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ラグビーワールドカップ2023を予測してみました.

概要

  • 9月9日に開幕するラグビーワールドカップを予測しました.

  • 予測性能が高いランキングポイントに,試合間隔の影響を加味したモデルです.2019年大会も予測しました.

  • ホームのフランスが優勝候補筆頭.日本は前回大会に続きベスト8を目指しますが,現在のランキングの評価では2勝程度が現実的でしょうか.


ラグビーの公式ランキングポイントは信頼できる,という話

バスケットボールワールドカップで盛り上がっていますがなんと今年はラグビーのワールドカップもあります.しかも会期が重複!
4年前は日本開催.私が住んでいる愛知県でも試合があり,日本が初のベスト8進出を成し遂げたこともあり非常に盛り上がりました.

私はスポーツを過去の結果から統計的に予測する方法を研究しています.4年前も予測を公開していました.

ラグビーは公式ランキングの作り方がうまいこと,実力差が安定して反映されやすい競技特性であること,などが原因で,公式ランキングでかなり試合結果を予測できてしまいます.

それでは自分の独自性が無いな…ということで,4年前は「試合間隔」を考慮して予測モデルの性能をちょっと上げることに成功しました.ラグビーは原則1週間に1試合行う競技なのですが,ワールドカップ期間中はそれよりも短い試合間隔となることがあります.間隔が短いチームは体力が十分回復しておらず,不利になるのでは?と言われています.

2019年大会は45試合中38試合で予測正解.ラグビーは本当に番狂わせが少ないんですよね.2003年から2019年までの5大会について,横軸に(試合間隔を考慮した)ランキングポイント(大会直前),縦軸に得失点差を取った図を示します.

ラグビーワールドカップ ランキングポイント差と得点差

勝ち点のモデルを作る

これに加えて各試合の勝点を集計します.トライ数や得点差によってはボーナスポイントがあるので,全試合調べます.そうしてランキングポイント差と勝点の確率の関係を数式で近似して,これを予測モデルとします.じゃん.

横軸はランキングポイント差,縦方向の長さが各勝点となる予測確率です.これでランキングポイント差から試合結果の簡易なシミュレーションが可能になりました.

直接対決の勝率

予測モデルを作ったので,全20チームそれぞれの間の直接対決の勝率を計算できます.開催国フランスにはホームアドバンテージ(ランキングポイントに+3点)を考慮しました.ランキングポイント順にソートした図です.


縦軸が自チーム,横軸が相手チームです.「フランスはアルゼンチンよりランキングが下のチームに対して勝率90%以上である」と読んでください.日本(73.29)はサモア(76.19)までならいい勝負になるかな…という評価です.

大会予測

そして大会全体の予測です.各チームがどこまで勝ち残るかの確率を示します.大会のプール順に並んでいます.

ホームのフランスが優勝候補筆頭.優勝を争うのは事実上4チーム程度でしょうか.スコットランドはランキング5位ですが,同プールに1位と2位のアイルランドと南アフリカが入っているのがとても不幸です.というかAB組に強豪が偏りすぎですね.組み分け抽選が3年も前(2020年12月)なのでランキングがその後変動してるんですね.次回以降もうちょっと考えたほうが良いのでは?という意見も出そうです.

日本のプールステージでの予測勝率は,

  • イングランド:0.1824

  • アルゼンチン:0.1538

  • サモア:0.3423

  • チリ:0.9470

と算出されました.予測勝利数の平均は1.6勝程度.2勝できれば今のランキングからは成功,といえます.

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