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18きっぷで祖父の墓まで#2

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本懐を果たす

岐阜まで来た。いよいよ墓参りである。

 余談だが、祖父の墓の場所は元々知らなかった。近くのよく遊んでいた場所が「農業なんたらセンター」で、片っ端からそれっぽい場所をあたって調べ上げた。
 墓の前まで来てそういばお供物がないなと思い立ち、コンビニを探した。ない。コンビニどころか自販機もない。大通りを長いこと歩いてようやくセブンイレブンに辿り着いた。遺憾である。
 墓参りをした。最後に祖父母の家に行ったのは中学1年とかなので、実に10年ぶりの再訪である。近況とか、この先のこととか、感謝とか、諸々を心のうちで唱えて墓参りは終わった。
 実家もちらりと覗いてみたが変わっていなくて安心した。唯一の懸念は父親がどうやら破産したらしいということだが、元気でやっていることを祈る。

高山へ

途中下車したとこ

 今回の旅は気の向くままがモットーで、それゆえに自由である。一方でろくに先のことを調べないがために、思わぬアクシデントもある。具体的には目的地の高山が想像の4倍くらい遠かったことだ。何をして過ごそう、と夢想していた時間は移動時間へと成り果てた。

 高山には古い街並みが広がっていて、美味しそうなお店もたくさんある。だが悲しいかな、到着した4時ごろは、朝から開いている店は閉まり、夜通しやる店はまだ開いていないという空白の時間なのだ。どうしてこうも地雷をピンポイントで踏み抜けるのか、我ながら意味がわからない。
 結局観光客のまったくいない辺りまで踏破し、腹をぺこぺこにしながら夜を待った。
 このままでは2日目がつまらん日になってしまうと思い、高い肉を食べることにした。飛騨牛のしゃぶしゃぶ、それに日本酒。
 外国人観光客の多い店で、カタコトの「ごちそうさまでした」「おいしかったです」が飛び交っていた。いい店だった。

 店を出ると雪が降っていた。関東とは違って、ふわふわとした雪だった。
 夜はぼーっとして過ごしていたが、無性に腹が減り、結局夜の高山へ繰り出した。飲み屋も多く、深夜でも店は開いている。

 無事高山ラーメンも食べ、2日目が終わる。
 明日は昼から名古屋に行くので朝7時の電車に乗ってまた電車で山を越えなくてはならない。計画性を放棄するとしばしばこういうことが起こる。

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