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エッセイ

先日、急にエッセイとやらを書いて見たくなった。

世間はエッセイブームと言われる中、ズブの素人でもエッセイとやらをインターネットという異次元を介して発表できるのだから便利な世界である。
「散髪」に行きたくないが、行かざるを得ない心境は、そのインターネットとやらを介して、4人に「スキ」を頂くことができた。
4人から同時に思いを寄せられた経験がない私は、「エ、急にそんな。でも一番に言ってくれた人のことが。。」とかなんとかって、落ち着きを取り戻しながらも、宇宙に放り出された新人飛行士に手を差し伸べようとしてくれた存在に、とてつもなく安心し、歓びを感じたのである。
私が犬なら、シッポをぶんぶんと振り回していたはずである。
誰かに「スキ」をもらうことが、こんなにも嬉しくなるのだから、私も誰かに「スキ」と言いたくなるのも当然である。
人間というものは、こんなにも単純なのだと遠い目をして秋空を見てみる。
昔からそうである。嬉しいことがあれば、何か新しい物語が始まりそうな、主人公にでもなったかのような気持ちになる時がある。
「耳をすませば」のしずくにでもなれるように思えてくる。
窓の外を見ていると、怪しげな雑貨屋さんを見つけて、時計の修理を手伝うのである。
そこには、バロン伯爵が置いてあって、、。

「お待たせしました。」

抹茶のかき氷が来たので、現実に引き戻された。
そうだ、カフェにいるのである。
周りには「太った汚らしい猫」はいないし、お弁当を届けに行く途中ではなかったのである。

だから、物語が始まらなかったのである。
きっと、そうに違いない。

季節外れ感があるが今季初めてのかき氷を頂きながら、このエッセイとやらを書こうとしている。


隣の席には、「この場所、居心地悪いから席変えてくれないかな?」と店員に迫る二人席に二人で座るカップルがいる。
何か物語が始まりそうな気がしたので、観察してみると、すごく汗をかいている。

明らかにサイズオーバーである。

隣には「太った怖い人間」がいたのである。
物語は始まりそうもなかった。

なんだか分からないが、

しっかりと、そしてすぐに寂しく胸の高揚は落ち着きを取り戻した。

ただ、私の"季節外れ感"は無くなっていたので、非常に感謝しているのである。

宇宙には「#エッセイ」を名乗る随筆であふれている。
調べてると、ここにも3万件ほどが出てくる。
3万人もベテラン飛行士がいるのか。

「誰か。私のことスキって言ってよ。」と、大宇宙を寂しく彷徨う新人飛行士もいることであろう。

どの飛行士に「スキ」と言ってあげよっかなぁ~
、とかなんとか言いながら、
あのカップルに「スキ」を言えたらなと思うのである。

きっと、あのカップルも誰かにあげたくなる気持ちになってくれるであろう。


帰り道は、遠回りをして「汚らしい太った猫」を探して帰ろうと思う。


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