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北京冬季五輪 アイスホッケー予測の答え合わせ

北京冬季五輪,閉幕しましたね.時差も小さく放送・配信環境も整備されておりテレビ観戦しやすいオリンピックでした.

この記事では予測の答え合わせを行います.予測の記事はこちら.

この記事の時点では女子のみ予測していましたが,男子開幕後に「予測してないと各国の力量が分からんから観ていても面白くないぞ…」と気づいてしまい,慌てて半日かけて男子も予測しました.

振り返り:女子

予測結果です.

北京冬季五輪 アイスホッケー女子 予測と結果

横軸は実力評価値の差,縦軸は実際の得失点差です.予測正解は20/28,世界ランキングだと21/28なのでほぼ同等でした.較正値は1.20でかなり上位を過大評価.対数損失はなんと1越えの1.04でした.
(較正値:(優位チームの勝率の合計)/(優位チームの実際の勝利数) で定義される値.1を超えると実際の勝ちが少ない=上位チームを過大評価,を示す)

原因のほぼすべては開催国中国チームと,ここ数年のコロナウイルスです.

中国チームは帰化選手を多く活用し,代表チーム全員を一つのプロチームに所属させリーグに参加させるという強化策を講じていました.

また,アイスホッケーの各国代表チームは実力順に複数のDivisionに分けられて毎年昇格降格付きのリーグ戦(世界選手権)で対戦します.通常のシーズンであればこの順位≒世界ランキングで実力はほぼわかるのですが,2020年から2021年にかけてのCOVID-19蔓延に伴い,下位の世界選手権が中止になってしまいました(トップディビジョンは2020のみ中止).中国はDivision I Group B(実質3部)に所属しいたため,直近の国際試合の結果がほとんどありません.

このことから,直近の試合結果(対戦相手と得失点)のみを利用する提案手法では実力を正しくフォローできていませんでした.

試しに中国チームの4試合を除くと,正解率18/24,対数損失0.71まで改善され,通常の大会と似た精度になります.今大会の最大の驚きの一つが中国チームの躍進であったといえそうです.

日本チームについて.予測では「日本は2勝で決勝トーナメント進出が目標,3勝以上で躍進」としていました.中国は強化しているがそこまで強くなっておらず,残りの3試合で1勝できるかな?という予測でしたが,実際のシナリオがだいぶ異なりました.ただ,ヨーロッパのライバル国に対し3勝(延長勝利1勝を含む)して首位通過は素晴らしいの一言です.

(余談ではありますが,ランキング6位でグループBに入り,勝利を見せられたのは意図では無いにしても結果的には良かったのかな,と思っています.5位でグループAに入ってしまい強豪に負け続けてしまうよりは,競った試合での勝利が一般向けのアピールとしては悪くなかったように思います)

振り返り:男子

予測結果です.

北京冬季五輪 アイスホッケー男子 予測と結果

横軸は実力評価値の差,縦軸は実際の得失点差です.予測正解は17/30,世界ランキングだと20/30で世界ランキングがちょっと良いという結果でした.較正値は1.32でかなり上位を過大評価.対数損失は0.88でした.

過去の世界選手権との大きな違いはやはりNHL選手が出場せず,各国チーム構成の方針がかなり違ったことでしょう.その結果提案手法・世界ランキングともに予測が難しく,較正値が1よりかなり大きい結果となりました(上位チームの勝利数が予測よりかなり少ない≒上位チームが本来の実力の選手よりも劣る選手から構成されている).

開催国中国は男子でも単一チームでの強化戦略を実施していました.善戦は見せたのですが(ドイツ(ランキング5位)相手に2-3),女子ほどのインパクトは残せませんでした.

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