「近代の知」と「仏教の知」―何が見失われたのか―
『中外日報』2009年10月22日号に掲載
(これは『神と仏の倫理思想』(初版2009年)を出版した時に、求められて書いたものです。和辻哲郎については、京都帝国大学時代の講義ノート『仏教倫理思想史』『国民道徳論』を読むなかで、もっと考えるべき点があると感じ、『神と仏の倫理思想』の改訂版(2015年)で「補論」を書き加えたほか、いくつかの論考を発表しました。)
「輪廻は迷信であって仏教本来の考えではない」、「大乗仏教は後代になって作られたもので釈尊の教えとは異なる」。こうい