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ワインエキスパート<藁にもすがる>二次試験直前対策!【白ワイン編】

9月といえばもう秋! ソムリエ・ワインエキスパートの二次試験を受ける方はいよいよ本格的なテイスティング練習の秋、到来でしょうか。

タイトルの通りなのですが、今回は <藁にもすがる> 思いで二次試験突破を目指すワインエキスパート受験者に向けた正統派ではない対策です。

え? 正統派ではないってどういうこと? と思いますよね。

ずばり過去に出題された問題から「山を張る」勉強方法です!

これからお伝えするのは実際に筆者が二次試験の1週間ほど前から試験前日まで行っていた自宅での勉強方法で、これを実践したので短期間で一発合格できたといっても大げさではないです。

但し、あくまで筆者の経験談ですので、この方法を試したけれど、「山が外れた」「合格できなかった」などの苦情は一切受け付けられませんので、あらかじめご承知おきください

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どのくらいのレベルから短期合格を成し遂げたのか

山を張るとはいいましたが、基本的なこと** は知っているという前提でお話したいと思います

** テイスティング用語や主要ブドウ品種の特徴など。

筆者は一次試験が終わった段階でのテイスティングレベルはかなり低かったと思います。

受験年はワインスクールの受験講座に通っていたのですが、授業中はほぼ正解できなかったですし、一次試験が終わったあとに参加した二次試験に向けたテイスティングの講座でも変わらずあまり正解できていませんでした。

というのも、一次試験に合格しないと二次試験にすすめないということもあり、一次試験が終わるまで、家ではまったくといっていいほど、テイスティング練習をしたことがなかったんです(飲むと記憶に影響しそうなので、一次試験のために暗記を必死にやっていました)。

そして、普段使わない脳を短期間に酷使したのは想像以上にハードで、一次試験が終ったあとは燃え尽き症候群のようになってしまい、何もしないまま時間だけが過ぎ、二次試験の日が迫ってきたのです!!

筆者がJ.S.A.ワインエキスパートに合格した2014年は一次試験と二次試験のあいだが約1ヵ月ほどしかなく、いち早く準備にとりかかったほうがよかったのですが、一次試験終了後は仕事から帰ってきたら、ずーっとごろごろしていました。 どうにもこうにもやる気が出なかったんです。

ようやくやる気が出始めたのが二次試験10日前、自宅練習用のワインを用意し、テイスティング練習を始めたのが1週間前、いくらなんでもここから合格は無理かも・・・と思いながら、後悔しないようにやるだけやろう! と、山を張る策に出たのです。

なので、時間的に余裕がある人は、きちんと理論的に対策してくださいね(オススメです)。

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過去の出題品種(白ワイン)と2021年の出題を予想!

過去の出題傾向を理解するのはとっても重要。 筆者はまず、過去10年分を調べましたが、白ワインの場合は、2010年以前はほぼフランス、リースリングはドイツ、たまに日本のシャルドネとかなり偏っていたので、2014年時点ではあまり参考になりませんでした。

ですが、2011年からニューワールドと伝統国がバランスよく出題され始め、山を張るには興味深いデータが出ていると思います。

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まず、昨年(2020)のトロンテスは無視しましょう。 変化球なので、気にするだけ時間がもったいないです。

白ワインの場合は、以下3つからの出題が鉄板です

・シャルドネ
・ソーヴィニヨン・ブラン
・リースリング

この3つは2年連続で出題されることも多々あるので、昨年出たから今年はでない等の山は張れません。

次に注目は日本の甲州ですが、2019年と比較的最近出題されているので、今年は出ないと思います

また、2017年にはミュスカデが出題されていますが、その前は2007年の出題と10年ぶりの出題でしたので、こちらも今年はないと思います

変化球としてありえそうなのは、フランスのアリゴテ*** ですが、2021年は王道×王道の組み合わせでくるのではないでしょうか

*** 2019年にソムリエ受験者へ出題されました。 2018年にソムリエ受験者へ出題されたトロンテスが2020年にエキスパートに出題されたことから、可能性としては低くてもチェックするに越したことはないでしょう。

2021年の出題を勝手に予想! [白ワイン編]

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かなりの確率で出題されると思うのは「ソーヴィニヨン・ブラン」。

これは単純に昨年出題されなかったから。 2年連続出題されなかったこと(2016, 2015)もあるのですが、その前は2年連続出題されている(2014, 2013)ので、今年は出題の本命かなと思います

過去に、ニュージーランド(2019, 2014)、チリ(2017)、フランス(2013, 2009)と出題がありました。なかでもニュージーランド(以下 NZ)はソーヴィニヨン・ブランの世界標準ともいわれているので、確実にチェックしたほうがいいのですが、久しぶりにフランスくるかな~とも思っています

