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戦略コンサル転職体験記①

数年前まで総合コンサルとして勤務していた私は、当時いたアクセンチュアで「戦略チームに移りたい!」と思い行動しながらも、中々思うように物事が進まず転職活動を開始し、紆余曲折の末にブティック系戦略ファームへ入社し今に至ります。

その当時の思い出を体験談形式で書いてみようと思います。

戦略コンサルになりたい方々にとって役立つ情報となれば幸いです。

▼応募した企業

・マッキンゼー

・BCG

・ベインアンドカンパニー

・ATカーニー

・Strategy&

・アーサーDリトル

・ローランドベルガー

・DI


今日は上記のうち、どれか一つについての面接レポです。

今後、追加でほかの企業も書いていきますので、こうご期待。


<1次面接>

19時からの面接だったため、終業後に大急ぎで電車に飛び乗り移動。脳内でフェルミ、ケースの対策を繰り返しシミュレーション。

5分前に会場に到着し、部屋に案内されると、会社案内のパンフレットとお水が。会社説明会ならぼーっと眺めるものの、今日は違う。

1日の売り上げ計算、社会動向を踏まえた業界動向の変化、など対策した問題を思い出していると、間もなく女性の方が入ってこられました。30代前半ぐらいの方で、現在マネージャをされてるとのこと。人当たりはすごくいい感じなのですが、とても聡明な雰囲気、

「うわー、戦略コンサルっぽいわ」

とアホなことを思っているうちに面接スタート。

軽く自己紹介したのちに、「じゃあケースやりますか」と手元のPCをみなが、「ネイルサロンって行ったことあります?」と笑顔で問いかけられる。

「あー、、、ないですね。。」となぜかちょっと考えてから回答するという謎の考えてますアピールをして、ちょっとがっかりしながら顎でうんうんする面接官。

「(あ、これはボケてたのか。。!)あはっいやーないっすね。。」と若干微妙な空気にしてしまったことに気を落としながらも面接スタート。しっかりした内容で挽回するしかないと気持ちを切り替えて臨みました。

▼お題
ネイルサロンの市場規模推定、またそれを向上させるには??

※15分間で考えて発表
※不明点は随時ディスカッション。
※電卓使っていい。

よくあるケースだと、3分~5分で市場規模出して、5分~7分で売上・戦略立案というパターンが多いですね。

~計算、施策検討スタート~

「なにか聞いときたいことありますか?」

「あーっとそうですね。。店舗数はマッサージ店の数ぐらいで考えようかと思ってるのですが、客単価が正直まったくわからないんですよね。」

「まぁそれはそうですね。なんの情報があれば算出できますか?」

「そうですね、んー平均相場がわかれば一番ありがたいんですが・・」

と笑顔で回答してくれてた面接官の顔が曇る。

「(やばい。それじゃ「算出」じゃないか。。直接的な情報を取得するんじゃやり方として違う。計算ロジックを求められてるのか。。。)・・・んと、、そしたら、人件費はどうでしょう?必要なコストがわかればそれに必要な一人当たりの単価がだせると思うのですが」

「うんうん、そうですよね(にこっ)、いわゆるバイトよりは高い時給3000円~4000円ぐらいで考えてもらえれば大丈夫です。」

「わかりました(きりっ)、それでは進めます」

と、なんとか耐えきりました。

皆さんには耳タコかもしれませんが、コンサルの面接ではあくまでその人の論理的思考力を見ています。一言でいうと、「ロジックを組み立てる力」です。情報の肌感覚があってるほうがそりゃ望ましいですが、そんなことは調べればわかります。コンサルに求められるデータや規模の推定は、出回ってない情報が求められます。なので、皆さんも「あれ?この情報は聞けばわかるんでね?」と感じても、あくまで一般的な情報(人口、面積など)から計算して算出する、ということを意識するようにしてください。これは面接官をする側になってより感じるようになりました。

と、その後ゴリゴリ計算、施策のうち手を考えていきます。


「ピピピピッ、はい時間です。ではプレゼンをお願いします。」

運命の時間が始まりました。

~プレゼン開始~

「では、ご説明します。市場規模はごらんのようにこちらに算出しました」

とホワイトボードを指さします。

と、ここで話がそれますが、ホワイトボードを使ってケース問題を解く際、テクニックがあるのをご存知ですか?

それは、ずばり「”タイトル”と”計算式”をボードにばちっと書く!」です。

・・・はい、それだけと思いますよね?わかります。

ただ、書くのとやるのは大違い。やってみると案外難しいですよ。

なぜかというと、ボードがあると、そこで書きかきしながら考えを整理しちゃいますよね、当然です。ボードってそういうもんですから。ただそうしてぐちゃぐちゃとボードが埋め尽くされて行って、市場規模、施策が所々にちりばめられた状態になると、肝心なことができなくなってしまうんです。そう。「プレゼン」です。

誰に向けてそのケース、スタディをとくのか。それは「クライアント」のためです。もちろん実際のジョブでは、いきなり会議室に呼ばれてボードの前で「ちょっとうちのこの事業の方向性をちゃらっとプレゼンしてくれないかね」といわれることはまぁないですが、このケース面接においては「クライアント」になるのが「面接官」です。

他人は自分が思っている以上にすっきりと考えをまとめないと理解できません。それにそれを専門にしている戦略コンサルのひとたちですからなおさらそこは厳しいです。

なので、僕はまずケースを解くときにアジェンダを描くようにしています。

今回のケースだと

タイトル:ネイルサロンの市場規模推定、またそれを向上させるには??

