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2023年マイベストアルバム

年の瀬になり、年間ベストを選出する季節がやってきました。音楽リスナー若輩者ではありますが、今年はそれなりに新譜もよく聴いたので(と言ってもたかだか50〜60枚くらい)、自分なりのベストアルバムを見繕いランキングを作ってみました。
ディスクレビューは正直苦手なため
小学生の感想文みたいな文章を添えながら。

ちなみに、洋楽・邦楽どちらも好きで同じ熱量で聴いていたのでそれぞれ10枚ずつで選出してみました。洋邦分ける必要ないのかもしれないが、私の中ではやはり国内アーティストか国外アーティストかでモードが変わってしまうため一緒くたに出来ないトコロがあります。

とゆーことで、ランキングも洋楽・邦楽で分けて書いていこうと思います。
では、まずはこちらから。

【洋楽編】


10位 But Here We Aer - Foo Fighters

1曲目「Rescude」ではじまり、最終曲「Rest」で終わる。曲タイトルだけで泣けてしまう。言わずもがな、昨年3月に急逝したテイラー・ホーキンス(Dr)へのレクイエムであり、追悼アルバムだ(後で知ったが、デイヴの実母ヴァージニア・グロールに向けたものでもある : 昨年8月に逝去)。正直、フーファイらしさは多少下降気味。このアルバムはそれでいい。
とにかく新譜を引っ提げて活動再開してくれたことにひたすら感謝。
今年フィジカルで唯一購入した一枚でもある。


9位 A Torch In The Dark - Atreyu

今年はメタルコアもたくさん聴いたので、ジャンル違うけど一つくらい入れたいという事でAtreyuをピックアップした。決め手は演奏の豪華さと歌の巧さ、そしてキャッチーさ。
鬱や不安や恐怖の波を、伝えあうことで打ち消す抗鬱剤的な曲「Drowing」はMVの仕上がりもお茶目で、彼らの人柄が感じられる。
一つミスったのは、X(Twitter)でポストしたほうはEPであり、アルバム本作はこちらということ😅


8位 Cracker Island - Gorillaz

ゴリラズと言えば、R&BやHIPHOPのイメージが強いのだが、今作はポップスやオルタナロックメインで作られている。かつ、各アーティストとのコラボによる実験的な試みも感じワクワクと心躍る。とても聴きやすいし、世界中を旅している気分になる。
お気に入りはTame Impala、Bootie Brownとのコラボ曲「New Gold」サイケ・ヒップホップ・EDMの三つ巴サウンドが耳に心地よい。


7位 Bunny - Beach Fossils

ニューヨーク州ブルックリン出身のインディーズバンド。ジャンルはドリーム・ポップ、シューゲイザーといったところか。とにかく1曲目〜3曲目までの流れが非常に良い。アルバムリリースは6月だが、ジャケットも含め4月頃の春風やイースターを彷彿させるサウンドで軽快。
2010年頃から活動しているようだが私は今年初めて存在に触れ「こんなに良いバンドがいるんだ」という感動も含めてこの順位です。


6位  Everything Is Going to Be OK
                             - GOGO PENGUIN

普段はインスト系の音楽、ジャズやクラシック等は殆ど聴かないのだが。Xの上半期ベストでよく見かけていたゴーゴーペンギンをふと聴いてみたら物凄く良かった。「誰だって自由にどこへでも行ける」アルバムタイトルを意訳するとこんな感じか。まさに自由に羽ばたいているようなピアノサウンドは冒険心をくすぐる。
アルバムジャケットもタイトルとマッチしており傑作の一枚。


5位 ÁTTA - Sigur Rós

アイスランドの至宝、シガー・ロスの10年ぶりのアルバム。昨年の来日公演で観たシガー・ロスのライブ情景が蘇る。混沌とした世界に差す光、もしくは性差別・人種差別に一太刀向けるメッセージ性…そんな大きな思想はとても追いつけなくて。ただ一つ、自分の中に宿っていた命が失われた瞬間のことを思い出していた。
何度も泣きながら聴いた。
天国があるならこんな世界かなと思いながら。


4位 Heaven - Cleo Sol

英国ロンドンの女性SSW、Cleo Solは9月に2枚の新譜をリリースするという素晴らしき制作意欲の持ち主。自分が選んだのは最初にリリースされたこちらの盤。ネオ・ソウル・サウンドに乗っかる艶やかなボーカル。極端に少ない音数なのに、いや、だからこそ一本芯が通ってる音楽がどこまでも気持ちいい。
ドレスコードに身を纏い、高級なバーでいいお酒を飲む。このアルバムを聴くといつもそんな妄想が広がる。