また、「リースリング×シャルドネ」のパターンでの出題も多い(2016, 2015, 2012, 2011, 2008, 2005)ので、結果的に白ワインの主要3品種はすべてチェックしたほうがいいです。

シャルドネが出た場合はアメリカが今年の本命でしょう。シャルドネが2年連続出題される場合、前年度に出題された国とは別の国であることが統計上ほとんどです。 樽香を感じられるように練習するといいですよ。

リースリングは出題回数としてはドイツが最多ですが、前回(2018)がドイツだったので、5年ぶりにフランスがくるかも(?)と思うのですが、オーストラリアも捨てきれないところ。

ドイツの甘口リースリングは1,000円台のワインでいいので、1本買って試験前日に舐めておくくらいで大丈夫。 実はこれで筆者はみごと山が当たり、試験会場で武者震いしました。 昨日飲んだワインと同じ感じ! と。

2010年から白ワインは出題されるワインのうち、ひとつが伝統国、もうひとつがニューワールドの組み合わせがほとんど(2019年は例外)なので、そのあたりも意識して回答するといいかもしれません。

ちなみにですが、生産国は「迷ったらフランス」でいいと思います。 赤ワインの出題との兼ね合いもありますが、やはりフランスの出題は多めかなと思います。

ちなみに筆者はこの迷ったらフランスで失敗したのですが(笑)、後悔はしていません。

NZのソーヴィニヨン・ブランが出題されたのですが、NZらしい少し厚みのある果実感や柑橘だけでなく、トロピカルな感じがなかったように感じたので、予想ではNZを思い描いていましたが、結局フランスを選んでしまったんですよね。。

この選択はテイスティングの経験値にもよると思いますが、筆者のこの当時のテイスティング能力は本当に低かったので、事前に決めていたことのひとつとして迷ったらフランスにしました(ただ最近の傾向からいくと、ソーヴィニヨン・ブランだけは迷ったらNZにしたほうが無難な気がします)。

テイスティングに自信のない場合は、自分なりの決めごとを持って試験に臨むと多少は緊張もやわらぐと思います

大事なのは練習の成果をどれだけ本番で出せるかだと思いますので、出題されたワインをその場で分析して、自分を信じて答えを出すのももちろんアリ(こっちが正当なやり方)です!

山を張るのは練習する時間がないからなので、困ったときの参考程度に考えてください

家での学習方法(テイスティング用語の暗記

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テイスティング用語をならべ出し、ひたすら暗記する。 特に共通のテイスティング用語を覚える。 これが筆者にとって一番役に立った方法です。

まず、試験で使用するテイスティング用語選択用紙と同じ順番で外観から主なブドウ品種までをA4のコピー用紙に書き出していきます

筆者は覚えたい項目順に書き出しましたので、順番は必ず同じでなくとも問題ないかと思います。

1枚のコピー用紙を3等分にし、3品種のテイスティング用語を書き出します(1枚で足りない場合は下に用紙を付け足していきます)。

今回の白ワインの場合だと、シャルドネ(樽あり)、シャルドネ(樽なし)、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングの4種類を作るといいと思います。

4品種目は横にならべてセロハンテープでとめます。要は一覧で見ることができるようにします。 似た特徴を多く持っている品種を隣にならべます。 

以下は「香り」の項目の一部を過去の模範解答を参考にいくつかテイスティング用語を書き出した表です。

よく使われているテイスティング用語を選んで書き出したほかに、補足として覚えたほうがよさそうな用語も記入しています。

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* 樽については模範解答を参考にした筆者個人の見解です(実際に試飲したわけではないですので…)

そして、共通のテイスティング用語を太字にしたり、色ペンを使って目立つようにし一覧表を完成させます。 これをすべての項目で行います。

これを覚えることで、試験で品種をどちらか迷ったとき、わからないときなどに、共通のテイスティング用語を選んでいくということをするわけです。

香辛料・芳香・化学物質の項目では、「石灰、火打ち石」はほぼ共通。 色ペンを使うまでもなく丸覚えでいいと思います。

とにかく多くの品種の回答にあてはまるものを暗記しておくという作戦です。

試験中は「合格したい!」という強い思いから、時間いっぱい考えて迷ってしまうと思います。 そんなとき共通のテイスティング用語を選んでおけば、たとえ最後の項目「主なブドウ品種」を外してしまったとしても、要所要所で得点を重ねていくことができます。

■ 模範解答はこちらのサイトを参考にさせていただきました!

