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#空想世界コンピ vol.2 主催ライナーノーツ【Disc2】

おはこなばんわ~ こな a.k.a. ふくたらうです。
さて、タイトルにもある通り、本記事はM3-2024春にて頒布しました『空想世界コンピvol.2 Magia Electronics』の主催ライナーノーツ、その【Disc2】となります。
だーいぶ間が空いてしまって申し訳ないのですが、Disc1のライナーノーツを読んでからの方が、流れ的には好ましいかと思うので、未読の方はそちらからお読みになることをお勧めします。↓

Disc2も相変わらず濃い楽曲が集まっています。
楽曲数が多いのとジャンルも多岐に渡るコンピなため、なかなかどうしても、実際に購入いただかないと本当の良さが伝わらないのが非常に悔しいところですが、もしこれをたまたま読んでいてまだ購入してない方はこちらから↓
Booth : https://konadrop.booth.pm/items/5703605

当サークルの企画及び作品は、すべて同じ世界観を共有しており、今回の『空想世界コンピvol.2』でも同じです。
なので、今回のコンピに関係する世界観設定などはサークルHP等で多少知っているという前提でコメントさせて頂いていますので、まだ見ていないよという方は是非HPをご覧ください。
https://www.7tono-project.com/world

↓↓↓↓↓↓前置きは以上!それではどうぞ!↓↓↓↓↓↓



- アンドロメダブリッツ -

18.Voltage Up / 05.

Disc2、トップバッターはアンドロメダブリッツの楽曲群。アルタークロスが外部との交通拠点であるならば、アンドロメダブリッツはメトロマギア内の交通網として発達した巨大なターミナルで、それゆえに多くの人が行き交う場所。

その1曲目が05.さんのVoltage Up。
エスニック風に味付けされたダンサブルな曲調が非常にカッコいい。駆け出しの疾走感としてはこの上なく最適だったので1曲目にさせて頂きました。
ありがとうございます。
なんでかサイバーパンクというとエスニックなイメージもありますよね。エセ中華、エセ日本、ブルガリアンボイス(は恐らく攻殻機動隊の影響な気はしますが)とかとか……
途中に車の走行音をモチーフにした効果音なども入れて頂いているのが好きですねぇ。楽曲中に効果音を入れる手法がメチャクチャ好きなんです。
あと、イギリス民謡フレーズも入れて頂いたりと、随所にわたり拘りポイントが見受けられて非常に良かったです。
多種族雑多な街というイメージに非常にマッチしたエスニック感と、ハイウェイらしい疾走感を感じられる楽曲だと思います。

19.Nebulous Junction / SunnySeiron

2曲目はがっつりサイバーサイバーなSunnySeironさんの楽曲。
4ビートに乗せて、めっちゃくちゃオシャレなピアノサウンドのキラキラと舞う感じが、まさに行き交う車のライトを想起させます。
イントロの段々加速していく感じとか、55秒以降からどんどん雰囲気が変わるところも非常にカッコよくて、全体的に光のコントラストを描いたような煌びやかさがとても良いですね。夜のハイウェイに煌めくライトやネオンの明かりのイメージがドンピシャで表現されているんではないでしょうか。
若干アジアンテイストなメロディスケールなのですかね、若干そんな雰囲気も醸し出しているのが良いです。

あと、ブックレット用に寄せて頂いたコメントがシンプルながら超カッコいい。アンドロメダブリッツは例えるなら本当に立体迷路ですね~
星雲に喩えるのもオシャレだし、ワードチョイスが詩的でとても好きです。
ありがとうございます。

20.on the Andromeda / Eraser

アンドロメダブリッツ3曲目がEraserさんの楽曲です。
まず言わせてください。

「二胡」いいよね!

