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2024 本屋大賞 わたしのランキング

本屋大賞公式HP(https://www.hontai.or.jp/)より

10冊読んで、私なりのランキングを作ってみました!


🥇スピノザの診察室 /夏川 草介
『医者には「科学者」と「哲学者」がいる』という話が印象的だった。患者に寄り添うのはもちろん大事だけれど、それだけじゃ今の医療技術はないのだと。
正解はなくとも、患者さんにとってよりよい終着点を模索していく。なんてかっこいいお医者さんなの!
「神様のカルテ」も読み直したい!

🥈君が手にするはずだった黄金について/小川哲

本当の話なのか、はたまた全部嘘なのか。今までに読んだことのない不思議な本だった。理屈っぽさがだんだん癖になってハマってしまった。
インチキ占い師撃退方法とか、大震災の前の日ってなにしてたか覚えてなくね?とか、着眼点が面白すぎる。
著者は、哲学が好きな方なんだろうな〜。お名前にも、哲学の「哲」が入っているし!

🥉成瀬は天下を取りにいく/宮島未奈

とにかく「成瀬」のキャラクターがとても良くって、楽しい小説だった。ぐんぐん進む。成果が出せなくたって恥ずかしがらず、ひょうひょうと、いろんなことに挑戦する姿勢を見習いたい。

④リカバリー・カバヒコ/青山美智子
"優しい読み心地大賞"ならこれ!
『不安な気持ちには、立ち向かうより、そらすってことも大事なんだ』楽しいことに意識を移動する。難しければ、まずは目の前のことだけ集中してやってみる。
"ながら行動"をついついやってしまうけど、それだけに集中する時間を大事にしたいなと思った。

⑤黄色い家/川上未映子

"いちばんダークで賞"はこれ。
自分の罪に身動きがとれなくなって、どんどん落ちていく様子が生々しく描かれていて辛かった。ただ、生きることに一生懸命なだけなのに、どんどん悪い方に引っ張られてしまう。
『金は「権力」で貧乏は「暴力」』
その権力に幸せが比例するわけではないな。だけど、暴力によって視野はぐんと狭まるだろうなと。

⑥水車小屋のネネ/津村記久子
『重そうに見えるけど、何人かで持つと全然重くなかったね、と律が言っていたことが、理佐はなぜか長い間忘れられなかった。』p179より。 この文章に、この物語の全てが詰まってると思った。周りの人と助け合い、愛し愛され。ヨウムのネネが縁を繋いでいく。

「黄色い家」も毒親家庭から逃げた先のお話だけど、全然違う展開で面白かった。主人公の運が良かったか、悪かったかだけの違いかもしれないと思うと、怖い。
毒親、貧乏...だけど、その先でどんな出会いがあるかで人生変わるよなあ。

良い出会いを掴み取って行かなきゃいけないよね。

⑦レーエンデ国物語/多崎礼
これでこそ、王道ファンタジー。愛する人を守り抜こうとする姿がたくましく描かれている。
カタカナ苦手族だから、土地名や人物名を覚えるのに苦戦した。
最後はそれで終わり?と拍子抜けしてしまった。あくまでレーエンデ国の"歴史"の物語なんだろう。歴史は時代とともに不確かになっていくから、不明瞭なのかな〜
消化不良なのでこの順位。

⑧星を編む/凪良ゆう
前回の本屋大賞「汝、星の如く」の続編。前作には劣るかな、でも、答え合わせができる感じで前作ファンにはたまらないと思う。

凪良ゆうは「流浪の月」が今まで読んだ中でいちばん好き。"本人たちにしか分からない愛の形がある。まわりの人がとやかく言うことないじゃんね。"という、この本と共通するテーマがあるように思う。

⑨存在のすべてを/塩田武士
いまいち私にはハマらず。長い刑事ドラマを見ているような気分だった。
いや、実際に映像ならもうちょっと感情移入して楽しめるのかも。映画化したら見たいな。

⑩放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件/知念実希人
児童書としては名作だと思う!小学生の時に出会っていたらもっとわくわくしたと思う。学校図書館で人気になるだろうな!

...

【本屋大賞発表を受けて】
成瀬が本屋大賞なのは納得だった。爽やかで読みやすい。滋賀県民大喜びだろうなあ。
続編も手元にあるから、今から読んでみようと思う。

本屋大賞は必ずしも"いちばん面白い"ではなく、書店員さんが売りたいかどうかだから、読みやすいかどうかとか、主人公のキャラクター性とかが大事なんだろうなあと思う。

また来年の本屋大賞も楽しみ!

ここまで読んでくれた、全ての本好きさんに幸あれ!

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