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野球女子と甲子園

こんばんわ。今回は高校野球をフェミニズムの観点から少し話します(あまり深くはないのでご注意。)

1 はじめに

日本高校野球連盟は、大会規定にて参加選手の資格を「男子生徒」と限定しています。男女の体格差、硬球といった危険性の観点から、男女混成で試合をすることが想定されていないため、昔から甲子園は「男の子が目指す場所」というイメージがあります。

しかし、その風潮の中でも甲子園を目指す女子はいます。彼女たちは「マネージャー」として選手たちを支え、また試合になると精一杯の応援で選手たちの背中を押します。また、その中でも記録員としてベンチに入り、選手に近いベンチから声を張り上げる女子もいます。そして、選手と一緒に甲子園を目指すのです。

しかし、彼女たちは甲子園の「土」を踏むことはできません。


そして、男女差別に厳しい昨今、この高校野球における男女の差に「おかしい」との声は、元陸上選手の為末選手をはじめ、当然のように叫ばれています。

近年、この問題に一石を投じる出来事がありました。

2 2016年夏 大分高校の甲子園練習

2016年夏、大分県代表大分高校の甲子園練習。そこで大分高校の女子マネージャー、首藤桃奈さんが、甲子園での練習を手伝うために甲子園のグラウンドに立ったあと、約15分後に大会関係者から制止されたという事象が発生しました。

大会規定ではグラウンドに立つのは練習も含め男子生徒に限られていましたが、出場校に配布された手引きには、男女の明記がなく、ユニフォーム着用選手以外は禁止となっていました。そのため、大分高校は女子マネージャーでも問題ないと判断し、ユニフォームを着た首藤マネージャーを甲子園練習でグラウンドに立たせました。

大分高校と大会関係者の行き違いでしたが、世間では「時代錯誤」「男女差別」との声があがりました。

この騒動から、2017年春から、一部女子部員の一部が甲子園練習に参加できることとなったのです。

このとき私はまだTwitterを始めていなかったため、この話題がフェミニストと呼ばれる人たちの間でどう話題になったかはわかりません。しかし、今の時代この問題が発生したならば、彼ら彼女らは「高校野球の背景」もわからずに声をあげていたでしょう。

しかし、「高校野球の背景」を知ってもなお、声をあげる人たちはいましたし、私も声をあげていたと思います。

彼女たちにとっても、甲子園は憧れの場所であることには、「男子となんら変わりはない」からです。

そして2021年、甲子園を夢見る少女たちにとって、そして高校野球の歴史においても、大きな「進歩」がありました。

3 全国高校女子硬式野球大会史上、初の「甲子園」での決勝

1997年から開催されている女子高校野球の日本一を決める全国高校女子硬式野球大会、2021年の第25回大会の決勝が史上初めて「阪神甲子園球場」で行われました!

そう、野球女子が、初めて、「選手として」、甲子園の土を踏んだのです!


歴史的な決勝戦、神戸弘陵-高知中央は、神戸弘陵が着実に奪った得点を守りきり、高知中央を4-0で降しました。しかし、高知中央も随所にファインプレーを見せたりと、男子にも負けないハイレベルな戦いを見せてくれました!

神戸弘陵の石原監督は、「決勝を甲子園でやらせてもらうのは夢のまた夢。女子野球の扉が開けたと思う。」、小林芽生主将は「最高の舞台を与えていただいて、優勝できて嬉しい。」と笑顔で話しました。

長きにわたる甲子園の歴史に、偉大な、大きな「一歩」が、刻み込まれたのです!

終わりに

時代が変わるように野球は変化していき、高校野球も変化していきます。エース1人のチーム作りから継投を軸としたチーム作りなど、甲子園を勝ち抜く戦略はもちろん、今回のテーマのように、甲子園を取り巻く環境も変化しています。それは選手や学校はもちろん、それ以外にも変化をもたらしています。

2018年の第100回大会では、NHKラジオの実況で19年ぶりに女性アナウンサーが実況を務めるというニュースもあり、時代が変わってきたことを感じさせます。

甲子園は今や男子だけの憧れの場所ではありません。野球を愛する女子にとっても、憧れの場所であるのです。

選手、マネージャー、チアリーダー…目指す形は違うかもしれませんが、憧れの場所を、夢を追うことに男女の差はないと思っています。

願わくは、これからも野球女子が夢を見ることができるよう、来年以降も甲子園での試合ができることを、私は祈っています。





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