ということで、この楽曲は二胡という中国伝来の楽器がフィーチャーされていまして、民俗楽器ダイスキな人は歓喜でございます。
05.さんもそうでしたが、アンドロメダブリッツは意外にも民俗色が強くなりましたね。SunnySeironさん的なアプローチに偏るかなーと思っていたので、これは嬉しい誤算です。
ブックレットコメントによれば、ある2人の二胡奏者を描いた楽曲だそうで、ちゃっかり他ランドマークも絡めて頂いているのがうれしうれし。
ただ、だからといって二胡ごり押し!というわけではなく、テーマに即したサイバー感というのをベースに据えながらの軽やかなメロディが、まさにハイウェイを走る車のような印象です。

イントロのエレピがめっちゃオシャン……どぅん、だん、どぅん、だっだーん…..的なリズムもなかなか癖になる良さがあるんですが、裏で鳴ってるオブリがさりげなーくかっこいいのがよき。
基本的にはポップな印象ではあるんですが、きゃぴきゃぴした感じではない抑え気味の明るさ加減が絶妙で、夜のドライブらしい艶やかさを感じます。

- 高級街オブリジエ -

21.Marie Brumeuse in the fog / こな a.k.a. ふくたらう

お次は高級街オブリジエの楽曲群。
はい、ぼくの曲でございます。

Marie Brumeuseはマリー・ブリュムーズと読み、ある人物の名前です。
(詳しくはブックレットをご参照ください)
Disc1ライナーノーツでも語った通り、<ロンドン>もひとつのテーマとなっていたので、「ロンドンと言えばスモッグ⇒霧だろう」という安直な連想からイメージを深掘りしていきました。
なので、全体的にボヤっとした音色を多めにしつつ、マリーの人物像みたいなものを上手く表現できればいいなと思って制作しました。
まあ、あまり自分の曲をここで語るのもあれなので、これについてはまた別の場所で書こうかなと思います!

22.無価値の音楽 / ⎳-メン

さて、続いては⎳-メンさんのチルい楽曲。
1曲くらいはあるかなーと思っていたLo-fi系、ここで来ましたね~。
オブリジエは高級街という通り富裕層の街なので、まず始めに思うのが「高級そうな"オシャレ"サウンドとはなんぞや?」だと思います。その答えのひとつとしてLo-fiを選んだのはアリ寄りのアリです。初挑戦?らしいのですが、それでこのクオリティは流石の一言。ありがとうございます。

ただ、普通のLo-fiサウンドではなく、ストーリー性を持たせることで”空想世界コンピならでは”の音楽になっているところがグッドですね。
チャリーン、チャリーンと曲中で響くお金の落ちる音。サックスを吹くミュージシャン。そのお金は「ただ落ちただけ」で、音楽への対価ではない……
なんとも考えさせられる楽曲でもありますねw
ちょっと設定面にも触れておくと、仮想世界であるキャンバス大陸は<魔法とともに芸術が規制された世界>としているのですが、ここでいう芸術とは「人々を扇動しうるものか?」というところが焦点になってきます。つまりは、芸術の力をもって人々を動かし、行政の妨げになることを防ぐためなのですが、その点で見るとこのサックス奏者の音楽はきっと、これに当てはまらないのでしょう。ぼく自身がテーマとしている<音楽の存在意義>に図らずも?重なるところがあるのは胸アツでございます。

- ローレライ歓楽街 -

23.Entertainment district gate / Oldboy from Japan

ローレライ歓楽街は、正直ぼくが想像していたものとは少し違う感触で、なるほどなぁ~~という印象が強い楽曲群になりました。
詳しくは各楽曲で触れるとして、まずはOldboy from Japanさん(OSAMarUさん)の楽曲です。

前回もそうだったのですが、OSAMarUさんは世界観の表現がメチャクチャ上手いです。楽曲は1分ちょっとなのですが、音色やリズム、空気感による演出が非常に凝ってらっしゃるなと。
歓楽街という響きだけ取ると、ガヤガヤ騒がしい賑やかな雰囲気を想像しますが、楽曲自体はそういうアプローチではなく、どちらかというと少しお高くとまったような大人の雰囲気。
というのは、おそらくローレライの設定をしっかりと反映頂いた結果だと思うのですよね。(詳しくはブックレットやサークルHPなどで)
だからこそ世界観の表現が非常に奥深く感じます。ありがとうございます。

ぽっぽっぽっっぽっっぽっ♪と一定のリズムを刻むシンセ音が可愛らしく、どことなく楽しいショッピング感がありますし、全体的にサイバーチックな雰囲気を意識してくださっているので、実はあとの2曲に凄く良い感じに繋がっているなーと思います。