市場規模:Ⓐ一店舗の売上×Ⓑ店舗数

売上向上施策:(1)客単価向上、(2)客数向上

とまず書いてしまいます。

イメージとしては、まずは左上にタイトルを大きく記載。

その後、ボードを分割して左側に市場規模、右側に売上向上施策を描きます。市場規模はまず計算式を描いてそこからⒶとⒷで縦に2分割、右の施策も同様に(1)と(2)で2分割という感じに進めます。

ボードの端っこのほうにぐちゃぐちゃに書いていいスペースを残しておいて、そこでああだこうだ考えてます。こうすることで俯瞰で見たときに、すっと頭に入ってくるので(これはコンサルでよく言う言葉ですが、めちゃくちゃ大事な感覚です。これでできるやつかどうかみられるようなところもあります。)だいぶイメージよくプレゼンを行うことができます。

話がそれましたね、では、本題に戻ります。

「以下のように算出しました。

①一店舗の売上×②店舗数

・①客数36人×客単価3000円/h×稼働率(平日50%、休日100%)
・②都市10万、郊外5万→15万店舗
・営業時間10時〜22時の12h
・店員3人
・一回サービスは1H

そうすると、65億円程度になります」

とここでフィードバックになります。

~面接官からのフィードバック~

「えーと、、、まず市場規模少なすぎません?計算すると兆円規模になるはずなんですが、、計算あってます??」「それから①の客数はキャパ。キャパかける稼働率で客数がでるのではないですか?」「答えは2000億程度。客単価は5000円で1回2h程度。また店舗数は2万程度。ただ、これは調べればわかるので別にいい。」「店員3人という店がどれぐらいの割合かというのを考慮できればより精緻化されたかと。」「ただ客単価を決めていくときに一回のサービスにかかるコスト(人件費、材料費、賃料)から出そうとした観点は良かったですね。」とズバズバっとご指摘されちゃいました。

たしかに、今振り返ってみてもだいぶ突っ込みどころ満載な回答ですね笑

ただこれは時間に余裕があったり、落ち着いた状況ならいくらでも言えるんですが、必死にテンパって考えるとそうできなくなるんですよねー

ただ大丈夫です。これ、練習すれば改善されますから。ほんとに。誰でもできるようになります。

面接官の方からもご指摘いただいた通り、まず上記の計算だと兆円規模になるはずですよね。そもそも、あと年間の営業日数が計算式から抜けてますよね。稼働率は、、まぁ100%のお店もあるだろうし80%、90%とする理由を見つける理由を考えるのは優先度低だったので良しとしましょうか。客数もその通りですよね、キャパ(座席)が何席あって、それが1日の営業中、どれぐり埋まってるか(稼働しているか)で見せないとですね。その感じで書いたつもりだったのですが、これを見ると”36人のお客様が1日の平均顧客数でそれが何割来るか”というロジックとして弱く見えてしまいますね。ただ客単価を決める際のロジックのところがよかったみたいで、なんとか踏みと留まれたという感じでしょうか。

ここまでプレゼンが始まって2分程度しかたってないですが、まぁ汗びっちゃりですよね。。ただ大事なことはここで「折れずに”熱意”をもって話を前に進めようとすること」です。そりゃ百戦錬磨の方たちばかりですから、滅多打ちに会うのは必至です。ただ、そんなことはどうでもよくて、「なるほどたしかにそうですね、じゃぁこっちですね、この案はこういった観点も必要ですかね。」とガンガンいくことです。

~戦略コンサルの中で、「できるやつ」とは~

ちょっと話はそれますが、自分も戦略ファームに移りたての時には委縮したり、正解をいわなくちゃという強迫観念から思うように発言できず、「ふーん、なるほど、たしかに、」とパートナー張りに顎を触りながらうんうんうなずくことで時間をしのいでました。ただマネージャの立場になってくると、そういう子のほうが「大丈夫かな?こいつ」とか「こいつ全く理解してないな」と思ってしまうんですよね。

わかったふりというのは大事な場面もありますが、いざタスクに落として動き始めるいくときにはまったくもっていらなくて、むしろうざいぐらいに細かく考えたものをぶつけて全然ちげーよ!って返り討ちにあうのを繰り返してきてほしいし、トライアンドエラーエラーエラーをしてきてもらったほうが安心できます。なぜって、もし仮にその人ができなかったときには自分がそのタスクを巻き取らないといけなくなるので、そういった点からもそこは「ほんとに」理解している人のほうが立ち上がりこけまくっても結果的には評価が高くなっています。

と、また脱線してしまいましたね。。

だいぶ長くなってしまいましたので、また別記事で続きは書こうと思います。

またこの体験談以外にも、実際に戦略ファームで出されたケース集と現役戦略コンサルとの無料スカイプケース対策を有料記事で提供させていただこうと思いますので、ご興味おありの方はぜひそちらもご覧ください。

ではでは。また次回


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戦略コンサルの実態を知りたい方はこちら


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