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「労災保険請求を会社に手伝ってもらうときに気をつけることは?②」


今回も労災保険の申請について、会社に協力を求める時に気をつけなければいけないことをお伝えします。

事業主証明をもらえない場合

療養補償給付、休業補償給付などを申請する際に用いる請求書には、「事業主証明」の欄があります。
ここは会社側に記載を依頼することになるのですが、ここで会社側が協力をしてくれない、というケースもあります。

前回お話したような「災害の原因及び発生状況」について労働者と会社の認識にずれがある場合や会社側は労働災害と考えていないような場合です。

事業主は、本来は労災保険給付に必要な証明を求められた時には、速やかに証明をする必要があります(労働者災害補償保険法施行規則23条)。ただ、実際にはこのように証明に応じないという会社も一定数見られます。

このような場合、証明がないまま労働基準監督署に書類を提出し、証明が得られない理由を伝えることで、申請を受け付けてもらうことは可能です。

そもそも労災を隠そうとしている場合

また会社側がそもそも労働災害を隠す意図があることも考えられます。

例えば「治療費などは全て会社が出すから労災保険は請求しないでほしい」といって、労災保険の申請自体をさせないようにするケースも見受けられます。
そもそも労働災害が発生した場合には、所轄の労働基準監督署長に報告を行う必要があります(労働安全衛生規則 97条参照)。これを怠ったり、虚偽の報告を行うことは犯罪に当たります(労働安全衛生法 120条参照)。

ただ、会社によってはこのようなことを知りながらも、上記のように労災隠しを求めることもあります。
このような行為に加担してしまうことにより、きちんとした治療が受けられなかったり、補償が得られなかったりという不利益が生じてしまうことがあります。
このような場合には、速やかに労働基準監督署や弁護士に相談をすることをお勧めします。

まとめ

いかがだったでしょうか。
労働災害が発生した際に、労災保険の請求について勤務先が協力してくれればよいのですが、そこでトラブルが生じてしまうことがあります。
それにより、適正な治療や補償が受けられない、となってしまうと今後の生活にも大きな悪影響を及ぼしてしまいます。

そのような事態を避けるためにも、労災保険の申請に伴ってトラブルが生じた場合には、弁護士にご相談下さい。


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