そもそもJリーグ各クラブのスタメンの在籍年数ってどれくらいなの?

概要

・題名のままですが,Jリーグ各クラブのスタメンの平均在籍年数のデータを計算しましたよ,という記事です.予想した後にデータを見ると面白いかもしれません.

発端

グランパスサポーターのラグさん(@Lagty_in_2D)の記事が発端でした.

さらに大元の発端のツイートについては上記記事内をご参照ください.

記事で議論の対象になっているのは「選手の在籍年数の長短と応援したいかどうかの関係」であり,それに対して事実として「そもそもサッカーで長期在籍はまれだよね」,そして「組織の再構成のために仕方のないこともある(あった)よね」と述べられています.全くもってその通り,だと思います.

知りたくなったこと

上記記事を読んでみて,「そもそも選手の在籍年数の値ってぼんやりとしか把握できてないなぁ.」と気づいたのが,今回記事を書くにいたった個人的動機です.根拠となる数値がほしいのです.

結果

今日のお土産です.計算結果をご査収ください.データを見せながら記事を書くにはここは向いていないので,面倒ですがどこか別窓でデータを見ながらこの記事を読んでいただければと思います.スマホの方すみません.相変わらず「タイトル未設定」ですがエクセルへのリンクです.

算出した値は,「ある年のリーグ戦出場数上位15選手について,その年を含めてそのクラブに過去に在籍した年数の合計および平均」です.

(注釈(20190207追記) ここでの「在籍」は,「Jリーグのリーグ戦またはリーグカップ戦のいずれかに1試合以上出場している」と定義します.元のデータベースでは,リーグまたはリーグカップに1試合も出場していない選手はその年のエントリがありません.たとえば,楢崎選手は2018年にリーグ戦およびカップ戦いずれも出場していないため,ここでは「在籍」と扱えません.)

スタメン=出場試合が多い,という解釈です.「15人」は交代要員としてベンチ入りしているメンバーもある意味「スタメン」ではないだろうか,という意図を含んでいます.

具体例を示します.和泉竜司選手は2018年シーズン,名古屋グランパスに所属し,32試合に出場しました.これは出場試合数上位15選手に入ります.和泉選手の名古屋グランパス所属は2016年から18年なので,2018年時点で「在籍3年」です.データはおなじみJリーグデータサイトからいただきました(↓は和泉選手のデータ).

これを全クラブ全選手,1992年以降毎年計算したものが上のエクセルです.

直近の2018年では,上位から鹿島,C大阪,G大阪が平均5年以上で以下浦和,川崎F,...と続きます(ちなみに,Jリーグ史上最長のスタメン所属平均年数は2013年の鹿島で8.00年(!)です).やはり上位チームは長い傾向にあります.名古屋は諸事情ありまして(上記ラグさんの記事を参照),平均2.33年とJ1クラブの中では最短,その上は神戸(平均2.40年)です.

確かに選手をほとんど入れ替えてるからな・・・という印象どおりなのですが,J1からJ3クラブ全体の分布や平均を見るとちょっと印象が変わります.

全クラブの平均は2.89年.中央値もほぼ同じです.参入10年以上の36クラブに限っても,平均は3.28年です.このように,Jリーグクラブのスタメンの所属年数は平均約3年です.

どうでしたでしょうか.予測より長かったでしょうか?短かったでしょうか?もちろん,2.33年はやっぱり短いね,といわれてみればそうなのですが,各クラブそれなりに事情が異なります.組織の再構成のために人員を一新せねばならないこともあります.上にも書きましたが,平均5年を上回るチームはたったの3つです.ここ10年くらい通してみても,平均5年を上回るチームは多くて6程度であり,応援しているチームがそのように継続したチーム作りを達成できているというのは僥倖なのだと思います.

特定のチームの観点から特定のチームを見たときに違和感を覚えることはよくあることなのですが,客観的なデータが伴うと見え方が変わるかもしれません.ということで,まとまってないような気がしますが,今日はこの辺で.



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