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高校野球とSNS

こんばんわ!第五回の今回は、高校野球とSNSについて、少しお話します。

SNSが日常的なものとなってきた現代。高校野球においては、甲子園に出場した選手のアカウントに応援メッセージを送ったり、テレビでは放映されない球場の雰囲気を感じることができます。

しかし、同時にそれらは「全世界を通じて誰でも見られる」という側面を持ちます。

今回はSNSを通じて高校野球で発生した事象を紹介します。

ケース1 2009年選抜 利府高校

まず最初に断っておくのは、ケース1はSNSではなく、「個人ブログ」で発生した事象ですが、SNSをすることと同じリスクを感じさせる事象のため、敢えて紹介させていただきます。

2009年選抜、宮城県の利府高校は21世紀枠で選出され、初出場ながらベスト4に輝きます。ところがその大会中、ある事象が発生します。

一回戦の対戦相手、掛川西高校の選手に対し、利府高校のある選手がブログ上で、「変な顔ばっか、昭和みたい」と侮辱する書き込みを行いました。

日本高野連は利府高校に厳重注意を行い、同校の全ての選手のブログを閉鎖。利府高校の校長が掛川西高校に電話で謝罪する事態に発展しました。

ブログを見た一般の方からも問い合わせが入り大きくなってしまったこの件、選手は反省の意を述べましたが、監督者の選手たちへの情報管理の対応について、課題が残る件となりました。

ケース2 2014年 東海大四高校

2014年夏に出場した北海道の東海大四高校(現東海大札幌高校)。

エースの西嶋亮太投手は、ボールをフワッと投げる「超スローカーブ」を投げることで注目を浴びました。

このスローカーブは、直後の速球と組み合わせることで、相手打者の球速の感覚を狂わせて打ち取る狙いがありました。この大会の一回戦では、優勝候補の福岡 九州国際大付を1失点の完投勝利をあげました。

ところが…

元フジテレビアナウンサーの岩佐徹氏が、Twitterで

「東海大四のピッチャーのスローカーブ…ダメとは言わないが、少なくとも、投球術とは呼びたくない。意地でも。こういうことやってると、世の中をなめた少年になって行きそうな気がするが。ハハハ」

とツイート。これが大量の批判を受け、個人ブログにて釈明。その後当該ツイートを削除し、西嶋選手ご本人に謝罪する事態へ発展しました。

Twitterは誰しもが自由に(もちろん、常識の範囲内ではありますが…)感想をかける場所。岩佐氏はご自身が持つ投球術への価値観を元に、西嶋投手のスローカーブを批判しました。

一人の大人の心ないツイートが、一人の野球少年を傷つける。SNSにおける「言葉を発したものの責任」を考えさせられる一件となりました。

選手に「届く」からこそ、我々も慎重に言葉を選ばなくてはならない。

でも、Twitterは選手の「気持ちそのもの」を見ることができる場所であることでもあるのです。

ケース3 2021年夏 米子松蔭高校

コロナ禍で行われた第103回大会。

鳥取県大会にて予選参加中だった米子松蔭高校ですが、予選中、学校関係者の一人が新型コロナウイルス陽性であることが判明しました。

しかし野球部に陽性反応者はなく、校長は県と協議して、次の試合の選手オーダー用紙を提出する午前8時10分までに保健所にて濃厚接触者の有無が確認できないため、提出時刻を送らせるよう高野連に求めましたが、高野連はそれを受け入れず、米子松蔭は夏大会を辞退せざるを得なくなりました。

県高野連による新型コロナ感染防止のための要領では「校内で患者が発生したときは、学校が臨時休校になることから、その間は大会参加できない」と定められており、同高は17日から臨時休校となることが決まっていました。要領には「保健所の疫学調査を踏まえ、専門家と協議した結果、参加できる場合もある」とただし書きがありますが、今回はその時間がありませんでした。

ところが、後日、米子松蔭の野球部 西村キャプテンのツイートが、世間を大きく動かします。

この悲痛な叫びはTwitterにて急速に拡散されます。


橋下元大阪市長、吉村現大阪府知事をはじめ、様々な著名人からも「何とかさせてあげられないか!」というメッセージが殺到。

この想いは、米子市長をも動かしました!

結果、米子松蔭の不戦敗は取り消しとなりました!

この出来事はニュースでも大きく取り上げられました。また、米子松蔭戦の不戦勝が決まっていた境高校も、米子松蔭の出場辞退取り消しのために声をあげてくれました。

米子松蔭と境の試合は最終回、米子松蔭がサヨナラ勝ちをおさめました!

選手のTwitterで綴った想いが、高野連を、世間を大きく動かしました。

終わりに

Twitterって怖いなと私は思います。

以前、私がいた界隈で、私はとあるフォロワーの「炎上覚悟」という言葉を含んだツイートを猛烈に批判しました。

結果、その批判を多数の人に批判されました。自分が向けた言葉の刃の鋭さを、見誤っていたのです。

しかし、Twitterは、言葉を、想いをしっかりとのせて伝えることで、相手との繋がりをより深くしてくれるものでもありました。

再び垢を作り、見苦しくもTwitterに戻ってきた私をフォロワーさんは暖かく迎えてくれました。

発した言葉の責任は、発したものにしか持てません。しかし、発した言葉を正しく相手に伝えることで、それは相手の力になり、これからを豊かにしていける力になり、自分をより成長してくれる力にもなるんだなあと思いました。

上の三つのケースも、普段SNSを利用している私達だからこそ、身近に感じる事象でもあると思います。

これからも、私は自分の想いをしっかりと、その言葉の意味を見つめながら、好きなように、好きな人たちと、SNSを楽しんでいこうと思います。

ありがとうございました。



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