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私の本棚(鬼リピ&ヘビロテしてる、私的バイブル)

 そういえば、今まで私は「noteでの自己紹介」的な文章を書いたことがないのかもしれません。ちょいちょい経歴とか体験は載っているかと思いますが。
 先日、X(ことTwitter)で、自分で購入した島田裕巳さんのご本の書影を投稿して、「私の持ってる本って、宗教について書かれた本が割と多いな」と思ったので、読書傾向をさらすのも一種の自己紹介になるのかも、と思ったので書いていきたいと思います。
 気が向いたら「私の本棚」というタイトルはリサイクルできそうな感じなので、今回は「鬼リピ&ヘビロテしてる、私的バイブル」というテーマで何冊かご紹介しましょう。
 古いご本が多いですが、ご興味を惹かれた方が購入できるよう、Amazonリンクで埋め込みすると便利らしいので活用しています。(kindle無料コンテンツになっているものもありました)

 世界の三大宗教っていうと「仏教・キリスト教・イスラム教」かと思いますが、10大? 日本にそんないっぱい宗教あったっけ……?と思って手に取ってみたら、小学生の頃通ってたお習字教室で毎月配ってた小冊子「家の光」も宗教関連だったのかーみたいな知見を得られたほか、一番印象深かったのは「●●にはかかわらないでおこう」という、著者の深い嘆息のような一文でした。これがあるだけで、もうこの本を読んでよかった、オモシロかったと言えます。
 ぜひ読んでみてほしいけど、いかんせん情報が古いので、も少しアップデートされたご本をご所望の方には同じく幻冬舎新書の『平成宗教20年史』がよいのかもしれません。私もちょっと誘惑されています。

 過去から現代においてまで、戦争の理由に絡むのはだいたい「宗教」か「カネ」だと思っています。世界の人を日本に居ながらにして理解するためには、世界の宗教に触れておいてもいいんじゃないかな……と思って買ってみました。
 刊行年(2006年)にはmixiでSNSブームはありましたが、まだTwitterのようなミニブログはなかったので「100文字で情報をまとめる」お手軽さは、目新しく映った気がします。宗教以外にもいろんなジャンルの100文字解説本はありそうです。
 なにより私は星新一のショートショート「世界のジョーク集」「アシモフ博士の雑学コレクション」で読書経験値を荒稼ぎしてきた女。サクサク読める読み物大好き人間だったので、とりあえず買いました。
 見開き2ページの右半分に100文字解説、左半分に登場する用語や歴史的背景の詳細解説や挿絵・図版などで補足するスタイルで、世界の3大宗教とプラスアルファで大きく章立てを分けて、各宗教とそこから派生した宗派の解説や特色を網羅しています。
 実際に読んで思ったのは、100文字に収められない内容の解説は分割して何ページも続いていくので「この世には100文字じゃ説明がつかんものもある」ということが分かりました。ムリして暴論で100文字にまとめたりしない姿勢に「できねーのかよー」とクレームつけるのは簡単ですが、何パートかに分割してでも誤解なく伝えようとする努力は親切心から生まれていると思いたいです。

  初版が1983年で、私持っている本は1993年の第三版でした。Amazonで検索したところ、講談社から出版社がかわって新装版(2018年・大法輪閣刊)も出ているようです。個人的には、表紙カバー・折り返しに書かれたすべての文字が貴重な人生のヒントとなっている(と私が思っている)講談社版を推したいです。
 落ち着きがなかった高校生の頃に書店で出会って購入し、「自己を顧みる時間を作るって大事でぇじだな!」と自宅リビングで家族に白い目で見られながら座禅行を実践したのは青春の黒歴史。
 その後、就職と転職での数回の引っ越しの際に本を紛失して、20代半ばの頃に再購入したものだと思います。この体験で「大事だと思った本は、引っ越しの時に安易に捨てないこと!」という経験則を得られたと思います。
 大森曹玄師という人がどんな人かは置いておいて(ググってください)、この本は「座禅」の教本として始まっているわけですが、その事前準備として数ページにわたって「心身をどういう状態に調えておくとよいのか」ということから教えてくれます。ここだけ読めば、だいたいの自己啓発本は要らなくなる気がします。
 注目のキーワードは、割と早々に登場する「体験の教育」かと。大森氏の言葉を、自分がどう理解していくのか。教わったように体を動かしてみて、その時感じた気持ちの根っこはどうだろうと反芻してみることで、自省や自己分析の訓練になったような気がします。
 まずは姿勢を正して座り、目を閉じ、力を抜いて瞑想してみよう!

 今までに登場してきた中で、一番ヘビロテしている「私のナンバーワン・バイブル」なのが、亀井勝一郎先生の『黄金の言葉』です。
 人生における各種テーマごとにピックアップした、古今東西の偉人たちの言葉の解説集みたいなものですが、何回読んでもとてもよい。

 そもそも亀井勝一郎先生との出会いは、国語の教科書に載っていた『大和古寺風物誌』の「塔について」を読んで、この人の文章なんかすげえ!と心動かされ、この人の教科書に載ってない本を読んでみたい!と思っていきなり書店に行って本を買おうとしたことに始まります。
 そこで『愛の無常について』『人生論・恋愛論』を立て続けに読んで、見事に私は亀井勝一郎先生に帰依したのです。
 その後『青春論』を買うか……と書店で立ち読みしたところ、「なんかコレは思てたんとちごた……」にはなりましたが、気に入った本があるなら何回でもそれを読めばいいじゃない!という方針でずっと推しです。
『愛の無常について』で最終的に結ぶ「愛とは凝視である」という結論にもあるとおり、亀井先生の愛するものへの観察眼と描写力は「推しがいるけどそのよさみを言語化するのに手間取っている」とお悩みの方々にはよきお手本だと思うのです。
 そんな亀井先生の豊富な読書遍歴と知識をもって、後進の人生の助けになる指針をあらわそうと執筆された『黄金の言葉』は、ぜひ一冊お手元に置いていただきたいご本です。


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