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こころの隙間産業(ニーズとウォンツ)
「人間はいつも、こころのどこかに隙間があって、その隙間を埋めよう埋めようとしています」というお話を前回、書かせていただきました。
今日は人間の欲求とビジネスのかかわり「こころの隙間産業」と自分は言っていますが、について書いていきます。
これは、以前勤めていた不動産会社の営業部長に教えてもらった考え方です。
部長「俺らは不動産屋だが、お客さんにとって不動産って必要なものか?」
自分「家はないと困るから、必要ですかね?」
部長「だったら賃貸でもよくないか?実家があるなら実家でもいいし。」
自分「確かにそうですね。」
部長「お前、車持ってたよな?」
自分「持ってます。キューブ乗ってます。」
部長「車必要か?都内だったら電車で十分じゃないか?」
自分「でも、あった方が便利かなと思います。」
部長「そういえば、別の車欲しいって前言ってたな?車あるのに必要か?」
自分「必要かどうかで言ったら、必要ないですね。」
部長「じゃあ、なんで新しい車欲しいんだよ。」
自分「…なんとなく、欲しいからですかね?」
部長「世の中には2種類の商品があるんだ。
必要なものと、ただ欲しくなる商品の2つだ。」
「人間の心には隙間が空いていて、
それを埋めようとして何かを買うんだ。」
「その隙間を埋める商売を隙間産業って言うんだ(ニヤッ)」
美輪明宏さんが言っていた「幸せは充足感」という話ととてもリンクしていて鳥肌が立ったのを覚えています。
その後、部長が言っていた言葉が「ニーズ(need)とウォンツ(want)」ということをビジネス書で知りました。
ニーズ(need)とウォンツ(want)
ニーズ(need)は生活をしていくうえで必要な商品です。
卵・小麦粉・米・パン
衣類品・石鹸
などなど
スーパーで売っている、生活必需「をイメージするといいかもしれません。
また、生活には住居も必要です。
賃貸不動産はニーズの部類になるかもしれません。
一方、ウォンツ(want)の商品とは「必要はないけど、欲しいもの」です。
例えば、車、マイホーム、ブランド品などになります。
これらのウォンツ商品は人々のこころの隙間を埋める商品で、ニーズ商品よりも高付加価値が付いており、儲かります。
これは商品の種類で分けられるのではなく、どう売るかによって分けられます。
Tシャツを例えると、ユニクロで売っている980円のTシャツはニーズ商品ですが、同じTシャツでも7万円のグッチのTシャツは必要はないので、ウォンツ商品です。
ユニクロのTシャツの原価が仮に200円だったとしたら、粗利益は780円で粗利益率は80%です。
では、価格が70倍のグッチのTシャツの原価が70倍の1万4000円もするかというと、そんなにしないはずです。
高く見積もっても1000円。粗利益は6万9000円で利益率は98%です。
(アパレルのことは詳しくないので、想像の金額ですので、あくまでイメージで。)
7万円のTシャツが売れる理由
では、なぜ必要のないTシャツに7万円も払って買う人がいるのでしょうか?
それは人間のこころの隙間がそうさせています。
とある大学生がユニクロの良質なTシャツを安く買い、喜んで着ていたが、「ユニクロを着ていると他の人とも被るかも」「ダサいと思われるかも」「おしゃれと思われる、もうちょっと良いTシャツが欲しい」という欲求が出てきます。
そんな思いから、ユナイテッドアローズで7000円のTシャツを買って、「そこらのダサい奴らと違って7000円もするTシャツを着てるんだ」という特別感を感じました。
そのTシャツを着て合コンに行った彼ですが、その合コンでハイブランドの財布とアクセサリーを付けた男が、女の子にチヤホヤされていてモテているのを見て、「自分もモテたいな」「ブランド品も身につけるとモテるかもしれない」「ハイブランドの商品が欲しいな」という新たな欲求が生まれ、7万円のグッチのTシャツをついに購入することになります。
このように、欲求は一時的に満たされても、また次の欲求が出てきて、欲しいものはエンドレスに生まれてきます。
また、欲しいものの金額もどんどん高額になっていきます。
どうやってウォンツ(want)商品を売るのか
当然、ニーズ商品はたくさん売れて売りやすいですが、ウォンツ商品はそれほど多くは売れないし、売りづらい商品です。
そこで、このウォンツ商品を売るのに必要なのが、セールスパーソンと言われる、営業マンや販売員になります。
自分の会社では家賃3万円のアパートから数億円の物件の売買もしますが、安い賃貸物件はニーズ商品ですが、売買物件はウォンツ商品なので、売り方が変わってきます。
次回の記事では、セールスパーソンの役割について語ろうと思います。
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