3位 Holy Waters - Puma Blue

英国サウスロンドン出身のSSWの2nd。
仄暗い深淵に沈んでいくダウナーなサウンドに、かき消えそうなほど繊細なボーカル。
かつてのジェフ・バックリィのような、トム・ヨークのような雰囲気を汲みながら独自の表現力で心を鷲掴みにする。
暗闇を彷徨うような音楽は人間の本質をなぞるようで、ゾクゾクする。そして五臓六腑にスッと沁み渡る。
まぁつまり私は根暗な音楽が大好きってこと。
そこに尽きる。


2位 So Much (for) Stardust - Fall Out Boy

自分が音楽を聴く時に最も重視するのが、高音パートが綺麗なボーカル。次にメロディセンス。その2つが最高なら、言う事はない。FOBはその2つを完璧に兼ね備えているからここ数年ずっと聴き続けている(Spotifyの一年間よく聴いたランキングにも必ずランクインする)
今作も基本はエモパンクだけど、軽快に踊れるディスコナンバーやミュージックオーケストラのような壮大な曲もあったりして本当に楽しい一枚。
巷では「昔のFOBが帰ってきた」という声が多かった。


1位 Dead Club City - Nothing but Thieves

新鋭UKロックバンドの雄。とか銘打たれているが、その名前も音楽も存在すら今まで全く知らなかった。赤橙が彩る美しいジャケットに惹かれて聴いてみたら、肝を抜かれた。UK特有の鼻にかかる綺麗な歌声、洗練された極上のメロディ、これでもかというくらいエモーショナルな曲が次から次へと放たれる。#1と#5はQUEENを、#11はDUFT PUNKを、全体的にTHE MUSICを彷彿させる。けれどそのどれにも似つかない独自のロックサウンドに心酔いしれた。凄い才能だと思う。

残念なことに、年間ベストとしてはどこのメディアにも取り上げられず、SNSのAOTY(アルバム・オブ・ザ・イヤー)にも私以外で選出している方を2、3人しか見かけなかった。
まだまだ若い彼らだから、きっとこれから伸びていくと信じている。


洋楽編は以上。
ちょっと長々語りすぎてキモイかも…
と思ったので、邦楽編は手短にいこうと思います🫡

【邦楽編】


10位 THE UNION - Awich

アーティスト名の読み方は「エイウィッチ」沖縄出身のラッパーで、YENTOWN(ラップグループ)のメンバーでもある。昨年リリースの「Queendom」に続き、今作も様々なHIPHOPアーティストとコラボしている。巧みなボーカルと小気味よい歌詞が絶妙だ。親目線による主張が歌詞に捻じ込まれているが、妙に心に響くのは彼女自身が一児の母であり、また壮絶な人生の経験がそこに詰められているからだろうか。


9位 色即是空 - 人間椅子

「色即是空」とは仏教用語であり、「世の中に永久に不変のものはなく、どんなものでも流動的に変化する」の意。
HR/HMのサウンドに乗せ、おどろおどろしい歌と歌詞で斬り込んでいくのが人間椅子の音楽。和嶋さんのボーカルが妖怪チックであり、尚且つ芯も通っており説得感がある。
日々変わり続ける人間の心模様を映す歌詞が胸を打つ。
細かいことはさておき、何か元気がないときに聴くと力が湧いてくるのだ。他に類を見ない、奇妙でカッコ良い一枚である。


8位 New Neighbors - Homecomings

派手な演奏や華美なボーカルは一切なく、平坦なメロディがずっと続いている。そんな穏やかな「日常」が時として物凄く沁みることがある。Homecomingsの音楽は、忙しない日々からチョッピリ解放させてくれる緩さとノスタルジックさに浸れるのが良い。
メンバー若いなぁと思いきや、活動期間10年以上!フジロック出演4回!経験豊富な中堅バンドでさらに驚きでした。


7位 ひみつスタジオ - スピッツ

スピッツは小学生の頃から聴いてるのだが、実はリアルタイムでアルバムを聴くのは初めて(ずっとシングル曲のみ追っかけてたため)
アルバムを聴くとスピッツの凄さが改めて分かる。一曲目の「i-O(修理のうた)」では優しいメロディでしっとり和ませたかと思いきや、次曲の「跳べ」ではイントロから格好いいギターロックをやったり、中盤の「美しい鰭」は誰もが納得するアンセム的な曲であったり。
真似できそうで誰にも真似できない。
一声一音を聴いたら「スピッツだ」と分かる独自性を持っている。長年続いてるそのブレなささが幅広い世代に人気を博してる理由なのかもしれない。
あとは単純に日本人が好きな音なんだと思う。


6位 大人の涙 - マカロニえんぴつ

あの曲もこの曲も、マカロニえんぴつだったの?というくらい一度は耳にしたことがある楽曲だらけで驚いた。馴染みが深いとか、身近な音楽っていうのはそれだけで重要。そこに曲や歌詞の良さ、独自性が乗っかれば最強となる。
まだ若いのに円熟みがあり、かつ若者ウケするような面白さもある(歌詞や歌い方が尖ってる)
これがまだ2ndアルバムというのだから、今後どんな怪物に成長するかが楽しみである。


