相性の悪い人が好き
子供の頃、母の手伝いがしたかった。
自分に何ができるかなんて何も考えていなくて、ただ自分がすることで母が楽になって、母が喜んでくれたらいいなと思っていた。二人兄妹、一応女だったので台所をうろついて「お母さん、何か手伝うことある?」と尋ねたことは沢山ある。
でも返事はいつも決まっていた。
「あんたが出来るようなことはないから」「手伝ってもらった方が大変になる」「やってもらってもいいけど、あんた不器用だからねえ」
(今となっては自分も似た所があるから分かるけど)母は、教えるより自分がやる方が早い、というタイプの人だった。料理に必要なスキルが何かなんて理解していなかったけど、子供の頃から「そうか、自分は不器用なんだ」という認識だけが育っていった。
でも母のことはとても好き。とても嫌いな所もあるけど、今も、やっぱり好き。大学受験の時、色々話していて、「私は私が嫌いだ」とこぼしたら、「どうして?お母さんはあんたが好きよ」と言ってくれたから。相性はよくないけど、向こうも私にイライラすることも沢山あるだろうけど、好き。
恋愛でもそう。相性の悪い…というか、絶対に一緒にはい続けられない人を好きになる。
社会人になってから好きになったのは、社交的で話が面白くてアクティブで、友達も大勢いる人。どう考えても一緒にいたら自分はしんどくなるような人だった。
好きというより憧れだったのかなー。何もかも自分とは違う人だったから気になっただけなのかも。人間的にとても素敵な人だと思って、可愛がってはもらっていたけど絶対に望みはないと確信しながら告白して、予想通りフラれて、そしてそのことにとても安堵した。
よかった、やっぱりこの人は私なんかを好きにならない人だって。そのことで信頼感は余計に増した。
…なんで急にこんなこと書いてるのか分からないや。でも、自分が好きな人と、一緒にい続けると辛くなる自分を、少し恨んだりもするよねって話。
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