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アキのねこちゃん 🐈‍⬛

わが家には2匹の猫がいます。
4歳半の黒猫と、2歳のキジ猫です。

でも、息子の"アキ"に言わせると、わが家には3匹の猫がいるそうです。

そのもう1匹(?)の猫は、アキが3歳の時にわが家にやって来ました。
なので、もう7年近くの付き合いです。

きっかけは、夫の実家で同居をしていた折に、
家庭内での規律と順序にかなりこだわりを持つお義母さんからの言葉に、わたしがヒヤッとした事でした。

「アキくんは家族の中で一番後に生まれたのだから、何でも順番は最後なの。おじいちゃんから始まって、だんだんと下に。アキくんはお姉ちゃんの次よ。何でもその順番は変えてはいけません。」

わたしが子どもの頃も、家の中にそういった空氣はあって、お父さんが1番だったり、わたしは末っ子なので食事をよそってもらう時の順番は最後だったのを覚えています。

でも、「あなたはいつも最後ですよ。」と言われた覚えはなく。
逆に、1番下だから甘くしてもらった記憶もたくさんありました。

息子が3歳になって、娘と張り合うようになった頃、おばあちゃんからの言葉に疑問を投げかけていました。

「いっつも僕が最後って、嫌だな。順番変えてくれる時ってずっとないの?」

おばあちゃんの返事は、

"順番はずっと変わらない。変わるのはアキに弟か妹ができた時だけよ。"

でした。

わたしは台所かどこか、少し離れたところでそれを耳にして、
"息子の氣持ちをこのままにしておきたくないな。"
と思いました。

でも、お義母さんに相談をして解決できる事にも思えなくて。
どうしよっかな…と1人で考えました。

で、これでいこう!!と思った策が…
息子の服を買った時にポッケにくっついていた小さな猫のぬいぐるみに一役買ってもらうことでした。

猫のぬいぐるみにはおへそのところにボタンが縫い付けてあって、それがポッケの切り込みにはまって固定されていたので取り外し自由です。

ぬいぐるみをポッケから外して、息子の前で、

🐈‍⬛「アキくん、いつも色んなところに連れて行ってくれてありがとう!僕はね、世界で1番アキくんが好きだよ!!」

と、声色を変えて上手ではない人形劇をしてみました。
息子が嬉しそうで、反応がとても良かったのでわたしも楽しくなってそれを続けました。

🐈‍⬛「アキくんはやっぱりすごいなぁ。カッコいいなぁ。さすが僕の大好きなアキくん!」

🐈‍⬛「僕はね、ほかの誰よりも1番アキくんが大好きだよ。アキくんは僕に優しくしてくれるし、散歩に連れて行ってくれるから。アキくんといると幸せなんだよ。」

🐈‍⬛「アキくん、明日の幼稚園頑張ってきてね。一緒に行けないけど、僕ずっと応援してるよ。」

猫のぬいぐるみは常に息子ファーストです。
息子はその子の事を大好きになってくれました。

"ねこちゃん"

と呼んで、すごく大事に可愛がるようになりました。左胸にポッケのある服を着る時にはだいたいねこちゃんが入っていました。

たまに息子が居ないところでだけ、娘にも、

🐈‍⬛「さすがアキくんのお姉ちゃん!なっちゃんのことも僕は大好きだよ!」

などなど言っていましたが、今度は娘から、

「わたしもねこちゃんみたいな子がほしい。。」

と寂しそうに言われてしまったので、

"あ。そうなるよね💦娘が悲しくなってるんじゃ良くないな。"

と思い、キルトと綿で"ねこちゃん"風に、手のひらサイズの猫のぬいぐるみを作りました。

"私のねこねこちゃん"

と言って、娘もその"ねこねこちゃん"を大事にして可愛がってくれました。

ねこちゃんと仲良しな息子が小学3年生の頃、ねこちゃんが行方不明になりました。
最初は、ベッドの下にでも落ちちゃったかな。
くらいに思っていましたが、ベッド周りをくまなく探しても見つりません。