5位 12hugs(like butterflies) - 羊文学

前作「our hope」の出来が素晴らしく良かったので、今回もアルバムの期待値が高かった。先行シングル4曲(永遠のブルー、FOOL、more than words、GO!!!)の完成度は言うまでもないが、アルバム曲はそれに並ぶくらい珠玉の名曲群。スリーピースで奏でる重厚なサウンドに塩塚モエカの独特な低音ボイスが耳に心地よい。
塩塚さんのボイスは天性の才ですね。
洋楽チックな雰囲気を持つ声で紡ぐ日本語の歌詞はなんと美しいのだろう。


4位 あのち - GEZAN・Million Wish Collective

GEZANのメンバー4人+コーラス隊Million Wish Collectiveで織りなす壮大な物語。
反戦を唱え続けるGEZANの音楽がより強大なレジスタンスとなり世界に問いかける。何のために争うのか?過ちを繰り返すのか?
アルバムの真ん中に位置する「萃点」はそんな疑問や怒りとともに紛争の鎮まりを祈る切なさをも感じる。
一見、怒号に満ちた作品のようだが、多数のコーラスの影響か、包み込むひだまりのような温かさがある素敵な一枚。


3位 THE GREATEST UNKNOWN
                                    - King Gnu

前作「CEREMONY」から3年。その間に発表されたシングルは9枚(c/wを入れたら11枚)
その全てが何かの企画(ドラマ・映画・W杯など)とタイアップしており耳にすることも多かった。これ、アルバムが出たらベスト盤になるのでは?飽きさせずにどう聴かせるのか?と懸念していたが…天才・常田大希はやってくれました。各シングル曲の前に一つ一つプロローグのような曲を持ってきて、一曲ごとに成立する物語を作ってしまったのだ。まるで名作を詰め込んだ童話のように。
楽曲がいいのは勿論だが、曲の世界に入り込む手法としては完璧なのである。これはアルバムでしか表現出来ないこと。そしてベスト盤では絶対に出来ないこと。お見事!!!


2位 タオルケットは穏やかな - カネコアヤノ

カネコアヤノは聴かず嫌いというか、名前はよく見るけど今まで敢えて聴いてこなかったのだが。今作はまずジャケットに惹かれた。モノクロのジャケットにメイドさんのような後ろ姿…どんな物語が詰まってるのだろう?と開いてみたら、グイグイ惹き込まれた。子供のような無邪気で純粋な声、軽やかに弾むメロディ、強さと弱さを曝け出した真っ直ぐな歌詞。楽しくて心地よくて、うんうんそうだよねって共感しながら、気づいたら毎日聴いてた。
(あくまでも個人的な見解だけど)彼女の歌声を聴くたびに「日曜日(休日)っぽいな」と感じる。それは音楽から伝わってくる平穏さや安心感、優しさが常に流れているからなんだと思う。


1位 Bee and The Whales - Galileo Galilei

およそ6年の活動休止期間を経て、7年ぶりにリリースされた新譜。バンド名こそ知っていたものの聴く機会もなく今までスルーしてました。
先行リリースされた「色彩」を聴いてみたら、歌詞の良さと楽曲がマッチしててチョッピリ感動した(この時点ではまだチョッピリ程度)
同月にアルバム配信。聴いてみたら…見事に沼った。弾けるサウンドと優しい歌声、でもしっかりロック。聴くたびにワクワクしながら、心安らぎ癒され、身体のど真ん中に沁み込んでいった。
今年はTHE1975もたくさん聴いたのだけど、このアルバムは、THE1975ととても共通する部分があるなぁと毎回思っている。

希望が広がり、未来が切り開くような音楽で、聴くと心がパァッと明るく満たされた気持ちになる。
ダントツで今年最も聴いたアルバムである。


以上になります。

結局、邦楽も長々と感想を綴ってしまった😅
見づらくて大変申し訳ございません🙇‍♀️

総評として、一曲ごとに秀でてるものより、アルバムとして完成度が高い作品を選んでみました。また、サブスクで音楽を聴く時代だからこそ、一枚を何時間も、はたまた何日もかけてじっくり丁寧に聴いてきた作品は心に残るもの。
3位以上の盤は、1ヶ月間毎日何回も聴いてたものばかりです。

また、ここに選んでない作品やまだ聴いてないアルバムに関しても、世間の評価が高い作品が今年は本当にたくさんありました。

コロナ禍が終息した2023年は、音楽史にとっても非常に重要な一年となったことは間違いないです。
怒涛のアルバムリリースに加え、ライブやフェスを肌で体験してきたからこそ、戻ってきた日常に「ありがとう」と心底思うのでした。

とゆーわけで、

最後まで読んでいただきありがとうございました🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️

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