24.Born 'n' raized / Escarmew

ということで次はえすかさんです。
いやまさか、えすかさんにご参加いただけるとは思ってもみなかったんですよ。ありがとうございます。

アイリッシュ調のミドルテンポな楽曲なのですが、ふいー↑っていう笛がねぇ、良いですねぇ…..なんか民俗音楽独特の程よく気怠い感じ……(伝われ)
あとね、メロディ吹いてるフルートの息遣いが入っているのがメチャクチャ良い。良いしか言ってない。良い。
今回のコンピ、特にDisc2はかなり民俗色が強く出ている気がしますが、この曲は完全に民俗調ガン振り。これがOSAMarUさんの楽曲と続けて聞いた時にジャンル間のビビットを感じられて、「あ、これ合わせて聞いたらめっちゃ歓楽街だわ」となりました。

ただこの曲、ちょっと考察が必要で、何を表現した曲なのか、ブックレットのコメントも明確には書いてないのです。ねずみから何が生まれ、育つのか……?まさに空想が膨らむ余白加減……!!

25.舶来商店ローレライ支店 / 石原けいこ

いやまさか、けいこさんまでご参加いただけるとは本当に思ってもみなかったんですよ。(ほんとに)ありがとうございます。

こちらも続いて民俗調ですが、中華っぽいイメージが強めでしょうか。これもまた非常にコントラストが効いてて良いんですよね……
なんなのこのエリア、最高じゃん……

舶来という言葉から分かる通り、異国の商品を扱っているお店ということですが、まさかの”支店”!!これは今後の設定にも活かせそうというか、次のコンピでも是非”支店”を作って欲しい…….(

緩やかな出だしが古物商的な印象を醸し出していますが、途中からテンポアップする部分では、まさに船に乗って運ばれてくる情景みたいなものまで感じ取れて、緩急の付け方が巧妙で完成度が高いなと思いました。
ふんわりと入っているコーラスがお店に漂う”匂い”のようにも感じて、よくそういうお店に行った時のお香みたいな匂いあるじゃないですか。(あるんですよ。)そのイメージが凄く湧いてきて、実際に雑貨屋さんとかに行きたくなります。
こうした空気感を作るのが本当にお上手…….

- クロックヤード美術・博物館 -

25.翼を折られた天使のためのヴォカリーズ / のーふ

次のエリアは美術館兼博物館であるクロックヤードの建物。
のーふさんの楽曲は美術館に展示されているある美術品をモチーフにしています。
建物から発想を飛ばして、そこに展示されている美術品をテーマにしてしまう空想力が素敵。しかも、ただの絵画とかではなく石像というチョイスにセンスが現れていますよね。
のーふさんはDiscord内でも積極的に取り組んでくださっている感じが伝わってきて、結果的に凄く良い楽曲に仕上げてくださいました。ありがとうございます。

まず足音が聞こえて、いまその目の前に立っているかのような演出がまず鳥肌もの……。そして聞こえてくる女声ボーカルとストリングスがもう美術館っぽい。掴みバッチリのイントロです。
さらにリズム隊のスチームパンク感が合わせってくることで、中世ヨーロッパのような雰囲気がぐわっと広がっていきますね。

後半2分あたりからグッと妖艶さを増すボーカルがたまらなく良いし、最後もボーカルソロで締めるところに、タイトル通りのこだわりを感じられました。

25.クロックヤード館長の私室 / いえり

さて、そんな力作に負けず劣らず(競っているわけではないですが)な、いえりさんの楽曲。
こちらも建物から少し発想を飛ばして、館長の部屋に舞台を移します。
思うのですが、のーふさんもいえりさんも、施設そのものの音楽を作っているわけではないのに、不思議と全体がどういう場所なのかがはっきりと浮かんでくるんです。テーマに沿った楽曲だけでなく、その場の雰囲気すらがっちり掴んだアレンジは脱帽ですね。

出だしから怪しさ満点……館長、どんだけ闇の深い人間なんや…..と思わせつつ。チェンバロとヴァイオリンの掛け合いなど非常にクラシカルで、きっと西洋風の装飾が施された豪華な部屋なんだろうけど、ちょっと埃が舞っていそうで、部屋に入った途端ムービーイベントが発生しそうだな…..と妄想してみたり。館長自身の身なりや人物像なんかも見え隠れしている気もします。
後半のメロディは艶やかな部分もあり、怪しさの中にどこか物悲しい感じも漂ってて、単純に”悪い”人ではないのかな?なんてことも考えたり、なかなか考察がはかどる楽曲です。ありがとうございます。
ちなみにメチャクチャ細かいところで、1分59秒あたりで入るチェロかバスの低音がね、好きですね。