"これは外で落としてしまったんだな。"

と、わたしは内心諦めていましたが、息子は、

"家のどこかにいて探してくれるのを待っているはず。"

とずっと思っているようでした。
それからしばらくして、

「いちばんの味方だったねこちゃんがいなくて悲しい。つらかった時に布団の中で泣いてたのを全部知ってるのはねこちゃんだけ。」

なんて、そんな事を言うのでちょっとほおって置けない氣持ちになって…(わたしが蒔いた種的な部分もあり。。)
前にもねこちゃんがいなくなってすぐに検索をかけて探したものの収穫なしでしたが、
再度、メルカリで検索をしてみました。

……ねこちゃん、いた。
しかも、服付きで超良心的な価格設定🙏✨✨
(いや、80cmの服がメインでねこちゃんが付いてくるんだ。。)

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いたーー!


小躍りしそうになりながら、即決をして、出品者様にメッセージを送りました。
"このポッケにいる猫のぬいぐるみを息子が無くしてしまってガッカリしていたので、今回出会えてすごく嬉しいです。"と。

出品者様も面白がってくださり、
"息子さんが入れ替わりに気づかずに喜んでくれたらいいですね!こんなあったかいお取引は初めてで嬉しいし、私もドキドキします。"
と優しい言葉をくれました。

息子にこの服を買ったのは7年ほど前。
メーカーや、このメーカーを取り扱っている子ども服屋さんのページも結構見ましたが見つからなかった"ねこちゃん"。
もう同じ商品は作られていないのだと思いましたし、中古で出会えるのも難しいだろうなと分かっていたのに。。出会えた😂

綺麗に梱包されて届いた"ねこちゃん"は、わが家にいた"ねこちゃん"と全く同じ✨
でも、前よりも若干シャキッとしていました^^

学校から帰ってきた息子は、"ねこちゃん"との再会に目を輝かせて喜んでいました。

"ねこちゃんが前よりも少し元氣に見えるね"

と言うので、

"……エマールでデリケート洗いしたからじゃないかな?"

と言うと。

"あ、そっか!"
と納得していました🐈‍⬛✨

それからの日々も、相変わらず息子の
"ねこかわいがり" は続いています。

先日の息子のお誕生日。
プレゼントはサッカー関係かゲーム関係を希望してくるかな…と思っていたら、思っていた予算内で、まだ少し余裕があるものでした。

娘の買い物に付き合っていた時に寄った雑貨屋さんで、ふと見かけた"すみっこぐらしのお布団"。
娘と、
「これ、もしかして喜ぶんじゃない…?」
しばらく迷いましたが、買って帰りました。

息子にあげるプレゼントに添えて、
"ねこちゃんにもプレゼントね。"
と言って渡すと、いつもにない素直さで
「ありがとう!!」と喜んでいました😂
よかったよかった!!

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ぴったりサイズ

それまでは"パイの実"の箱にハンカチのお布団がねこちゃんの寝床でしたが、グレードアップです。

息子の"ねこちゃん"、もうわたしも夫も娘も、ただのぬいぐるみとは思えない存在になっています。

わが家の本物の猫の(いたずら好きなキジ猫)激しい遊びに付き合わされて玄関でうつ伏せに倒れているのも度々目にします👀💦
ちっちゃな両足がちぎれちゃってた時には、娘が即座に縫い合わせてくれました。
(息子は猫たちに対しても猫可愛がりなので、キジ猫にも怒れず、唖然としていました😂)

息子はいつまで"ねこちゃん"と、この温度感でいるかな?
最近ではわたしの人形劇が出る時もほとんどなくなりましたが、ちっちゃな息子との時間を豊かにしてくれた"ねこちゃん"は、わたしにとっても、これからもずっと可愛い存在だろうと思います。

*aob212さんのイラストをお借りしました。
ありがとうございます♪
猫の"伸び〜"の姿、だいすきです🐈‍⬛✨

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