家での学習方法(テイスティング)

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同じ品種で、伝統国とニューワールドを比較テイスティングします。

家ではブラインドなんてやりません(やっても当たりませんから。。)

模範解答を見ながらテイスティング用語にかいてある果実や花の香りなどを探していきます。

「外観」「味わい」などそのほかの項目も解答を見ながら確かめていきます。

練習用に試飲しているワインと過去の出題問題のワインは同じものではないので、模範解答のテイスティング用語が確実に練習用のワインにあるとは限りません。 模範解答は重要な参考資料くらいに思ってください。

ワインスクールに行っていた人は、答えが確実にある授業中に出たワインと同じもので復習するのもおすすめです。

ただし、ワインは3,000円台後半までの単一品種のワインを選んで練習してください。

これはワインスクールの先生がいっていたことですが、「試験に5,000円以上するような高いワインは出ない」「ブレンドしたワイン(ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンなど)は出ない」とのこと。

また、わからない用語はネットで調べた解説を「あー、これが菩提樹かなぁ」などなかば強引に頭に認識させていきます。

もうこれでもかというほど、覚え込みです!!

また、ブラインドテイスティングはやらないといいましたが、独学の方は本番に向けて、2~3回はやって慣れたほうがいいと思います。

できれば、ワインスクールの単発の講座を受講することをおすすめします(最新の出題傾向も聞けると思います◎)

家で練習するときは、ハーフボトルがおすすめですが、それでも余ったら、ワインは体のため、記憶のため、捨てましょう(合格したら心ゆくまで楽しんでください)。

■ 赤白入ってます! ソムリエ試験に最適 品種別飲み比べ ハーフボトル ワイン10本セット
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お時間のある人向け ~ もしかしたら出題されるかも対策 ~

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ここからは主要3品種はすでに押さえていて、時間的にも精神的にも少し余裕がある人向けの「やっておいたらいいかも」程度の対策です。

なので、本当に切羽詰まっている人は読み飛ばしてください。

昨年のトロンテスのような変化球が出題されるとしたらなにか? については、前述の通り「アリゴテ」だと思います。

過去2年間が以下のように出題されましたので、2度あることは3度ある(!?)という、かなりざっくりとした山です。

● 甲州: 2017年出題 ソムリエ → 2019年出題 エキスパート
● トロンテス: 2018年出題 ソムリエ → 2020年出題 エキスパート
アリゴテ: 2019年出題 ソムリエ → 2021年出題 エキスパート(?)

個人的には2021年は変化球よりも主要品種×2でくるのではないかと思っていますが、チェックはしておきたいところです。

ソムリエの2019年模範解答を丸覚えと、1本買って試験前日に模範解答を見ながら試飲する程度の対策でいいかと思います。

また、さらっと確認しておいてソンはないと思うのは、ゲヴュルツトラミネール

出る出るっていわれていて、出ないんですが(笑)、出たらもうけものなので(だから出ないのか!)時間があれば1回は練習します。

また、近年グリューナー・ヴェルトリーナーが出るのでは? といわれているらしいですが、筆者が受験生なら捨てます

今なら正解できるかもしれませんが、受験当時のレベルでは到底正解できそうにないからです。 おそらくですが、リースリングと迷いそうですし、やればやるほどわかならくなる可能性もありますので、主要品種以外なら自分にとってわかりやすい特徴のある品種だけを練習したほうがいいと思います。

テイスティング練習におすすめのワイン

3,000円台くらいまでの単一品種のワイン。 ニューワールドは1,000円台後半くらいのワインでも品種の特徴を掴むのに十分参考になります。

ソーヴィニヨン・ブラン

シレーニ(NZ)

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サンセール ドメーヌ デュ ノゼ(フランス)
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プイィ・フュメ レ・クロクルー(フランス)

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トリンバック(フランス)

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ラインガウ リースリング・フォルラーツ(ドイツ)

イーデン・ヴァレー・リースリング(オーストラリア)

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最後になりましたが・・・

この記事をお読みいただいている方のなかには、一次試験に合格している方もいらっしゃると思います。 おめでとうございます!

一次試験を突破しただけでもすごいことですが、ここまできたらあともう少し努力を続けてみてください。

もし、筆者のように一次試験後、やる気がおきない状態に落ち入っていたとしても、とりあえず二次試験対策用のワインだけは用意しておいて、いつでも練習にとりかかれる準備だけはしておいたほうがいいですよ(いつやる気が戻ってくるかわかりませんしね)。

さて次回は、<藁にもすがる>二次試験直前対策!【赤ワイン・その他のアルコール飲料編】を公開予定です。 お楽しみに!

※写真はすべてイメージです。

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