながら、文具屋には寄り道したものの帰宅を目指す。

 ちなみに私が割りかし好きな大手本屋が資本のその文具店はその場所から5月に撤退するらしい張り紙、マジで悲しい。
そういえば去年末か今年アタマくらいにもう一店舗別のオシャレ文房具店が同じ駅ビルのテナントから身を引いてしまったのでいよいよその街の駅近エキナカ文具店(しかもよりによって私のお気に入り)二店が撤退というのは心細い限りである。私が好む空間や店というのはたとえ資本が大手であっても続けていくのは困難なのだろうか。

 この現象というのはしようがない事なんだろうがなんだかなと不満げになってしまう。
だいぶん大袈裟に風呂敷を広げると、結局売れ線、商業路線、その時々の流行りに乗っかって儲けられるだけ儲けて、駄目になる前に手を引きその儲け分で次の流れにベットする。
なるべく損しないように、消費者には空虚を追いかけさせたもん勝ち、消費者が目を覚ます頃には次の手品という具合に。
やはり相当に話はズレてきているが勿論そこから普遍的な凄い発明というのも産まれたりする面もあると思うし何より挑む立ち向かう活動する心意気、行動は根本的に大事である。

ただ、ただ、それ先程に打った目先の儲け至上主義だけばかりになるとモドカシイ。

散々とウロウロしながら迷っていたのは黒澤明の映画には後年誰も金を出さなくてあの世界の黒澤明が映画を撮れなかったという衝撃を私はトラウマのように抱いているという事が去来していたのだ。そしてそれがここで出て来るというのはお門違い過ぎないかという思いからである。しかしもう止められない吐露してしまった。

たしかにクロサワ映画は時間、金も人手も掛かるで有名だったがそれでも後世に事実語り継がれている。日本のみならず海外の一流フィルムメイカーもメロメロにさせるそんな超一流作家の作品でも目先の金、効率的に産み出さなければ思うように絵を描かせては貰えないのか。
この世の常なのか、いやこの国の掟なんだろうかといった事を考えて少し前から自分の精神世界に入り込んでしまっていた。

 そうしたところ、ハッと気付いた私は保安室の机に招き入れられたらしい目の前には文房具屋で私が買おうか迷っていたスクラップブックとスケッチブック、怖い顔した保安官が先ほどからなんで現金もないのに購入したと言い切れるのか君はと問いただしている。
私はスマートフォンの契約会社から前借りした電子マネーで支払ったと何度も説明するが一向に理解を示さない。
しまいには保安官に連行され本屋へ戻ると丸顔の女子高生が機関銃をぶっ放すポスターが貼られていて隣には“読んでから見るか、見てから読むか”と書かれてある。いよいよクラクラしてきた私はもしや私の認識違いかも知れないという思考に至り渋々非を認めて謝罪し現金で支払います。と告げると、ならば今回限り許すと偉そうに物申され小言を添えられたが本心は一刻も早くその場を逃れたい一心で財布からなけなしの野口英世一枚差し出せば店員さんそれをじっと見つめて電球越しに透かし、「贋札だー。」と叫ぶので私は咄嗟にスケッチブックだけを手にして走り出してがむしゃらに突っ走った先どうやら先程の百貨店の辺りに戻って来たようで訳が分からずこんがらがった頭の中を追い払うように見様見真似でランニングステップのつもりで地団駄を踏んでいた。
ひたすらに脱落しないように気をつけながらひたすらに。

『フルコースのレディオ』というラジオ番組をYouTubeで配信しております。

今のところ基本的に毎週木曜日0時配信を予定してます。

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