- 錆の溜まり場(配管街) -

25.Unknown Complementer / Shell

ここからは錆の溜まり場、配管が張り巡る地下街の楽曲群です。
トップバッターはShellさんです。
”配管”をイメージさせるパーカッシブな金属音が特徴的で、シンプルな構成ながら錆の溜まり場らしさが存分に出ている楽曲だなと思い、1曲目に持ってきました。
スチームパンク感をどう出すかというのは非常に難しいところで、そもそも音楽のジャンルではないわけなので、それっぽさをどうにか表現する必要があります。そのひとつの手段として、こういう金属音とか機械音は非常に効果的なんじゃないかなーと個人的に思います。

そして、ブラスの低音が訝しい空気感を演出していて、それでいてどこか力強さも感じる……錆の溜まり場は「貧しい人や社会的にはみ出し者とされた人が最後に行き着く場所」という設定なのですが、そんな人たちが懸命に生きている様のように思いました。
ストリングスのメロディも暗めではあるのですが、途中一瞬明るくなったりするのが、地上から差し込む一条の光にも感じて、凄く良い世界観が広がっているなと思います。ありがとうございます。

25.Rusted Yard / Nunchuck Gorilla

アコースティックギターだけで構成されたお洒落な一曲。
ヌンチャクゴリラさんといえば、アコギですよね。
ぼくの勝手な印象ですが、アコギってこういう荒廃感を出すのにはもってこいの音をしているというか、埃とか砂とか塵っぽい感じで、ノスタルジーなイメージが非常に強いので、このエリアを選んでいただいて本当に良かったと思っています。ありがとうございます。

こちらも錆の溜まり場ならではの雰囲気を存分に表現して頂いている感じがします。が、後半からの突然の変化。そんな急に変わっちゃうの!?と最初は驚きでしたが、いやはやとてもドラマチックでカッコイイ……
前半はドラム缶の焚火の前で一人、スクラップのギターを弾いているような感覚なのですが、後半はそこからバッと視点が変わって錆の溜まり場全体の情景、特に地下市場のような場所を妄想してみたりしました。皆さんはどんな風景が浮かぶでしょうか?
一度に二度美味しい、まさにそんな感じの楽曲です。

25.Collage / Cult Teacup

さて、錆の溜まり場の最後はCult Teacupさんのジャジーなドラムンベース。(あってる??)
ジャンルがジャンルなだけに疾走感満載ですが、Collage(コラージュ)というタイトルから、何となくスラム街を彩る無名のアーティストの絵画なんかを想像してみたり、それをバックにチョイ悪な人たちがダンシングしてそうな感じがしたり、その場所に根付く文化みたいなものを感じ取れる1曲なのかなと、個人的に思います。なので、前の2曲に比べるとより住民の生活や文化にフォーカスした印象ですかね。

1分25秒くらいからのシンセベースの刻みが好きですね……というか、1曲通してベースが印象的な楽曲な気もします。ウォーキングベースっぽいノリもありつつ、オブリやカウンターもこなすテクニカルなベースラインというか。ここまでアグレッシブに動くベースも珍しい気もしますが、ジャンル的には普通だったり?
うん、詳しいことはわからんがつまりはかっこいい!(投げるな)

- ジグラート(part2) -

25.Aggregate / Ryuroido

さて、とうとう終盤です。
ジグラートからRyuroidoさんの楽曲。このいかつい!感じは僕の中のRyuroidoさんらしさ満点でございます。
ゲームでいう終盤の敵の研究施設に潜入してる時のダンジョンBGM的な印象。(やっぱりゲーム脳)

ひたすら同じテンポで刻み続けるダーティ&ブーミーなキックサウンド。こういうジャンルは疎くて詳しいことは分からないのですが、音色がまさしくジグラートに潜む闇のようなものを直球に表現しているし、キックの上にどんどん展開していく音色がメチャクチャ好きで、この音のレイヤーも含めて、継ぎ接ぎで巨大化していった摩天楼ジグラートそのものだ!と感じました。個人的に2分52秒ぐらいからのカランカラン鳴っている音が凄く好きですね。
何も考えずに作ると単調になってしまいそうなところを、テクスチャー・レイヤーの変化や音色・リズムの変化によって多彩に見せているのが凄く上手いなぁと思います。だってこれ8分もあるのにずっと何かしらの変化があって飽きないんだもの。あっぱれです。

25.The Evil of Zigratt / くろ

ジグラート最後の曲はくろさんです。
どんどん闇が濃くなっていきますな……

タイトルからも分かる通り、ジグラートに潜む”悪”そのものを表現した一曲。Ryuroidoさんの楽曲とはまた違った禍々しさがありますよね。厳つい音色というより、ハーモニーによって生み出されるオーラが非常におどろおどろしてるというか…..
イメージとしては割と強めのボス曲の立ち位置に感じたのでトリ前に持って来たんですが、Ryuroidoさん(フィールド)→くろさん(ボス)でひとつの流れみたいなものを表現しているつもりではあります。
<ナナとの>の世界観では魔物的存在もいる設定なので、これが人的EVILではなく……なんて解釈も出来そうだなと…….
そうそう。1分35秒のカプシュみたいな缶ビールの蓋を開けるような音は、まんまその通りなのか、はたまたそう聞こえるだけなのか…….いずれにしても良い音のフックになっているなと感じました。

ちなみに、くろさんは当日の売り子もしてくださったり、他の面でも大変お世話になっているお方でありまして、この場を借りて改めて感謝の意を表したいと思います。いつもありがとうございます。

- ダウンタウン(part2) -

25.霧烟る街 / Yusaqu feat.幻奏法師

さあ、ついに最後です。
大トリはYusaquさんのダウンタウンをイメージした楽曲。
ある種、このコンピのテーマ曲でもあり、メトロマギアという都市そのものを表しているとも言えそうなくらいピッタリな歌詞。楽曲自体は始めからコンピ用だったわけではないらしく、それでいてこの世界観のマッチ率は凄いなと純粋に感動しました。ありがとうございます。
始めに聞いた時からこの曲は頭かトリかどちらにしようと悩んでいました。
最終的には大トリに持ってきたわけですが、それはやはり、ここまでの楽曲を聴いて頂いたうえで、改めてダウンタウンというメトロマギアの中心地を想起しつつ、壮大な物語の終着点として歌詞を味わって欲しいなと思ったからです。

楽曲はワルツ風の歌もの。なぜだかこういう曲は雰囲気だけでスチームパンクっぽいセピアな色味を感じますよね。
アコーディオンがめちゃくちゃカッコいいアクセントになっていて、ひたすらにお洒落。オーソドックスな構成ながら、各楽器の美味しいところを感じられるアレンジがとても良いです。
あと純粋に歌声が素敵……幻奏法師さんは初めて知ったアーティスト様ですが、楽曲とも非常にマッチしていて凄く好きです。

歌詞も書いておきたいことがあるのですが、
「それでも今日もこの町は働くらしい」
「いつもと変わらない日常がやってくる」
「霧の深い街蒸気」
「世界の外へ行きたくはないかい?」
このあたりがダウンタウンの低階級層らしい雰囲気が漂っているんですよね。ご本人曰く「飛行船を作って空へと旅立っていく」という設定もあるそうで、これはなかなか空想がはかどるぞ……
「僕らは鮮やかな世界を夢見たんだ」
「うたかたの楽園」
「真実の閉ざされている箱庭」
という歌詞はまさにローレライ歓楽街そのものな気がして、ダウンタウンに住む少年がローレライ歓楽街にあこがれる歌とかいう設定を勝手に思いついたり~みたいなことをYusaquさんとチャットで話していたりしたのですが、とにかく歌詞が良いんです。ブックレットに全文載せていますが、掲載に当たってはこちらからお願いしたほどです。
最高の1曲をありがとうございました。


ということで、空想世界コンピvol.2の主催ライナーノーツは以上となります。
もしかすると的外れな感想を書いているものもあるかもしれませんが、主催視点で感じた純粋な感想であったり、感じたものをひたすらに書き連ねているので、なにとぞご容赦頂ければ幸いです。

空想世界コンピは多くの方に支えられて成立しているコンピレーションアルバムです。これからもまだまだシリーズとして続けていきますので、既に参加いただいた方も、購入いただいて興味を持っていただいた方も、あるいはたまたまこれをお読みになった方でも構いません。
是非とも、次回の<空想世界コンピvol.3>にご参加いただければいいなと思っています。
人の抱く”空想”の壮大さをもっと発揮して、都度進化していけるように。
今後とも、応援のほどよろしくお願いいたします。


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